【J1リーグ2023】鹿島が横浜FMのパスワークを止めきれなかった理由

2023年3月20日(月)14時0分 FOOTBALL TRIBE

鈴木優磨(左)角田涼太朗(右)写真:Getty Images

2023明治安田生命J1リーグ第5節の全9試合が3月18日と19日に各地で行われ、鹿島アントラーズは18日、敵地の日産スタジアムで横浜F・マリノスと対戦。最終スコア1-2で敗れた。


ハイプレスからの速攻をなかなか繰り出せず、試合の主導権を握りきれなかった鹿島。横浜FMの自陣後方からのパス回しを止めきれなかった原因は何か。ここでは、この点について解説する。




横浜F・マリノス DF畠中槙之輔 写真:Getty Images

曖昧だった畠中や角田への対応


鹿島は第2節の川崎フロンターレ戦と同じく、キックオフ直後からFW鈴木優磨を起点にハイプレスを仕掛ける。基本布陣[4-1-2-3]のセンターFW鈴木が、横浜FMの畠中槙之輔と角田涼太朗の両DF(2センターバック)の監視役を担ったほか、樋口雄太と土居聖真の両MFも、横浜FMのMF渡辺皓太と喜田拓也を捕捉。横浜FMのDF永戸勝也が左サイドから内側に入って攻め上がった際には、鹿島の右ウイングFW藤井智也が帰陣し、守備対応を行った。


横浜F・マリノスvs鹿島アントラーズ、先発メンバー

鹿島のFW鈴木と、基本布陣[4-2-1-3]の横浜FMの2センターバック畠中と角田による「1対2」の数的不利が生じたため、アウェイチームは敵陣でなかなかボールを奪えず。横浜FMの2センターバックに対し、鈴木と知念慶の両FWでプレスをかけるのか、それとも樋口と土居の2インサイドハーフの片割れが前線に飛び出して守備を行うのかが曖昧に。これにより鹿島のハイプレスは機能せず、自陣への撤退守備を余儀なくされた。


この鹿島の守備の綻びが如実に表れたのが、前半4分の横浜FMの攻撃シーン。ここでは自陣でボールを受けた横浜FMのセンターバック角田に対し、鹿島のインサイドハーフ土居が遅れ気味にアプローチしたものの、間に合わず。その後鹿島のMFディエゴ・ピトゥカが中盤でボールを回収しかけたが、横浜FMに奪い返され、最終的にはホームチームのMF水沼宏太のシュートを浴びている。この場面を境に、鹿島の選手たちはボールの奪いどころやハイプレスの段取りを見失った。


鹿島アントラーズ DF常本佳吾 写真:Getty Images

横浜FMvs鹿島:試合展開


畠中と角田の2センターバックによるボール運搬が冴え渡り、GK一森純も落ち着いたボール捌きを見せたことで、横浜FMが試合を掌握。後半11分にホームチームが自陣左サイドからのパスワークで鹿島の守備網を掻い潜り、FWエウベルのラストパスを受けたDF松原健がミドルシュートを突き刺す。同17分には喜田の右サイドからのクロスが、鹿島DF常本佳吾のオウンゴールを誘った。


鹿島は後半23分にMF松村優太のクロスに反応した鈴木がゴールを挙げたものの、反撃もここまで。ハイプレスを空転させられたアウェイチームが、今季のリーグ戦2敗目を喫している。前線からの守備のバリエーションを増やし、練度を高めることが、2016年を最後にリーグタイトルから遠ざかり、クラブOBの岩政大樹監督のもとで新たな歴史を築こうとしている鹿島の当面の課題となりそうだ。

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