井上尚弥戦を狙うボールの暴挙にドヘニー陣営が憤怒! 御法度の蹴りつけ→未減点に苦言「あんなことをしてまで勝ちたいとは…」

2025年3月17日(月)7時0分 ココカラネクスト

ボールとの打ち合いに敗れたドヘニー。その内容は波紋を広げている。(C)Getty Images

 苛立ちを爆発させた王者の振る舞いに猛烈なバッシングが飛んだ。

 波紋を呼んでいるのは、現地時間3月15日に英リバプールで行われたWBAフェザー級タイトルマッチ12回戦で、王者のニック・ボール(英国)が見せた“蛮行”だ。

【動画】明らかな故意行為の蹴り ドヘニーに見舞ったボールの蛮行

 初回終了時だった。コーナー際で挑戦者の元IBF世界スーパーバンタム級王者TJ・ドヘニー(アイルランド)にヘッドロックのような形で抑え込まれたボールは憤怒。なにやら言葉を吐き捨ててから右脚付け根付近に左膝でのキックを見舞ったのだ。

 受けたドヘニーは腰から崩れ落ちてダウン。その後に回復したが、当然ながらボクシングにおいて蹴りは御法度。背後からの危険な行為であったことからもボールに何らかの処分が下ると思われたが、レフェリーは注意をするのみで試合を続行した。

 その後、試合は防戦一方となった10回終了後に陣営判断で挑戦者が棄権。圧倒的な内容で王者のTKO勝利で決着。だが、9回にクリンチをしてきたドヘニーを投げ飛ばして減点1を科されるなどボールの素行と審判の対応の悪さが目立った試合は、いささか後味の悪さが残った。

 無論、怒り心頭なのはドヘニー陣営だ。

 38歳のベテラン戦士が拠点を構えるオーストラリアの日刊紙『The Australian』は、「ドヘニーの転倒はサッカーのような芝居がかった感じはあった」と前置きした上で、「本当に奇妙なのはボールがまったく罰せられなかったことだ。少なくとも問題の行為を確認すべきであったし、減点、あるいは失格も検討されるべきだった」と糾弾。そして、ドヘニーのトレーナーを務めるトニー・デルベッキオ氏のコメントを伝えた。

「シンプルに言ってあれは失格だった。そもそもあんなことをしてまで勝ちたいとは思わないだろうが、それが現実となった。キックはできないとルールでそう定められているはずだ。『何とかしろよ、審判』と言いたいね」

 さらに「それが間違っているから何かすべきだと言っている」と続けたデルベッキオ氏は、抗議をした自身が退場処分を受けたことも明かしている。

「私はレフェリーを怒鳴りつけたことで退場を命じられた。彼が『誰を指差しているんだ?』と言ったから、咄嗟に『お前だ。バカ』と言ってしまった。失格にしろよとまでは思わないが、対処をすべきだったんだ。もちろん我々は正々堂々と戦えたと思う。彼(ボール)は本当に怒りっぽい性格だと思う。試合中はずっと感情のコントロールに悩まされていた」

 また、ドヘニーのプロモーターを務めるマイク・アルタムラ氏も「それは我々のまさに目の前で起こったんだ」と強調。「我々はあの行為に対する完全な無視と、審判がルールを厳格に施行しなかったことに驚いた」と苦言を呈した。

「あれほど明白な反則だったから、5分間のリカバリータイムと2点の減点、もしくは失格の可能性もあったと思う。でも、それが議論すらされないのが現実だ。1万1000人の観衆が入った相手のホームで戦っているときは、状況が不利になることが多いと分かる事案だった」

 来る12月にサウジアラビアで世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)とのメガマッチが見込まれているボール。それだけに今回のルールに反する暴挙の数々は気になるところである。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

ココカラネクスト

「ドヘニー」をもっと詳しく

「ドヘニー」のニュース

「ドヘニー」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ