【識者の眼】ハリルJどうなるFW争い。ハーフナー&小林の加入で競争激化。物足りない攻撃陣は活性化するか

3月18日(金)11時38分 フットボールチャンネル

物足りないFW陣。新戦力が加入

 17日、日本代表は24日と29日に行われるW杯アジア二次予選のメンバーを発表された。久々招集のハーフナー・マイク、Jリーグから小林悠が抜擢されるなどFWに新戦力が加わり、新たな競争が始まった。(文:河治良幸)

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 日本代表のハリルホジッチ監督は24日のアフガニスタン戦と29日のシリア戦に臨むメンバーを発表。FW枠で小林悠(川崎フロンターレ)とハーフナー・マイク(デンハーグ)が選出された。

 小林は「トレーニングキャンプでかなりのクオリティを見せた」と評価され、正式な代表メンバーとしてはけがで辞退した3月以来となり、ハーフナーはアギーレ前監督が率いていた2014年10月以来の復帰となる。

 南野拓実が五輪代表のポルトガル遠征に参加し、武藤嘉紀を負傷のため招集できない事情もあるが、新たなメンバーが加わり、最終予選に向けて前線の競争が激しくなることを予感させる。FW枠は本田圭佑、宇佐美貴史、金崎夢生、岡崎慎司に小林とハーフナーを加えた6人。原口元気はMF登録になっているが、本来は4-2-3-1の左ウィングを兼ねる。

 ハリルホジッチ監督が強調するのは得点力をさらに伸ばしていかなければならないこと。ここまで二次予選の6試合で17得点を記録したが、FW陣は本田が5得点、岡崎が3得点、宇佐美と金崎が1得点という状況だ。二次予選の結果だけを見ればそこまで悪い数字ではないが、ここが“通過点”でしかないことを考えれば物足りない。

「第二段階目で得点を取るところを向上させなければならない」と主張するハリルホジッチ監督は初参加の小林とハーフナーにもチャンスを与えることを示唆した。

 小林は「A代表で得点を取れるまれな選手」と指揮官が評価するように、絶妙な動き出しから正確なフィニッシュに持ち込めるストライカーだ。2014年にシンガポールでブラジルに4-0と惨敗した試合は無得点に終わったものの、惜しいボレーを放つなど唯一危険なプレーを見せていたのが印象的だが、ここまで度重なるけがに泣かされ代表に参加できていなかった。

小林とハーフナーは何をもたらすのか?

 同僚の中村憲剛が「相手の嫌がることをできるスペシャリスト」と表現する小林はハリルホジッチ監督の求める“オブリック・ランニング”(くの字を描く様な斜めの動きを入れながらディフェンスの裏に抜け出す走り)を自然体で繰り出し、積極的に飛び出すだけでなく、マーカーの背中を取る動きができる。

「速くボールを走らせて1タッチ、2タッチでギャップと背後を突く」プレーを掲げるハリルホジッチ監督にとって理想的なFWでもある。

 今回は右ウィングの主力である本田圭佑が日曜日にミランの試合があり、合流が火曜日になることから、24日のアフガニスタン戦は同ポジションでスタメンの先発する可能性も十分に考えられる。

 サイドからチャンスを作ることも大事だが、最も求められるのはゴール前での仕事だ。トレーニングキャンプでは鋭い動きで慣れないメンバーからもタイミング良くパスを引き出していたが、実戦の中で相手の守備状況も見ながら、斜めに走り込む形で相手のギャップを突いて行きたい。

 ハーフナーに関してはオランダリーグで13得点を決めている実績が評価されたことは間違いないが、194cmの高さは戦術的なバリエーションをもたらす期待も高い。ハリルホジッチ監督は引いた相手に対する有効な手段の1つにクロスをあげるが、同時にそこからなかなか点を取れていない事実も認識している。

 ハーフナーが前線に入れば、これまでグラウンダー主体だったところにハイボールを加えることが有効になる。膠着した状況では彼に当てて、周囲の選手が裏に抜ける形も使うことができる。

常連メンバーにも高い要求。さらに競争は激化

 この2人の“新戦力”にゴールや決定的なプレーを期待する一方で、指揮官は常連メンバーにもよりフィニッシャーとしての意識を要求している。本田や岡崎には所属クラブより高いポジション、特にゴール前16メートルでさらに得点に絡むプレーを。

 前回から引き続き招集した金崎にも幅広く動くスタイルを限定し、A代表では少し中央に残りながら、ストラテジックゾーンを使って得点を取れるところに入ってほしいと強調する。

 基本的には4-2-3-1や4-3-3のウィングとCFに配置されるが、中央で能力を発揮する選手が多いこともあり、4-4-2のプランもあるかもしれない。岡崎、金崎、ハーフナー、「もしかしたら真ん中もある」という小林のうち2人が前線に並ぶ形は相手を押し込んだ状況でより有効な布陣になるかもしれない。

 また、MF清武弘嗣の起用に関連してハリルホジッチ監督は「3つめのソリューションも考えている」と語ったが、これがFWの起用にも絡むことなのか気になるところだ。

 トレーニングキャンプ組で今回は選外となった興梠慎三と武藤雄樹(ともに浦和レッズ)、五輪代表の南野や浅野拓磨(サンフレッチェ広島)、さらに何人かの候補が指揮官の頭にあるはずで、6月のキリンカップでは新たな選手がテストされる可能性もある。

 その意味でも今回のメンバーは得点を取る、あるいは直接的に絡むプレーが求められる。特に小林やハーフナーはこのチャンスに一発回答とも言うべきゴールを決め、ぜひともFWとしての存在価値をアピールしてほしい。

(文:河治良幸)

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