【内田雅也の追球】ゴロが目立つ「フライ打者」——いまだ不発の阪神4番・ボーア

3月21日(土)8時8分 スポーツニッポン

<ヤ・神 練習試合>4回無死一塁、ボーアは右前打を放つ(投手・杉山)=撮影・椎名航

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 ジャスティン・ボーアは「典型的なフライボール・ヒッター」である。2月、沖縄・宜野座でのキャンプ中、獲得にあたった阪神国際部長・三宅徹が話していた。

 実際、フリー打撃で大きな弧を描くフライが多かった。紙面で特大弾やさく越え何発といった見出しがおどっていたころである。

 大リーグ通算6年の打球比率「G/F」(ゴロ÷フライ)値は0・87だった。安打も含めた打球はフライが勝っていることを証明している。

 ところが、最近のボーアはゴロが目立つ。20日の練習試合・ヤクルト戦(神宮)も4番で3打席立ったが、3本の打球はいずれもゴロだった。

 1回表2死一塁では真ん中高め直球を二ゴロ。4回表無死一塁で高め直球を打った右前打も一、二塁間をゴロで破ったものだった。6回表1死一塁でもまたまた高め直球を打ったが、遊ゴロに凡退した。3本とも“高め”の直球を打って、それでもゴロが転がるのは、やはりおかしい。

 気になって今春の練習試合、オープン戦の打球を調べ直してみた。計12試合で30打数6安打で、打率は2割ちょうど。安打はすべて単打だ。三振は9個を数え、四球は1個しかない。

 打球内訳はゴロ15本に対し、フライは9本。G/F値は1・67と、大リーグ時代とは正反対のグラウンドボール(ゴロ)ヒッターとなっている。打球が上がらないのだ。この打球傾向が最も気がかりな点である。

 14日のオリックス戦(京セラ)では「紙一重」と好感触を口にしていた。「2本くらいフェンスオーバーしていた感じ。いいスイングができている」と話したのは中飛を放った時で、やはりフライ打球だった。

 大リーグの成績には「G/F」と似た指標で「GO/AO」がある。アウトになった打球をゴロ・フライの比率で求めたものだ。ボーアは1・33と、アウトはゴロが多い。フライが飛んでいる時こそ好調で、本来の姿なのだろう。

 試合後、打撃コーチ・井上一樹はボーアに限らず「外国人3人」という総論として「そろそろ花火が打ち上がるのを見たい」と話した。「彼らにもプライドはある。うまくその辺も配慮して、話しようかなと思っている」。黙って見守ってきたが、担当コーチとして何かチェックや助言・指導を行う構えでいる。

 タイミングの取り方だろうか。ボーア自ら「戒めている」と話していた強引さだろうか。修正すべき点は確かにある。

 本来であれば、公式戦開幕の日だった。ウイルス禍で延期となり、最短で4月10日。実際は4月下旬になるのではないだろうか。ならばまだ1カ月はある。まだまだ時間はあるのだ。

 調整は難しいが、期待の4番の打球が上がってくるのを待ちたい。=敬称略=(編集委員)

スポーツニッポン

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