元F1王者ハッキネン、“多くのものを積み上げてきたドライバーにしかできない勝利”を挙げた同郷ボッタスに同感

2019年3月20日(水)18時46分 AUTOSPORT web

 2度のF1世界チャンピオンであるミカ・ハッキネンは、メルセデスのバルテリ・ボッタスがオーストラリアGPで見せた堂々たるパフォーマンスと、ファステストラップアワードを授賞した能力は、ボッタス自身にとって“精神的な励み”になるものだったと考えている。


 オーストラリアGPの決勝レースでは、ボッタスは完璧な走りを見せてチームに88度目の優勝をもたらした。今回の優勝は、1勝もできず期待外れに終わった2018年シーズンを経て、以前ボッタスが示した力強さを回復させるうえで大きな勝利となった。


 ハッキネンは、同郷のボッタスがチームメイトのルイス・ハミルトンから観衆の注目を奪ったほどの見事な戦いぶりに感銘を受けただけでなく、レース終盤にファステストラップ狙いの猛ダッシュをかけたボッタスの自信の強さにも圧倒されたという。


 ハッキネンはレース観戦後、『Unibet』に寄稿したコラム記事で「バルテリはチームの無線で、エクストラポイントが欲しいとはっきり主張していた。新任レースエンジニアのリカルド・ムスコニは気楽にいったほうが良いと伝えたものの、彼はそのまま狙いにいった」と述べた。


「他のライバルたちもファステストラップを狙っていたが、実際に獲得したのはバルテリだった。これも今後の彼にとって精神的な励みになるだろう」


「レース終了後に彼が無線で発した言葉は、彼に対して否定的な評論家に向けたメッセージのようで小気味よかった」


「彼は自分に才能があることを知っている。そして2019年シーズンの始めに強力なスタートを切ろうと集中していた。そのために、評論家から彼に向けられていたネガティブなエネルギーを力強い考え方に転換させたのだ」


 ハッキネンはボッタスがレース後に出したコメントに自身の経験を重ね合わせた。ボッタスは今回のレースを「楽勝だった」と感じ、また「心のどこかではアルバートパークを散策しているようだった」とも話している。


■「多くのものを積み上げてきた者にしかできない勝利」にハッキネンも同感


 またハッキネンは、「F1で自分の目標を達成するまでには、多くの人が想像するよりも長い時間がかかることがある」とコラムで語った。


「私はF1の初勝利をあげるまでに7年かかった。今年はバルテリにとって7シーズン目だ」


「ボッタスはレース後に表彰台でマーク・ウェーバーのインタビューに答え、今回のレースは自分のキャリアにおいて最も容易な勝利のひとつだったと語っている。私にはその感覚が分かる」


「成功すると、急にそれが簡単なことだったと思えてしまうものだ。だが実は、それは今までに多くのレッスンを積み重ねてきた者にしか達成できないことなのだ」


 もしボッタスが今の勢いを今後のレースでも持続させるならば、F1のファンにとっては面白いタイトル争いが展開されるだろう、とハッキネンは語っている。


「ハミルトンが今回の結果にどう対応するのか興味深い。なぜなら我々は、彼が2位という結果、それもチームメイトに敗れての2位という結果になど関心がないことを知っているからだ」


「ルイスはバルテリの勝利が1度限りのものであってほしいと願うだろう。だがもし同じことがバーレーンや中国で繰り返されたら、そのときにチームでの力関係がどう変わるのか、興味をそそられる」


「この戦いは始まったばかりだ」


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