【ライターコラムfrom仙台】掲げたスローガン“Be STRONG” もうひとつの意味

3月15日(水)12時57分 サッカーキング

神戸戦後、記者会見に出席した渡邉晋監督 ©J.LEAGUE PHOTOS

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 ベガルタ仙台は2017シーズンのスローガンを “Be STRONG”と決めた。渡邉晋監督は、この言葉にふたつの思いを込めた。

「『強くなれ』という、サポーターの願いにも共通することが、ひとつ。『強くあれ』という、シーズンの中で必ず訪れる苦しいときにこそ意識したいことが、もうひとつ」

 昨季は負傷者を数多く出しながら、チャンスを得た若手選手による戦力の底上げを加えて、チームの組織力を向上させた仙台。しかし、試合を優位に進める時間は増えても、勝ち星が大きく増えたわけではない。そこで「GOODなチームからSTRONGなチームにならなければいけない」と指揮官に呼びかけられたチームは、より結果を出せるようになるため、3−4−3のシステムなど新しいことに挑戦しながら、成長を続けている。

 新しい取り組みはまだ完成型ではなく、トライ&エラーを繰り返しているところだ。また、新戦力の中野嘉大やクリスランがキャンプ時に、平山相太がその後に負傷離脱したこともあり、開幕時点でのチーム状態はベストだったわけではない。それでも、相手を完全に押し切ったり爆発力のある攻撃をしたりすることはできなくても、粘り強い戦いで明治安田生命J1リーグ戦を連勝でスタートさせた。ここには、スローガンのひとつ目の思い、「強くなれ」というところが見えた。

 そして今、ふたつ目の「強くあれ」という思いが問われている。

 連勝で迎えた第3節のヴィッセル神戸戦で、仙台は今季初黒星を喫した。神戸を率いるネルシーニョ監督が相手の良さを消す策に長けた存在であるとはいえ、仙台の良さを出せずに0−2で敗戦。東日本大震災の発生から6年が経過した3月11日の試合に、ホームのサポーターへ歓喜をもたらすことはできなかった。

「今年のスローガンにもあるように、こういうときだからこそ自分たちが『強くあるんだ』というものを見せて、さらにそういうものを強め、本当の復興のシンボルとして光り輝くときを、また自分たちでたぐり寄せていきたい」

 渡邉監督は試合後に、毅然として語った。最初に倒されたときこそ、またそこから立ち上がって強くなる意志と行動が問われている。

 まずは、新しい強さを加える舞台が、15日から開幕する。JリーグYBCルヴァンカップの第1節は、アウェイでFC東京と激突。開幕節から厳しいカードだが、渡邉監督はこの試合に向けて若手を中心としたメンバーをぶつける構えだ。

 もちろん、ここで出番を得そうな選手として、経験を生かすことが期待されるベテランの増嶋竜也や、負傷で出遅れていたブラジル人ストライカーのクリスランが活躍すれば、チームにとって大きなプラスとなるだろう。そしてそれに加え、「リーグ戦のスタメン争いも目の前のゲームへの出場も、チームへの貢献を意識してやっていきたい」と意気込む常田克人のように、今後の仙台を担う若手選手たちがチーム強化のための底上げをすることが求められる。

 強くなり、強くあることができるか。まずはカップ戦で、”Be STRONG” の志が、試される。

文=板垣晴朗

サッカーキング

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