背後から蹴りが波紋…井上尚弥戦を狙うフェザー級王者の“蛮行”に母国メディアも嘆き「ドヘニーが震えながら倒れ込んだ」
2025年3月16日(日)16時0分 ココカラネクスト

ドヘニーを圧倒して防衛に成功したボール。しかし、リング上での振る舞いはあまりに危険だった。(C)Getty Images
会場も騒然となる行為が波紋を呼んでいる。
物議を醸しているのは、現地時間3月15日に英リバプールで行われたWBAフェザー級タイトルマッチ12回戦での一幕だ。王者のニック・ボール(英国)が、同級6位の元IBF世界スーパーバンタム級王者TJ・ドヘニー(アイルランド)を10回TKOで撃破した一戦は荒っぽい展開となった。
【動画】明らかな故意行為の蹴り ドヘニーに見舞ったボールの蛮行
ゴング開始から両雄はヒートアップしていた。初回終了時にはドヘニーがヘッドロックの態勢を解かなかったことにボールが憤怒。直後に背後から右脚付け根付近を左膝で蹴りつけたのだ。
苛立ちを隠せず、故意に蹴ったのは明らかだった。しかし、痛がって倒れ込んだドヘニーを尻目にレフェリーは王者に減点を与えず。試合を続行して迎えた9回にはクリンチをしてきたドヘニーを投げ飛ばしたボールをレスリング行為で減点1としたが、失格処分は科さなかった。
防戦一方となった10回終了後に陣営判断でドヘニーが棄権をし、幕切れとなった世界戦だったが、圧倒したボールの蹴り行為はボクシングでは御法度。それだけに母国メディアからも辛辣な意見が飛んだ。
英紙『The Sun』は「ボールはライバルに対してなんとキックを放ったが、罰せられなかった」と指摘。同じく英紙『Daily Mail』は「王者が挑戦者を蹴りつけるながら、ノックアウト勝利でタイトル防衛を果たすという物議を醸した試合だった」とリポート。その上で、初回の騒動を次のように描写している。
「最初の5分間で異様な展開となった。なんとボールが物議を醸す反則キックで食らわせ、アイルランド人のドヘニーが痛みに震えながら地面に倒れ込んだのである。しかし、王者はこの時点では何も罰せられることなく試合は続けられた」
王者らしからぬ行動でタイトルを防衛したボール。年内にサウジアラビアで世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)とのメガマッチが見込まれている注目のハードパンチャーだけに、リング上で見せたまさかの振る舞いに驚きは広まっている。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]