瀬古利彦「駅伝に42km区間」提案に川内優輝が賛成&新提案

3月16日(木)7時0分 NEWSポストセブン

瀬古氏の大胆提案に現役選手からも賛同の声

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 日本陸連・マラソン強化プロジェクトリーダーを務める瀬古利彦氏は、『週刊ポスト』前号(2017年3月17日号)でマラソン低迷を脱するために、「箱根駅伝に42.195km区間を導入せよ」と提言した。箱根の9区と10区を一緒にするなどして42.195km区間を創設することで、〈各校がこの距離の練習を始める。出場校のエースが挑めば、毎年20人のマラソンランナーが生まれる〉という“激薬”である。


 箱根人気ばかり先行する現状に危機感を抱くレジェンドの大胆提言だが、その考えに強く賛同したのが、今シーズン2回の2時間9分台を叩き出し、世界陸上の代表入りが確実視されている最強市民ランナー・川内優輝(30、埼玉県庁)だ。


◆1日100km走るべき


 びわ湖毎日のゴールとほぼ同時刻、金栗杯玉名ハーフマラソン(熊本県)に出場し、3位ながらもシーズンベストを出した直後の川内を直撃し、瀬古氏の「42.195km区間」案をどう思うか聞くと、


「マラソンを強化するためには必要なことです」


 と深くうなずいた。今シーズン、福岡国際マラソン(12月、2時間9分11秒)の好走だけでなく、壱岐の島新春マラソン(1月8日、ハーフ)、奥球磨ロードレース(1月15日、ハーフ)、奥むさし駅伝(1月29日、4.3km)、埼玉県駅伝(2月5日、12.1km)、愛媛マラソン(2月12日、フル=2時間9分54秒)、そうじゃ吉備路マラソン(2月26日、ハーフ)などほぼ毎週レースに出る鉄人の言葉だけに重みがある。川内が続ける。


「瀬古さんや宗(茂・猛)兄弟は練習で1日に80〜130kmを走っていた。自分も、公務員の仕事があるのでなかなか難しかったが、去年の9月に100kmジョグをやってみました。そこからは意識も変わったし、記録も伸びています。50kmジョグなどは最近、月3回ほど普通に取り入れるようになりました」


 瀬古氏の「とにかく距離を走る練習が必要」という主張にそう賛同した上で、大学卒業後、実業団に所属せず「市民ランナー」として活躍する川内ならではの新提言も飛び出した。


「長距離選手の選手層を厚くするために42.195km区間を作るなら、ニューイヤー駅伝にも作るべきだと思います。そうすれば実業団側もマラソンを強化せざるを得なくなる。


 ニューイヤー駅伝は1区間の距離が短すぎると思うんですよ。2区なんて8kmちょっと、一番長くて4区の22kmです。中学生のときに3kmくらいを走っていて、高校生になって5〜10km。そして大学では箱根などで20kmを超えているのに、実業団でまた10kmに減っているわけですよ。普通に考えたら成長に応じて、大学で20kmを走っているんだから実業団で40kmってなるはずなんです」


 注目度の高いニューイヤー駅伝に合わせ、短い距離の練習を選手が強いられている構図があるという指摘だ。時折机を叩き、語気を強めながら川内は続けた。


「ニューイヤー駅伝がもっと距離が長ければ長距離ランナーとして大成した選手がたくさんいると思います。本当に気の毒です。そういう選手を救うためにニューイヤー駅伝にフルマラソン区間を作るべきなんです」


◆8時間走り続ければわかる


 川内は長い距離を走ることの重要性を強調する。


「80km走ったら40kmが短く感じる、8時間走ったら2時間が短く感じるんです。100km走をやってからは、50km走をやっても『所詮4時間ぐらいでしょ』って感じになりました。もう馬鹿馬鹿しい話ですけど、そういうことなんです」


 瀬古氏は科学的トレーニングの前に練習量をこなせとも主張。川内はそれにも強いシンパシーを見せた。


「高地トレーニングや科学的トレーニングをやらなくても、(私みたいに)2時間10分を11回切ることもできるんです(笑い)」


 取材当日が誕生日だった川内は「もう30歳だけど、まだまだいける、頑張ります」とも言い残した。日本のマラソン低迷を救うために、改革が必要なのは確かだ。


※週刊ポスト2017年3月24・31日号

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