どうする侍捕手?「実績」の甲斐拓也か、「打率6割」の中村悠平か

2023年3月18日(土)16時0分 ココカラネクスト

(C)Getty Images

 第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、侍ジャパンは日本ラウンド5連勝で準決勝に進出。決戦の舞台となる米国マイアミ行きを決めた。捕手の起用を見ると、甲斐拓也(30=ソフトバンク)、中村悠平(32=ヤクルト)が交互に先発マスクをかぶってきた。大城卓三(30=巨人)は途中交代で試合終盤に出場し「第3捕手」の位置づけだ。

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◆準々決勝までの先発捕手 ()内は先発投手

第1戦=甲斐、中国戦(大谷翔平

第2戦=中村、韓国戦(ダルビッシュ有

第3戦=甲斐、チェコ戦(佐々木朗希)

第4戦=中村、オーストラリア戦(山本由伸)

第5戦=甲斐、イタリア戦(大谷翔平)

 いずれも日本が大差勝ちし、捕手はそれほど目立たなかった。しかし準決勝以降は接戦の展開が予想され、捕手にかかる比重は攻守両面で大きくなる。日本ラウンドでは甲斐と中村それぞれ特徴を発揮してきたが、打撃に関しては明暗が分かれている。

◆今大会の打撃成績

甲斐=3試合、打率.100、2打点
(10打数1安打、 4三振3四球1犠打)

中村=3試合、打率.600、1打点
(5打数3安打、 1三振2四球1犠打)

 甲斐は初戦の中国戦で適時2点二塁打を放ったが、その後は無安打と音なし。準々決勝イタリア戦では3三振とタイミングが合わず、さっぱりだった。

 一方、中村はオーストラリア戦で3安打1打点をマーク。状況に応じた進塁打など内容も良く、打撃に関しては中村の方が状態は良い。

 甲斐は国際試合の短期決戦で実績がある。金メダルを獲得した21年東京五輪で日本の正捕手を務め、5試合で.385の高打率をマーク。攻略の難しい初見の投手に対し、配球の読みも光った。ただ、もともと打撃型ではなく、昨シーズンの打率は1割8分。「甲斐キャノン」に代表される強肩と堅実な守備が持ち味で、他の2人にはない国際試合での経験が武器だ。

 過去のWBCでは、打力のあるメイン捕手固定が基本線だった。第1回大会で全8試合に出場した里崎智也(ロッテ)が打率.409のバットでチームを引っ張り、日本の初優勝に貢献。第4回大会までいずれも、強打の捕手か、打撃好調な選手が中心に起用されてきた。

◆WBC正捕手と主な個人成績

06年=里崎智也(打率.409、5打点)
【控え=谷繁元信、相川亮二】

09年=城島健司(打率.333、10安打)
【控え=阿部慎之助、石原慶幸】

13年=阿部慎之助(打率.261、2本塁打)
【控え=相川亮二、炭谷銀仁朗】

17年=小林誠司(打率.450、6打点)
【控え=大野奨太、炭谷銀仁朗】

 第2回以来の世界一奪回を目指す栗山英樹監督(61)は打撃より、守備を重視した起用に見える。代表チームで捕手は普段受けない投手の球を受けるが、今回は大谷やダルビッシュといった世界トップクラスが相手。事前にブルペンでいくら受けても、試合では力の入り具合が違い、クセがあり、軌道が変化することもある。一線級の投手をリードし、初見の打者に神経を使い、負けられない国際試合の重圧もあって捕手の消耗度は想像以上に激しいため、併用策をとっているのかもしれない。

 甲斐と中村を交互に起用し、投手との相性を見極め、準決勝を迎える栗山監督。順番通りなら中村がスタメンマスクの番だが…大一番でどちらを起用するか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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