V経験の岩村明憲氏、侍4強敗退も「誇り」 MVPに敗戦の責任背負う名手選出

3月23日(木)17時22分 フルカウント

準決勝で6回1失点と好投の菅野「申し分ないピッチング」

 第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で2大会ぶりの優勝を目指して戦った野球日本代表「侍ジャパン」。無傷の6連勝で進出した決勝ラウンドでは、準決勝でアメリカ合衆国に1-2で惜敗。雨のロサンゼルスで日本のエース・菅野智之が6回1失点の好投を披露する一方で、侍打線もアメリカ投手陣の“動くボール”に手こずり、なかなか得点機を見出せず。そんな中、鉄壁だった日本の守備から生まれた2つのミスが失点に結びつく、皮肉な展開となった。

 2013年10月から定期的に強化試合を戦いながら結束を高めた小久保ジャパンは、発足当初の目的を果たせずに終わりを迎えたが、第1回、第2回WBC優勝メンバーで、現在はルートインBCリーグ福島ホープスで選手兼監督を務める岩村明憲氏は「夢を見させてもらったことに感謝したいね」と賛辞を贈った。

「まず最初に言っておきたいのは、俺は侍ジャパンを誇りに思う。結果として負けたことは事実。真摯に受け止めなければいけない。でも、ここまで夢を見させてもらったことに感謝したいね」

 雨が降ることが珍しく、20年以上も降雨による試合中止のないロサンゼルスで、まさかの雨模様。試合が始まってから雨足が強まるなど悪条件の中でも、先発を務めた菅野はアメリカ打線を圧倒する投球を披露した。アメリカ代表のリーランド監督が「メジャー投手のピッチングだ」と絶賛した右腕の力投について、岩村氏も「申し分ないピッチング。真っ直ぐが生きた力強い投球だった」と賛辞の言葉を贈る。

侍ジャパンの今大会MVPは「菊池でしょ」

 失点は4回、まさかの形で訪れた。守備の名手、二塁・菊池涼介がイエリチの強い打球を弾くエラー。この後、ホスマーを四球で歩かせ、2死一、二塁としたところで、続くマカチェンに左翼へ適時打を運ばれた。試合後、菊池は「天然芝で滑るのは頭に入っていたけど、イレギュラーに反応できなかった」と話し、敗戦の責任を負ったが、岩村氏は「今回のWBCで侍ジャパンのMVPは菊池でしょ」と断言する。

「何が起こるか分からないのが野球。準決勝のあの場面は、菊池に守備力があるからこそ、外野の芝の上という深い場所で守っていたわけだよね。アンツーカーと芝のギリギリのところでバウンドした打球が、雨という要因もあってイレギュラーした。これはもう仕方がないこと。

 日本が準決勝まで進めたのは、要所要所で菊池の守備が試合を救ってくれたから。対戦相手に傾き掛けた試合の流れを止めたことが何度あったか。守備で生まれた勝ちゲームの流れっていうのもあったと思うんだよね。そこは誰もが認めるところでしょ。

 準決勝でも、菊池という選手の素晴らしさが見えたのは、エラーの後で打ったホームランだよね。しかも、逆方向に叩き込んだ。エラーをしたからって下を向くんじゃなくて、何とかして取り返そうっていう気持ちの強さが前に出た一発だった。そこが彼の素晴らしさでもあると思うんだよね」

最も成長したのは「小林」 侍Jが集めた注目を「どう球界の発展につなげるか」

 2013年に行われた第3回に続き、準決勝敗退という結果に終わった侍ジャパンだが、岩村氏は「前回よりも素晴らしい大会だった」と話す。

「2013年よりもチーム力があったね。投手陣の素晴らしさは言うまでもない。打線にしても、誰か1人が打つだけじゃなくて、日替わりでみんながヒーローになる力を持っていた。それが3年半をかけてチームとして積み上げてきた結果だと思うね。

 大会中に成長した選手もいた。その代表がキャッチャーの小林だよね。キャッチングでもバッティングでも、戦前の予想を上回る活躍をした。彼も含めたみんなが、WBCでの経験を、この先どうやってつなげていくか。そこが大切。準決勝のアメリカ戦は、いろいろな意味で次につながる試合だったね」

 WBC出場国の中には、イスラエルやオランダ、中国のように、野球が文化として浸透していない国もある。彼らはWBCという国際舞台で奮闘し、勝利することで、自国の子供たちに野球というスポーツの楽しさや素晴らしさを伝える役割について、事あるごとに触れていた。すでに野球が身近にある日本でも、侍ジャパンの奮闘で引きつけた子供たちの関心や注目を、競技人口の増加を含む野球界の発展につなげるべきだと岩村氏は話す。

「2013年から3年半かけて準備を進める中で、定期的に強化試合をしながら、侍ジャパンの認知度を高めることに成功した。次は、これをどうに野球人口拡大や野球界の発展につなげるか。

 今回も世界一にはなれなかったけど、準決勝に進むまでに大きな注目を集めたし、子供たちの目も引きつけたと思う。これをどうやって手放さずに引き留めるか。どうやって子供たちに『将来は自分が侍ジャパンの一員になって世界一になるんだ』って思わせるか。それがNPBやコミッショナーオフィスをはじめとする日本球界の腕の見せどころじゃないかな」

 4年後にやってくる第5回大会、そして3年後にやってくる東京五輪へ向けて、すでに新たなスタートは切られている。

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