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本田圭佑は“ポスト長谷部”に。敵地UAEで主将不在も…黒子も務まる精神的支柱の役割

フットボールチャンネル3月21日(火)15時46分
画像:本田圭佑は“ポスト長谷部”に。敵地UAEで主将不在も…黒子も務まる精神的支柱の役割
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UAE戦は長谷部が負傷離脱。リーダー的役割は本田に?

 日本代表は、23日にロシアワールドカップアジア最終予選でUAEとアウェイで対戦する。この試合に向けてキャプテンの長谷部誠が負傷で離脱したことを受け、誰がチームを統率していくのかという問題が浮上しているが、本田圭佑が適任となるだろう。本人も精神的なサポートを求められていることを理解しており、黒子に徹することもできる。本田は“ポスト長谷部”としてチームの精神的支柱になれるはずだ。(取材・文:元川悦子【アル・アイン】)

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 23日に行われる2018年ロシアワールドカップアジア最終予選後半戦一発目のUAE戦に向け、決戦の地・アルアインで事前合宿を行っている日本代表。現地2日目の20日には招集メンバー25人全員がようやく揃ったが、前夜に到着したキャプテン・長谷部誠(フランクフルト)がわずか1日で離脱することが決定した。

 すでにフランクフルトと日本代表のチームドクターの診察は受け、右ひざの状態が深刻であることを告げられているが、もう1人のドクターの診断結果を受けて、手術に踏み切るか否かを決めるという。「メスを入れる可能性はかなり高い」と本人も言うように、最悪の場合は今季絶望という状況もありえる。最終予選残り5戦のうち、長谷部抜きの戦いを2試合は強いられることが確実になっただけに、誰がチームを統率していくかという新たな問題が浮上した。

 年齢的には、この日34歳の誕生日を迎えた川島永嗣(メス)、2年ぶりに代表招集となった今野泰幸(G大阪)の2人が最年長。ただ、川島がピッチに立つ可能性は低く、今野も久しぶりの代表入りに戸惑いを覚えているということから長谷部の代役を務めるのは難しい。

 となると、やはりリーダー的役割をメインで担うのは本田圭佑(ミラン)になるだろう。過去の代表戦では長谷部不在にキャプテンマークを巻いたこともあるだけに、何をすればいいか本人も心得ているに違いない。

 とはいえ、今回の本田は今季ミランでセリエA出場わずか5試合と構想外に近い扱いを受けている通り、どこまで本来の力を出せるか全く分からない。メンバー発表前には「本田を選ぶべきではない」という意見も高まり、落選危機にさえ陥ったほどだ。その厳しい現実を本人もしっかりと受け止めている。

「(選ぶか外すかという議論が起きるのは)全然いいんじゃないですか。みんなが盛り上がるのであれば。自分もいつかは(代表から)外れて、いずれサッカーもやめるわけですから。それは自然の摂理。ただ、この時点でそうなるのは本望じゃない。自分がミランでも代表でも外されるかもしれないのは自分自身の問題。自分に至らないところがあるからそういう扱いを受けていると思う」と本人はキッパリ言い切った。

核心突く質問にも動じず。修羅場を潜り抜けてきた本田の悠然さ

 普通の選手がこういった核心を突く話題を振られれば、動揺したり、怒りをにじませてもおかしくないが、数々の修羅場をくぐった本田圭佑は動じることなく悠然と構えていられる。ある意味、常人離れしたメンタリティを持ち合わせているからこそ、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督も「試合に出ていなければ呼ばない」という前言を翻して、彼の招集に踏み切ったのだろう。

 20日の本田は同じタイミングで合流した長友佑都(インテル)や久保裕也(ヘント)、浅野拓磨(シュトゥットガルト)らとともにランニング、4人1組のパス交換、4対4、攻撃陣による組み立てからのシュート練習、7対7といった実戦的メニューを2時間にわたって消化したが、動きの悪い印象は与えなかった。

「コンディションは悪くない」と本人も力を込める。ただ、「(問題は)試合勘のところだけじゃないかと思いますけど」とも語るように、最終予選のような大舞台で一番影響してくる試合勘が未知数なのは、やはり気がかりだ。

「サッカーって大げさに言ったら、10cmでゴールになったり、ボールを失ったり、ボールを取れたり、失点したりする。この10cmを『感覚』って呼ぶのかなと僕は思う。そこは試合をやってなかったら『やってみないと分かんないですね』って話にはなるよね」と本田自身も出たとこ勝負であることを認めている。

「本田は自己主張の強い」と考えられがちだが…

 慎重なハリルホジッチ監督であればリスクは取りたくないと考えるはず。同じ右サイドアタッカーのポジションにベルギーで7戦5発と爆発中の久保がいるだけに、23歳の若武者を抜擢するのが順当だ。

 その場合、本田は昨年11月のサウジアラビア戦(埼玉)同様、ベンチスタートを強いられることになる。「自己主張の強い本田が控えに回るとチームの雰囲気が壊れる」と考えられがちだが、実際の彼は黒子に回って周囲を支えることもできる人間だ。オフ・ザ・ピッチのところでは、新しい選手が入ってくれば意識的に話しかけたり、食事会の場で自らが料理を取り分けたりと、気の利いた立ち振る舞いをしているという。

 歯に衣着せぬ発言で知られる小林祐希(ヘーレンフェーン)が代表デビューして「本田二世」と騒がれた時も「大きな目で見守ってください」と気配りを見せていた。かつて中村憲剛(川崎)ら年長者がやってくれたことを、本田は決して忘れていないはずだ。

「(監督が自分を呼んだ理由が)精神的なものって言うのなら、いくらでも役に立つ。状況が状況であるほど役に立つと自覚してるんで、それは間違いない。UAEに勝ってワールドカップに行くことが一番の目標ですから、そのために自分に何ができるのかを1選手として、チームのリーダーとして考えていきたい」と彼自身も今の自分の役割をよく分かっているようだ。

 もちろん出場機会が全くないとは限らないので、ピッチに立ったら予選トップスコアラーとして得点を貪欲に狙う必要がある。だが、今回の本田に何よりも強く求められるのは、長谷部の不在チームをメンタル的にしっかりと支えること。それしかない。

(取材・文:元川悦子【アル・アイン】)

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