久保裕也が見据える“本田越え”。新天地ベルギーで7戦5発の自信を胸に、UAE戦右サイド先発へ

3月23日(木)11時17分 フットボールチャンネル

UAE戦は久保が右サイドで先発か。ベルギーで7試合5得点の実績を指揮官も評価

 日本代表は23日、ロシアワールドカップアジア最終予選でUAE代表とアウェイで対戦する。本大会出場を大きく左右する決戦は、11月のオマーン戦でA代表デビューを果たした久保裕也が右サイドで先発する可能性が高い。1月にベルギーのヘントに移籍してからは7試合5得点と結果を出しており、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督も高く評価している。日本代表の右サイドには本田圭佑が長く君臨していたが、久保は「上の世代を脅かせていない」と危機感を募らせる。23歳の万能アタッカーは、UAE戦で日本を勝利に導き、本田を追い越す存在となれるだろうか。(取材・文:元川悦子【アル・アイン】)

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 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督率いる日本代表の命運を大きく左右する2018年ロシアワールドカップアジア最終予選UAE戦(アル・アイン)。現地時間22日にはその大一番を翌日に控え、試合会場となるハッザ・ビン・ザイード・スタジアムで1時間程度の最終調整を行った。

 19日の川崎フロンターレ戦で右足親指を負傷し、一時は全体練習に合流していた高萩洋次郎(FC東京)がこの日再び欠席。UAE戦欠場が確実となった。

 長谷部誠(フランクフルト)に続き高萩と今回の日本代表はボランチのケガ人が続いている。本番は山口蛍(C大阪)と今野泰幸(G大阪)の組み合わせで行くと見られるが、何とか彼らで乗り切ってもらうしかない。UAEには2015年アジアカップ(オーストラリア)と昨年9月の最終予選初戦(埼玉)のいずれも失点して敗れているだけに、この2人を含めた守備陣がいい守りを見せ、相手を完封することがまずは重要だ。

 後ろが落ち着けば、攻撃陣も思い切って前に出られるもの。前線4枚は1トップ・大迫勇也(ケルン)、右サイド・久保裕也(ヘント)、トップ下・香川真司(ドルトムント)、左サイド・原口元気(ヘルタ)のスタメンが確実視されるが、11月のサウジアラビア戦(埼玉)で代表初先発した久保にも大きな期待が寄せられている。

 4ヶ月前の一戦は右ひざ負傷の影響もあって前半のみのプレーにとどまり、不完全燃焼な終わり方をした彼だが、1月にベルギー1部のヘントに移籍したことで状況は一変。目下7試合5得点というゴールラッシュを見せており、その実績をハリルホジッチ監督も高く評価している。

メッシを彷彿とさせるゴール。UAE戦にも意欲

 とりわけ衝撃的だったのが、3月12日のメヘレン戦で決めたDF4人抜きのドリブルシュート。リオネル・メッシ(バルセロナ)を彷彿させるプレーは見る者を震撼させた。

「ああいうプレーはなかなか出ないですけど、チームでうまく行ってる時に出るのかなと。(自分はFWなので)結果が全てだと思うし、個人でもチームでも結果を残せば代表に呼ばれ続けると思います。もし(UAE戦で)チャンスをもらえたら、とにかく積極的に裏を狙っていきたいし、チャンスも作りたい。得点に絡みたいです」と23歳の万能型アタッカーは静かな口調の中にも飽くなき闘志をのぞかせた。

 ヘントでの久保は4-2-3-1のサイドやトップ下、3-4-2-1の2シャドウの一角などでプレーし、変幻自在の動きで相手を攪乱している。とはいえ、新天地に赴いた最初の1ヶ月間は「最初の2試合(1月29日のブルージュ戦、2月5日のズルテ・ワレゲム戦)のゴールはFKとPK。流れの中から取れていないし、内容は決してよくなかった。自分がパサーになる状況が多くて、シュートに行くチャンス自体が少ないので、もっと周りと意思疎通していかないといけない」と自分に厳しい発言を繰り返していた。

 迷いが吹っ切れたのは、2月26日のムスクロン戦。ここで流れの中からは初めてとなる新天地3点目を奪ったことで、思い切って本来の力を前面に押し出せるようになった印象が強い。「チームのみんなとフィットしてきたかなという感じはしますし、得点以外のところもスムーズにやれてる部分は多いので、そこが結果につながっているのかなと思います」と久保自身も前向きに話していた。

「まだまだ上の世代を脅かすような存在ではない」

 ハリルジャパンでも今回が2度目の招集。右サイドでタテ関係を形成する酒井宏樹(マルセイユ)や隣にいる香川とコミュニケーションを積極的に取りながら、自身の役割を明確にしつつあるようだ。

「ヘントとポジションが割と似ているというか、近いものがあるんで、イメージしやすいのかなと思います。少し代表にも慣れてきましたけど、このチームではまだ何も残していないので、『貢献したと思えるような結果』を残したいですね」と久保は2連敗しているUAEへのリベンジのキーマンとして躍動するつもりだ。

 日本代表の今後を占う一大決戦で決定的な仕事ができれば、久保が本田圭佑(ミラン)に代わって右サイドのエースに躍り出る可能性は極めて高くなる。本人は「僕らの世代(リオデジャネイロ五輪世代)がA代表に全然入り込めてないと言うか、まだまだ上の世代の人たちを脅かすような存在ではないと思う。僕の年齢からしたら遅いくらい。そういう話は拓磨(浅野=シュツットガルト)ともしました」と慎重な物言いに徹していたが、いつかは本田を追い越してやろうという野心は少なからずあるだろう。

「自分がボールに絡んでる時に突破できるような選手になりたい。そこで『違い』を見せれるようにやっていきたい」とも語っていただけに、本田を上回る個人の打開力とゴールへの研ぎ澄まされた感性をピッチ上で表現することに意欲を燃やす。

 そんなシナリオを実現できれば、日本は間違いなくUAEを撃破し、久保自身も新エースに君臨できるはずだ。

(取材・文:元川悦子【アル・アイン】)

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