香川ゴールも深い悲しみ。BVBにとって何より大事だった勝利。急死ファンに「君は1人じゃない」

3月14日(月)11時57分 フットボールチャンネル

シーズン後半で根気強く取り組んでいる3バックの布陣

 13日、ブンデスリーガ第26節のマインツ戦をドルトムントは2-0で勝利した。2シャドーの一角として先発出場した香川真司も得点を奪っている。だが、この勝利の裏側には深い悲しみがあった。

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 スタジアムは深い悲しみに包まれた。2016年3月13日のブンデスリーガ第26節、ボルシア・ドルトムントはホームにマインツを迎える。

 香川真司は、2月28日の第23節ホッフェンハイム戦以来の先発となった。攻撃時には、香川がロイスと2シャドーを組む。DFラインは3バックになり、左SBのシュメルツァーが高い位置を取る。

 両SHに、シュメルツァーとムヒタリアン、シャヒンが6番でカストロが8番、トップにオーバメヤン、といったところだ。つまり後半戦に入ってから、ドルトムントが取り組んでいる布陣である。

 トゥヘルが根気強く取り組むこの布陣は、まだまだ発展途上の段階と言えそうだ。21分の場内発表によれば、ドルトムントのボール支配率は65%を記録した。しかしBVBは後ろで回すが、なかなかシュートまで持っていくことができない。

 それでもこのマインツ戦では、ポジティブな変化の兆しが見え始めた。

 23分、フンメルスがロイスに縦パスを入れて、左サイドを上がるシュメルツァーにすぐさまパスを出す。そのままシュメルツァーはシュートまで持ち込んだ。ロイスは2シャドーの位置である。

 また、直後にはムヒタリアンがエリア内の右にポジションを取る香川にパスを入れて、再びボールを貰おうとする動きも見られた。この場面では香川に付いたベルに阻まれることになったが、2シャドーを活かした、活かそうとする形が少しずつ見えるようになってきた。

積極的なエリア内侵入が実った香川の得点

「流動的に動きに変化を加えてやるようには意識していました」と言うように、香川もボールを受けてチャンスを演出する場面が少しずつ出てきている。

 33分、少し低い位置ではあるが、フンメルスからボールを受けて左サイドを上がるシュメルツァーにパスを出す。38分には、シャヒンからエリアの手前でパスを受けて、また左のシュメルツァーに大きくサイドチェンジ。そして、そのままエリア内に入っていく。

「両サイドに速い選手が入って、あそこで作れるので、そういう意味では中に入っていくところは求められています」

 マインツ戦では、香川のエリア内に入っていく動きが目立ったが、73分のゴールは、その動きが実った形だったとも言えるだろう。ムヒタリアンが左のオーバメヤンへ、オーバメヤンの折り返しを、ロイスがスルー。そして香川が右足で押し込んだ。

 しかしロイスが決めた29分の先制点は、カストロの個人技から強引に生まれたものでもある。そう考えると、3バック+2シャドーはまだまだ発展途上の段階と言えそうだ。

 しかし、このマインツ戦で重要だったことは、布陣が機能したかどうかではなく、何より勝利したことだったと言えるのかもしれない。

 ファンの1人が、試合中に心筋梗塞で天国に旅立った。

 その事実が伝わっていったのか、歌声は次第に止み、静かなざわめきがスタジアムを覆った。

 そしてゴール裏は、BVBの黄色いタオルマフラーを掲げて「You’ ll never walk alone」を歌う。

 君は決して1人で旅立つわけじゃない。

 先行くファンに捧げられた、2-0でのマインツ戦の勝利だった。

フットボールチャンネル

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