F1 Topic:トロロッソと組んだホンダがPUの信頼性向上を徹底させた理由

3月22日(木)7時20分 AUTOSPORT web

 合同テストでマクラーレンが何度もトラブルに見舞われる中、今年からトロロッソとタッグを組んだホンダは、F1に復帰して以来、最長の距離となる3825kmを走り込んだ。


 なぜ今年、ホンダのPUは信頼性が大きく向上したのか? 


 最大の理由は、栃木県にある技術研究所『HRDさくら』のエンジニアたちの努力だ。テスト後、山本雅史ホンダモータースポーツ部長は次のように語った。


「オフシーズンの間に、研究所(HRDさくら)で見直せることは全部、見直しました。目に見えない積み重ねが、バルセロナでの結果に反映されたのだと思います」


 現在のF1は年間に使用できるPUが制限されているため、開幕戦に投入するPUを少しでも進化させようと、オフシーズンの間の開発は性能向上を目指すことを優先しがちである。


 しかし、今年ホンダはあえて信頼性向上を徹底させたのだ。それはホンダが自分たちのことだけを考えて下した決断ではない。新しいパートナーとなるトロロッソのことも考えて判断した結論だった。


「ピエール(ガスリー)もブレンドン(ハートレー)も、今季が初めてのフルシーズン。クルマに慣れるためには、実走に敵うものはない。だから1回目のテストではコース上でしっかりと走ってもらうために、パフォーマンスよりも信頼性に振ったパワーユニットを準備しました」と山本MS部長。


 パートナーを思いやる気持ちを持っていたのは、ホンダだけではない。トロロッソもまたホンダをリスペクトし、ホンダと仕事するうえで日本の文化を学ぶ必要があったと、チーム代表のフランツ・トストは語る。


「私はかつて日本で生活していたことがあるから、日本がヨーロッパの文化と違うことはわかっているが、ファクトリーで働いている人たちはそれを知らない。だから、彼らがホンダと仕事するうえで、誤解を招かないよう、日本の人たちがどういう風な考え方をしているかを学んでもらう必要があると思ったんだ」


 トストがスタッフに理解してもらいかったのは、日本人とのコミュニケーションで起きるちょっとしたズレだ。


「例えば、日本人はイエス、ノーをはっきりと言わないところがあるから、メールで返事では『できない』と書かないようにしなければならないんだ。日本人をがっかりさせちゃうからね。反対に、日本人から『できるかもしれません』とメールが来たら、あまり期待しちゃいけない。だいたいできないということを理解しないといけないんだ」


 こうしたトロロッソ側を意識してか、ホンダも相手に変な期待を持たせるような発言は極力控えているように見受ける。


 期待を上回る出来で合同テストを終えても、開幕へ向けて山本モータースポーツ部長から出る言葉は慎重だ。


「この世界では、いきなり奇跡が起きるわけではない。地道にひとつずつステップを踏んでやっていくしかありません。レースという長丁場をしっかり戦うこと。そして最終戦までの21戦をどう戦っていくかも考えておかなければならない。それをキッチリとこなしていくことがいまのホンダには必要です」


 本音で付き合えるパートナーと組んだことで、ホンダも背伸びをすることなく、足元を見つめ直すことができたのかもしれない。

 


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