マリナーズが“魔改造”に着手 藤浪晋太郎、駆け込みメジャー昇格への課題は?「あまりにも繊細。“内面的”に没頭しすぎてしまう」
2025年3月22日(土)16時0分 ココカラネクスト

マリナーズでの生き残りに向けてアピールを続けている藤浪。(C)産経新聞社
生き残りをかけたアピールが続いている。マリナーズの藤浪晋太郎だ。
現地時間3月21日、藤浪はロイヤルズとのオープン戦に6番手として登板。3-7とビハインドを背負っていた状況でのマウンドで1回を投げ、被安打1、無失点、1四球という内容でまとめた。これで5試合連続無失点となって防御率は5.40となった。
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中1日でのマウンドで背番号13は腕が振れていた。
一死無塁の局面でストーン・ラッセルに中前打を打たれ、さらに暴投で二塁への進塁を許した藤浪は、3人目をストレートの四球で歩かせ、ピンチを拡大してしまう。しかし、ダスティン・ディッカーソンをワンストライクから90.9マイル(約146.2キロ)のスプリットで三ゴロ併殺打に切って取った。
制球難から大崩れすることなくスコアボードにゼロを刻んだ藤浪。今春にマイナー契約の招待選手としてキャンプに参加している身としては、貴重な結果と言えよう。
そのポテンシャルは誰もが認める通りだ。だからこそ、昨季にマイナーで防御率5.94、WHIP1.35という成績ながらマリナーズからチャンスは舞い込んだわけだ。
ゆえに獲得に動いた首脳陣も藤浪の“覚醒”に期待を寄せる。
シアトルの地元ラジオ局『Seattle Sports』は、マリナーズのピート・ウッドワース投手コーチによる「フジには武器や道具がたくさんある。本当に大きな武器があるんだ」という熱弁を伝えた上で、「マリナーズは、藤浪があまりにも繊細で、“内面的”に没頭しすぎてしまうことが問題だと考えている」と指摘。「彼らは才能を信頼し、武器がそこにあることを知り、シンプルに身を任せてほしいと考えており、必ずしもメカニズムを完璧にする必要はないと強調している」と伝えた。
同局曰く「ブルペンでのフジナミの投球を見た人たちは『どうやってバッターは塁に出るのか』と声を出して不思議がった」という。やはり制球難に課題があるとした上で、マリナーズのエースで、身長198センチのローガン・ギルバートを引き合いに「背が高くて、細身の選手は、ブルペンで何回投げても、試合で同じように再現するのは難しい」と断言。そして、ウッドワースコーチの藤浪に対する考えを記した。
「ローガンは投球フォームの練習に力を入れているが、それは実戦の場ではやっていない。マウンドに上がった時、彼はメカニックのことをほとんど考えていない。ここ2、3年で、彼はマウンドで自信を持つためにマウンドで完璧な動きである必要はないと悟ったんだ。そしてそれは、常にデリバリーの課題を繰り返し、すべてがメカニクスの問題だったと考える過去とは異なる、新しい考え方になっている」
好投手を居並べるマリナーズの中で、“魔改造”を受ける藤浪は一皮むけるか。6日後に迫った開幕ロースター入りを目指し、奮闘は続く。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]