香川真司の「危機感」。ロシアW杯組は森保Jに何をもたらすのか

3月21日(木)16時55分 Sportiva

 アジアカップの決勝後、長友佑都(ガラタサライ)がこんなことを言っていた。

「ホームばかりで親善試合を行なっていても、あまり強化にはならない。アウェーに出て行って、強い相手と戦わないと」

 たしかに、タイトなスケジュールのなか長距離移動で来日し、時差ボケの状態で、慣れない日本のスタジアムで試合をするわけだから、対戦相手が本来の力を出すのは難しい。また、アウェーでの親善試合に向けたモチベーション自体も、怪しいものがある。


練習メニューをこなす乾貴士(左)、香川真司(中央)、山口蛍(右)

 だが、3月22日のコロンビア戦に限っては、有意義なものになるはずだ。コロンビアにとってこの試合は、1−2で敗れたロシアワールドカップのリベンジマッチとなる。

 指揮を執るのは、今年1月のアジアカップでイランを率いていたカルロス・ケイロスである。カルロス・ケイロスにとっても今回の対戦は、アジアカップ準決勝で日本に0−3と惨敗したリベンジマッチとなるのだ。しかも、この試合は新体制の初陣でもある。選手も監督も、モチベーションを高める要素が多いのだ。

 実際、コロンビアのメンバーを見ると、FWラダメル・ファルカオ(モナコ)、FWルイス・ムリエル(フィオレンティーナ)、MFハメス・ロドリゲス(バイエルン)、MFウィルマル・バリオス(ゼニト)、DFダビンソン・サンチェス(トッテナム・ホットスパー)、DFジェリー・ミナ(エバートン)……と、ワールドカップの主力がずらりと並ぶ。

 負傷のため、GKダビド・オスピナ(ナポリ)、DFサンティアゴ・アリアス(アトレティコ・マドリード)、MFファン・フェルナンド・キンテーロ(リーベルプレート)の3人が不参加となったのは残念だったが、本気度が感じられる顔ぶれなのだ。

 そのコロンビア相手に、どこまでやれるか——。

 森保一監督はアジアカップで生じた課題について、こんなふうに語っている。

「個の部分で局面を突破するところ、連係・連動の部分で局面を突破するところの質を上げていかないといけない。守備から攻撃になった時に、相手にプレッシャーをかけられている時に、ボールを保持して攻撃する部分をさらに上げないといけない」

 大迫勇也(ブレーメン)不在時の攻撃のオーガナイズも含め、これらがコロンビア、ボリビアと対戦する3月シリーズのテーマになるのは間違いない。

 とはいえ、合宿初日の3月18日と翌19日のトレーニングはコンディション調整に重きが置かれ、試合2日前の20日になって初めて戦術練習に取りかかったばかり。22日のコロンビア戦で戦術の落とし込みやアジアカップで生じた課題の改善にどこまで取り組めるか、疑問符がつく。

 だから、コロンビア戦で確認したいのは、個々のパフォーマンスだ。FW鈴木武蔵(北海道コンサドーレ札幌)やFW鎌田大地(シント・トロイデン)、MF小林祐希(ヘーレンフェーン)ら新戦力のアピールも楽しみだが、とりわけ注目したいのが、ロシアワールドカップ組のプレーと振る舞いである。

「もしかしたら、自分にとってこれが(代表に呼ばれるのが)最後のチャンスかもしれない。そういう想いで今回は来た」

 そう言って覚悟をにじませたのは、MF山口蛍(ヴィッセル神戸)である。昨年9月の森保ジャパン立ち上げのメンバーに選出されたものの、負傷のために離脱すると、その後一切、声がかからなかった。約半年ぶりとなる今回の招集は、今冬移籍した神戸での好パフォーマンスが認められた形だが、一方で代表のチーム事情も理解している。

「アジアカップのメンバーが何人かいないし、(遠藤)航(シント・トロイデン)がケガでいない状況だから選ばれたということも理解しています」

 同じく覚悟を示したのは、ロシアワールドカップ以来の選出となったMF宇佐美貴史(デュッセルドルフ)である。デュッセルドルフで今季17試合に出場したが、先発は10試合だけで、わずか1ゴールにとどまっている。それだけに「一番下からスタートしていく立場かなと思っています」と決意を口にした。

 今冬に移籍したアラベスで出場機会を掴み取り、アジアカップから引き続き選出されたMF乾貴士も、アジアカップでほとんど起用してもらえなかったため、代表チームにおける自身の立ち位置は十分理解しているようだった。

「今は(南野)拓実(ザルツブルク)、(堂安)律(フローニンゲン)、(中島)翔哉(アル・ドゥハイル)が日本の武器だと思うので、そこに割って入っていくためには、試合でしっかりアピールしなきゃいけない」

 満を持して森保ジャパン初選出となったMF香川真司(ベシクタシュ)にしても、危機感を隠さない。

「今まで(チームとして)積み上げてきたものが少なからずあるわけで、結果を残している選手はリスペクトされるべき。僕は初めてなので、またイチからこのチームで結果を残していけるように。この2試合はその意味で大事」

「11人のコロンビアに勝ちたい」と闘志を燃やすDF昌子源(トゥールーズ)にしても、吉田麻也(サウサンプトン)と冨安健洋(シント・トロイデン)のセンターバックコンビに割って入らなければならず、自身の存在価値を証明するシリーズになるだろう。

 3年半後のカタールワールドカップを見据えて今、中島、南野、堂安、冨安らが重用されているのは間違いない。だが、彼らが不動の存在になっては意味がない。

 アジアカップから13人ものメンバーが入れ替わり、ポジションを奪おうとする新戦力、取られまいとする現有戦力、そして、獲り返しにいくロシアワールドカップの主力組がしのぎを削る3月シリーズ。なかでも、酸いも甘いも噛み分けたベテランたちのパフォーマンスとピッチ内外での振る舞いが、チームのベースアップには欠かせない。

Sportiva

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