本田、“特性がない”ウイングで一歩後退のプレー。大揺れのミランに同僚、そして副会長も激怒

3月14日(月)15時32分 フットボールチャンネル

低調な結果に本田同僚も叱咤

 ミランは現地時間13日、セリエA第29節でキエーヴォと対戦し、アウェイで0-0の引き分けとなった。この結果に、ミランの選手たちは危機感を募らせ、そして副会長も怒りを露わにしている。大揺れのミランだが、本田圭佑も「特性がない」と自負するウイングとしてのプレーは一歩後退となってしまった。

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「出だしの内容は酷かった。それから攻撃はできたけどゴールは遠い。難しい敵地とはいえ、簡単な相手に勝ち点を取りこぼす。チャンスを決める強引さがなければいつまでたっても問題は同じ、ミランがそんな調子では許されないんだ。コッパ・イタリア決勝に進出したからいいやと思って6位で満足したら、それすらも失うことになる」

 13日のキエーヴォ戦後、この日ミランのキャプテンマークを巻いたDFイニャツィオ・アバーテは、地元メディアに対してチームヘ叱責の言葉を吐いた。その通りの試合だった。前半30分間はろくにボールを運べず、防戦一辺倒。そしてその後に盛り返し相手を圧倒するものの、フィニッシュワークの乱雑さに泣き、相手の堅いディフェンスをこじ開けることができなかった。

 結果から見れば、本田圭佑のプレーも物足りなかったという評価になる。相手の厳しいプレスの中、パフォーマンス自体は悪くなかったのだが、ゴール前でのチャンスメイクから得点を導き出すことはできなかった。

 4-3-3の右ウイングとしての先発が濃厚視されていたが、急に変更になった。ユライ・クツカがウオーミングアップで故障したため、急遽ジェレミー・メネズが先発することとなり、システムは4-4-2のまま。ちなみに決断が下されたのはメンバー表が配られた後。記者席には修正版のメンバー表が配布された。

本田、チャンス演出もゴールには結びつかず

 さて本田だが、チームが劣勢に立たされた前半からよくボールを運んでいた。前半11分、対面の左SBマッシモ・ゴッビを1対1でかわし縦を突破。なおもドリブルで突進して相手を振り切り、右足でクロスを上げた。ゴッビは他チームを渡り歩いたベテランであり、戦術理解度の確かさとハードな当たりに定評のある選手だ。最初のマッチアップで彼を手玉に取った本田は、自信を得たのか1対1の場面では積極的に抜きに掛かった。

 もっともその前に、キエーヴォのMF陣がハードなプレスを掛けてくる。特に左のジャコモ・ボナベントゥーラと同様、戦術のキーパーソンと見なされた本田は常に2人以上で取り囲まれ、アバーテにもプレスが掛けられて連携を封じられた。

 しかし自らの推進が難しければ、その分周囲を使う。囲まれても粘り、マークを引き寄せた分スペースができていることを確認し、横パスを出す。こうして開いたスペースでパスを受けた味方には、前方に大きく視野が広がっている。そこからゴール前へと到達する展開が何度も生まれていた。

 味方が相手の激しいプレスに戸惑い、狭まった視野で強引なプレーに走っては失敗する中、本田はクレバーに立ち振る舞っていた。象徴的だったのは48分。

 ひとしきり味方が左サイドでボールを“こねた”のち、ピッチの中央でボールを受けるとノールックで右サイドにボールをはたく。するとそこには、フリーになっていたアンドレア・ポーリが。シュートを狙うが、ゴールの左にそれた。

 ただチーム全体が息を吹き返した後半には、逆にゴール前での淡白さが目立った。カルロス・バッカの左クロスを拾い、さらにファーへと折り返した後半10分のクロスは惜しかった。だが18分には、決定的な場面でシュートを打たなかった。前節の失敗が頭にあったのか、エリア内に出るが右足でのシュートを回避、しかもそれが相手に届かなかった。その直後、裏に走って中央に折り返す。ただこれもルイス・アドリアーノに届かなかった。

本田は一歩後退。大揺れミランに副会長も激怒

 それでも本田は、チーム最大のビッグチャンスを演出している。左サイドでフリーとなっていた30分、正確にパスを回してエリア手前でフリーとなっていたアンドレア・ポーリに通った。これが素早く逆サイドでフリーとなってたアバーテまで回る。しかしシュートを試みるがバーに当たり、こぼれ球を拾ったアンドレア・ベルトラッチがシュートするが、これもクロスバーに当たった。

 繰り返すが、パフォーマンスそのものは悪くなかった。セリエAの公式スタッツによればスプリントで稼いだ距離は1.2kmを超え、しかもスプリントのスピードも33.64kmと両チームを通じ全選手一番のスピードを叩き出していた。

「特性がない」と言っていたわりにはウイングらしい仕事も果たし、またクレバーなパス回しも効いていただけに、ゴール前でチャンスを作りきれなかったことが惜しまれる。チームを勝たせるプレーを本人が追求したいのなら、やはりこういったところでチームを助けて欲しい。その意味では、一歩後退のプレー内容になったといえる。

 もっともミラン全体は、一歩後退どころの話ではなく大揺れだ。試合後、冒頭のようなコメントを発したアバーテだけでなく、クリスティアン・アッビアーティらが選手の情けなさにロッカールームで怒りをあらわにしたという。

 また試合後にはアドリアーノ・ガッリアーニ副会長が、周囲にも声が伝わるほどの罵倒を携帯電話で聞かされていた様子を目撃されている。「声の主は間違いなく(シルビオ・ベルルスコーニ)名誉会長だろう」と地元記者の一人は言った。果たして、どういう方向に転じていくのだろうか。

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