本田望結が語る芝居とスケート「片方を嫌いになったら両方やめます」

3月18日(月)8時15分 Sportiva

本田望結インタビュー(後編)

インタビュー前編はこちら>>

 フィギュアスケーターの兄・太一(20歳)、姉・真凜(17歳)、妹・紗来(11歳)を家族に持ち、自身もその世代のトップスケーターとして活躍している本田望結さん。3歳のときから始めたスケートは、全日本ジュニアまで出場するほどの実力がある一方で、それより早く始めたお芝居でも大ヒットドラマ『家政婦のミタ』(2011年)に出演するなど、女優として数々の作品に出演し、話題を呼んできた。自身のプライベートや家族のことについて聞いた前編に続き、後編ではスケートのことを中心に語ってもらった。


フィギュアに対する熱い気持ちを語った本田望結さん

——改めて、フィギュアの話を聞かせてください。もともとスケートはお兄さんの影響で3歳のときに始めたんですよね。大会に出るくらい本格的に取り組み始めたのはいつからだったんですか。

本田 いつの間にかですね。私はお芝居(仕事)のほうを先にやっていたので、たまにお仕事が休みの日に、お姉ちゃんとお兄ちゃんの習い事というか、その時はまだ習い事な感じだったので、リンクについて行ったら、お姉ちゃん、お兄ちゃんを教えていたコーチが「寒いでしょ。滑ってみたら?」みたいな感じで誘ってくれて。初めはお父さんが教えてくれたりしていたんですけど、いつの間にかお仕事のない日はスケートっていう日が続いて、自分の中で(仕事とスケートが)半分半分ぐらいのレベルになっていました。(フィギュアの)大会にもいつの間にか出ていましたし、ほんと自然と時間の流れで進んできた感じです。

——どちらかを途中でやめたいとか、少し休みたいと思ったことはなかったんですか。

本田 やめたほうがいいのかなって思ったことは何回もあります。どっちかにしたほうがいいのかなって。でも、毎回その答えが「やっぱり2つのことをやりたいな」だったんです。それに、芝居とフィギュアを両立させることでしか行けない”誰も行ったことのない世界”に行きたかったので、そのためには片方やめるんだったら、たとえばスケートが嫌いになるんだったら、お芝居もやめるっていう気持ちでこれまでやってきました。だから、もしどちらかを嫌いになってやめるとしたら、どちらかではなく両方やめると思います。

——やめようと思ったことは何回かあったということでしたが、やめるとしたらその時はどちらだと思っていたんですか。

本田 いつも共通しているのは、スケートでうまくいかなくて悩んでしまう、という感じでした。やっぱりスケートでうまく成績が出せなかったり、いい練習ができなかったり。うまく上達しないなかで、お芝居をすることになったら、たとえば何週間か滑れなくなるわけですから、そうすると2つのことをやるって難しいことだなというふうに思っていたんです。

——お芝居よりは、スケートのほうということですね。

本田 どちらかと言えば、そっちのほうが多いのかなと思います。2018年で考えると、割合としては、スケートにかけている時間のほうが圧倒的に多かったんです。でも、お芝居をあきらめているわけではないんです。スケートというものに対する気持ちが強くなっただけで、いろんな方からたくさんの言葉をいただきますけど、もちろんうれしいことも、自分の気持ちがぐらぐら揺れてしまうようなことも言われることがあります。けど、やっぱり自分の人生は自分で決めて進みたいなと思っているので、今は自分が2つのことをやりたい、いつか自分にしか見えない景色があると思って、それに向かって頑張っています。

——2つのことやり続けたいということで、それは、大谷翔平選手のように”二刀流”と言ってもいいのかなと思うのですが、大谷選手についてはどう思いますか。

本田 (自分はまだまだと思っているので)親近感とかはまったくないですけど、私のいちばんの憧れは大谷翔平さんです。本とか、出版されているものはたぶん全部買っています。

——”二刀流”ということについてはどう思っていますか。

本田 2つのことをやるのは誰にでもできると思うんです。でも、その2つを(トップレベルで)できるっていうのは、今は大谷さんしかやれていないことだと思うので、そういう面に関して憧れています。一方で、今の私は(2つのことを)やっているだけなので、全然二刀流でもないですし、強いて言ってもらえるなら”二足の草鞋を履いている”という感じですね。私も、ちゃんと成績というか、お芝居の面でもスケートの面でも早く結果を残したいなと思って、頑張っています。

——自分の中で”二刀流”と言っていいかな、という合格ラインとかはあるんですか。

本田 私は、けっこう計画を立てるほうなんですけど、唯一立っていないのがそこなんです。だから、それが一番不安なんです。スケートって、たくさん試合があり、世界選手権、オリンピック、いろんな成績を残す舞台がありますけど、お芝居ってそういうものがないじゃないですか。何の作品に出られたらトップと言われるわけでもないし、そういうのが明確にないので。でも、いろんなことを経験して、自分が納得できて楽しかったなと思えれば、それでいいのかなとは思っています。




——お芝居とフィギュア、両方やることのメリットはありますか。

本田 お芝居で学ばせていただく表現というのは、スケートに確実につながると思いますし、スケートで得る緊張感は、お芝居についても生かされることだと思います。あとは、2つのことをやっているからには両方に生かせられることを今後もたくさん見つけられたらいいなと思っています。

——日頃の練習について教えてください。現在は、宮原知子選手や紀平梨花選手と同じリンクで練習されているんですよね。そういう選手が身近にいることに関してはどう考えていますか。

本田 それはすごくうれしいです。ただ、一緒に練習する時間がないので、練習の様子はまったく見られていないんです。今、関西ではおふたりの他にもフィギュアスケートのトップの選手がたくさんいます。私は自分にしかできないことを目指して頑張りたいです。

——ふだんの練習で特に比重を置いているのはどんなことでしょう。 

本田 一番はやっぱり表現力です。小さいころからお芝居ということを経験させてもらっているので。フィギュアスケートというと、ジャンプがひとつの大きなポイントになると思うんですけど、そこだけじゃなく、”物語”として私のスケートを見ていただけたら嬉しいなと思うので。私は記録じゃなくて記憶に残る選手になりたいと思っています。

——トレーニングの一環でフィギュア以外の運動もされているんですよね。

本田 スケートのリンクに先生が来てくださって、バレエ、新体操、ヨガなどのトレーニングをみんな(練習生)と一緒にやっています。

——スケート以外で好きなスポーツはありますか。

本田 サッカー、野球、水泳ですね。サッカーは小さいころから大好きで、ワールドカップとかアジアカップの日本代表の試合は全部ちゃんとリアルタイムで見ていました。

——練習の息抜きは何でしょう。

本田 寝る、です(笑)。勉強が終わった、練習が終わった、トレーニングが終わったってなったら、どんな時間でも寝ちゃいます。あとは料理を作ったり、本を読んだりしています。

——競技を続けている中で大切にしている言葉や好きな言葉はありますか。

本田 大切にしている言葉は、「逃げ道は行き止まり」です。

——お姉さんに伝えた言葉ですね。

本田 あとは、「自分は自分」ですね。誰とも比べない。何か苦しいことがあった時は、「私は私」って思います。ほかには、「これがダメだからって死ぬわけじゃない」っていつも言い聞かせています(笑)。

——今シーズンは、全日本ジュニアが総合12位で、全国中学校スケート大会(全中)が総合9位でした。振り返ってみていかがですか。

本田 スタート時点とゴール地点で比べると、想像以上に頑張れていたなと思います。けど、トップに行きたいっていう気持ちが、スタートした時よりもゴールに近づくにつれてすごく出てきてしまったんです。初めは、全日本ジュニアに出るということを目標にしていたんですけど、最後は全日本選手権に出たい!くらいまでの気持ちになってしまい、自分の気持ちと体(技術)が釣り合っていなかったのが一番ダメなところだったのかなと思います。今年、来シーズンに向けて今思っていることは、勝つために滑るんじゃなくて、自分にしかできないことをやる、というところを見失わないようにしたいなと思っています。やっぱり小さい頃からの目標を、簡単に変えちゃいけないなというふうに、このシーズンで改めて思ったので。今後はまずは自分と戦って、それに結果がついてきたらラッキーぐらいの気持ちで行きます。

——全日本ジュニアや全中でも、フリーの演技後、すごく納得していないような表情をしていました。それはどんな理由だったんですか。

本田 先程も話しましたが、勝とうという思いが強くて自分のスケートができなかったからです。その前の近畿(フィギュアスケート選手権/4位)、西日本(フィギュアスケートジュニア選手権/8位)と、自分の想像を超えるいい演技ができたのは、自分のことだけにすごく集中できていて、お客さんの雰囲気とか、”今日はどれぐらいできるんだろう”とかワクワク感が強かったんです。でも、全日本と全中に共通していることは、”勝とう。上に行こう”って思ってしまったのが事実で、ある意味自分に自信がなくて。誰かと比べたり、誰かに勝ちたいっていう気持ちが強かったんです。

——昨シーズンと比べて、今シーズンよかったと思う点や反省点を教えてください。

本田 反省点は、自分を信じることができなかったことです。成長できたと思うところは、最後まであきらめなかった。振りの内容もそうですけど、試合や練習でも最後まであきらめなかったのはよかったかなと思います。

——今シーズンは紗来さんも全日本ジュニアに出場しました。来シーズン、結果は求めないということでしたが、よい結果が出た場合、全日本で真凛さんと同じ舞台に立つという可能性があると思います。その時、メディアも含め、まわりの人たちが騒々しくなると思うんですが、プレッシャーになったりしますか。

本田 そこら辺に対しての気持ちの切り替えは、自分で言うのはなんですけど、すごく上手だと思います。今シーズンもそうでしたけど、自分で思っていた以上に”妹との対決”みたいなことをたくさんの方に言われました。けど、それには全く動じなかったので。

——芸能活動のことも含め、今年の目標を教えてください。

本田 今年は……誕生日占いってあるじゃないですか。2019年、私、(占いの順位が)最下位だったんですよ。365日ある中で最下位だったんです…。でも、2020年に期待できるというのが1位だったんですよ。なので、今年は目の前にある課題をひとつひとつクリアして、2020年、大きな目標を立てて実現できるように、準備としてこの1年は頑張ろうと思っています。

Sportiva

「本田望結」をもっと詳しく

「本田望結」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ