なぜロナウドは敵地で沈黙するのか。見失ったスタイル、その理由を示す2つのデータ

3月14日(月)11時7分 フットボールチャンネル

流れからの決定機ではマドリーを上回ったラス・パルマス

 リーガエスパニョーラ第29節、レアル・マドリーはアウェイでラス・パルマスと対戦。試合は2-1で勝利を収めたものの、内容は決して優れたものではなかった。そして、前節ホームで4得点のクリスティアーノ・ロナウドは、またしてもアウェイで沈黙した。

——————————

 ホームで行われたセルタ戦での7-1の大勝からチャンピオンズリーグを挟んで迎えたアウェイでのラス・パルマス戦。現在15位の昇格組であり、本来であればアウェイでも圧倒的な勝利が期待される相手だが、今季のマドリーはアウェイというだけで一抹の不安を抱えている。

 しかも、ラス・パルマスは15位の昇格チームとはいえ、第25節のバルセロナ戦では敗れながらも内容では善戦。その後の3試合ではエイバルやビジャレアルという上位のチームを相手からも勝利を挙げて3連勝中と好調の中にある。

 その不安はキックオフから徐々に高まっていく。ラス・パルマスはバルセロナ戦と同様に4-1-4-1のシステムでマドリーの中盤に激しいプレスをかける。その結果、マドリーは90分間で11回もボールを失い、ラス・パルマスはショートカウンターから決定機を作り出していた。

 マドリーのGKケイラー・ナバスが5回のセービングでゴールを守ったことで、ラス・パルマスの得点は1点にとどまったが、流れからの決定機という点では確実にマドリーを上回っていた。

 それでも結局はセットプレーからの2点からマドリーが勝ち点3を手にし、ラス・パルマスは勝ち点を得られなかったという事実のこの両チームの差があるといえる。

ボールタッチ最少。孤立したセンターFWロナウド

 しかし、レアル・マドリーが十分な力を発揮できなかった理由には、やはりクリスティアーノ・ロナウドの不発が挙げられる。この日、ロナウドは本来のウイングではなくセンターFWとして先発。シュート数はわずか4本で、特に後半の45分間ではシュート0本に終わるなど低調なプレーを続けていた。

 前節4得点のロナウドが、なぜシュートすら打てない状況に陥ったのか? まずは、センターFWというポジションでの起用法にある。センターFWでの先発自体はベンゼマ不在時には珍しいことではなく、CLローマ戦でも務めて1ゴールを決めている。

 それでも、やはりロナウドの適性ポジションはウイング。サイドのスペースからドリブルでロズムを作り、自らゴールまで運ぶことで得点を生み出すのが主なスタイルである。

 例えば、今季公式戦のシュートエリアを見ると、全252本中34%となる85本がペナルティエリア外からのもの。1試合平均にすると4.9本もエリア外から放っている。

 しかし、よりゴールに近くスペースのある位置でボールを受けにくいセンターFWでは同様のスタイルでのプレーは難しくなる。例えば、本来センターFWを務めているベンゼマのエリア外からのシュート率は14%。バルサのセンターFWスアレスは12%となっている。

 さらにラス・パルマスの戦術プラン。前述したように4-1-4-1のシステムで1トップがDFラインに、2列目の4人がマドリーの中盤にプレスをかけ、アンカーがカバーリングに回ることで前線に効果的なボールが渡るのを阻止していた。

 そのプランは上手く機能し、マドリーがボールを失った回数はラス・パルマスの9回を上回る11回。ロナウドのボールタッチ28回で、この試合で先発した22人中最少、交代出場したコバチッチの31回よりも少ない数字を記録するなど孤立してしまった。

批判に焦り? アウェイでよりゴール前に張り付く

 そして、もう1つはやはりアウェイであること。なぜ、ロナウドはアウェイで全く別の選手のようになってしまうのだろうか?

 まず、今季のロナウドの公式戦ゴールは40点。そのうちホームが26点でアウェイが14点となっている。14点は一般的に考えれば十分な数字だが、全体を通して見るとホームでの圧倒的な存在感はアウェイでは発揮できていない。

 そのアウェイでの姿には、現地のメディアもファンも不満を持っており、今季は批判の声も大きい。本人はそういった声に反発する姿勢を見せているが、プレーデータを見ていると、やはり焦りを持っていることが見えてくる。

 まず、先に挙げたシュートエリア。今季のロナウドのトータルシュート数は252本。そのうちホームが139本でアウェイが113本だった。

 さらにそのシュートをエリア別で細かく見ていくと、ホームでの139本中ペナルティエリア(PA)外が54本、ペナルティエリア内が76本、そしてさらにその内側のゴールエリア(GA)内が9本。パーセンテージにするとPA外39%、PA内55%、GA内6%である。

 一方で、アウェイの113本はPA外31本、PA内74本、GA内8本でパーセンテージにするとPA外27%、PA内65%、GA内7%となっている。PA外が10%ダウンというのは非常に大きな差である。

次のアウェイ戦はクラシコ。ロナウドは輝けるのか

 さらにドリブルのデータを見ると、トータル84回で成功率50%の42回を成功させている。これを1試合平均のホーム&アウェイで見ると、ホームでは成功2.2回で失敗1.9回、アウェイでは成功1.4回で失敗2.3回とほぼ逆の数字となっている。

 例えばメッシは、ホームで成功6.4回・失敗2.2回、アウェイで成功8.8回・失敗5.6回。実数ではアウェイで上げてくるなど確率、数ともに高い数字を記録している。

 ロナウドは、アウェイでは自らの武器であるドリブルでゴール前まで運ぶことが難しく、よりゴールに近い位置を求めるがゆえに前線に張りすぎて自らのプレーを見失っているといえる。結果を追い求めすぎてペナルティエリア内でのプレーが増えれば、反比例してゴールが減る。このデータからロナウドがアウェイではいかに焦りを感じながらプレーしているかが分かる。

 レアル・マドリーが迎える次なるアウェイ戦は4月2日のカンプ・ノウ、バルセロナとのクラシコである。カンプ・ノウのピッチで結果を残すためには、一度ゴール前から離れて自らのベストなプレースタイルを取り戻す必要があるだろう。

フットボールチャンネル

スタイルをもっと詳しく

BIGLOBE
トップへ