パ順位予想 王者ソフトバンクは「死角なし」も「食われるとしたら…」

3月24日(木)10時38分 フルカウント

王者ソフトバンクを脅かすチームはどこ? 下位2球団は…

 2016年シーズンのプロ野球開幕が25日に迫っている。パ・リーグは昨季、ソフトバンクが圧倒的な強さを見せて優勝。日本シリーズでもヤクルトを寄せつけず、日本一連覇を果たした。

 今季は、かつて近鉄、日本ハムを優勝に導いた梨田昌孝氏が楽天の新監督に就任。オリックスで昨季途中から監督代行として指揮を執っていた福良淳一氏も、正式に監督としてチームを率いる。

 黄金時代を迎えているソフトバンクの3連覇を阻止するチームは出てくるのか。ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜の4球団で捕手として活躍した野球解説者の野口寿浩氏が、順位を予想した。1月に「日本一早い順位予想」として、いち早く今季の展開を占った同氏だが、今回はキャンプ、オープン戦の内容を踏まえた上で予想順位を決めてもらった。※カッコ内は1月時点での順位予想。

○6位 楽天(6位)

 名将・梨田監督が就任も、野口氏は3年連続の最下位に沈むと予想。「少しずつ選手は揃ってきたとはいえ、まだまだですかね」と分析する。先発投手の駒不足が、最大の理由だという。

「やっぱり岩隈、マー君が抜けてからピッチャー陣はなかなか揃ってこないですからね。ようやく美馬が今年何とかなりそう。戻ってこられるのは大きいかなと思います。則本、美馬、塩見、辛島といて、釜田が戻ってこられるか。森も期待されてるほど良くないですし。安楽もどうなんだろうという感じですよね。1年間もつのかなと……」

 釜田、森、安楽とドラフト上位で指名してきた高卒の生え抜きピッチャーの成長が、巻き返しへの鍵となりそうだ。

 一方で、打線についてはメジャー通算162本塁打を誇るゴームズを獲得。オープン戦では4本塁打と長打力を見せたが、野口氏は「今は(日本球界への)“慣れ待ち”でしょうね」と指摘。適応すれば、さらなる活躍も期待できるかもしれない。2年目のウィーラーについても「良さそうですね」と、昨年以上の成績が残せると予想。「ここのチームは期待したい選手は多い」と、栗原、松井稼、岡島、藤田、銀次らの名前を挙げた。

 ただ、捕手出身の野口氏が野手での不安要素に挙げるのが、チームリーダーの嶋だ。「ちょっと成績が落ちてきているので。捕手出身の梨田さんがどこまで言うのか……」。楽天の精神的支柱として必要不可欠な存在だけに、最下位脱出には嶋の活躍も重要となる。

○5位 ロッテ(5位)

 昨季は西武を逆転してクライマックスシリーズ(CS)圏内の3位に滑りこんだが、今季は苦しい戦いになると野口氏は見ている。何よりも、今江、クルーズと2人の主力が抜けたことが大きいという。ドラ1の平沢は守備面でプロのレベルへの対応に時間がかかりそうで、新助っ人のナバーロは銃刀法違反というまさかの形で出場停止処分を受けた。

「内野が2枚抜けたのは非常に大きいです。今江、クルーズは4番を打つ実力がある2人ですからね。外せない2人だっただけに、代わりの選手を育てている時間もなかった。監督・コーチの責任でもないですよね。これだけの選手が突然、FAでいなくなられたら、苦労するのは当然です。今年1年間はそういうところで苦労するのはしょうがない。平沢は打つ方はさすがだなというところを見せていますけど、やはり守備に難があるところを見せてしまっていますし、ナバーロも1か月くらい出られないですしね」

 また、投手力にも問題を抱えていると、野口氏は指摘する。「ロッテもよく考えると先発ピッチャーがいないんですよね。去年は本当によく頑張ったほうだと思うんです」。昨季活躍したイ・デウン、チェン・グァンユウに今年はメドが立っておらず、苦しいメンバー編成となりそうだ。

「涌井は去年のように最多勝は取れないことはあっても、それに近い成績は出すと思うんです。石川も心配ない。ただ、大嶺は確かな実績があるわけじゃないので、今年も活躍できるかはまだ分からない。そう考えると、涌井と石川しかいない。期待されている二木あたりが入ってきても、(メンバー的には)厳しい。もっともっと枚数が欲しいでしょうから」

CS進出への切符を掴む3位チームは?

○4位 西武(3位)

 西武は昨年と同じ4位に終わり、CS進出はならないと野口氏は見ている。「所属している選手が額面通りに働けば、日本ハムよりも西武の方が上でしょう。両チームともそうなったとして、日本ハムより西武が上だと思うんですよ。乗ったら強い」と戦力については一定の評価をしながらも「ただ、ここも上がり目がない。去年と比べてプラスがない」と指摘した。

 先発投手は昨年ルーキーながら8試合で5勝2敗、防御率3.07と実力の片鱗を見せた高橋光がオープン戦で苦しみ、20日のイースタン・リーグのヤクルト戦では球審からの返球を取り損ねて右頬を骨折するアクシデントにも見舞われた。野口氏は「高橋光成が去年くらいやってくれれば西武3位でもいいかもしれないですが、計算出来ないので……」と指摘する。

 また、昨年は6番で貴重な役割を果たした森の調子が上がらず、打線も不透明な状況だ。

「西武は打ってなんぼ。打って、勝って、勢いをつけていくチームなのが、強力クリーンアップの後ろを担える森の調子が上がってこない。山川もオープン戦では絶好調ですけど、実績がないだけに『開幕してみないと分からない』としか言えないですよ」

 ただ、山川については最初の“壁”を乗り越えれば、西武を押し上げる存在になるかもしれないという。

「開幕戦で4タコに終わると、そのままズルズル行ってしまう。開幕戦は各チームのエースが来るから、4タコの可能性が高いんですよ。ただ、逆にそこで2本くらいヒットを打ったら、すごい戦力になります。ホームランじゃなくて、2安打でいいんです」

 山川、そして同じようにオープン戦で好調だった坂田が、CS進出へのキーマンとなるかもしれない。

○3位 日本ハム(2位)

 日本ハムは昨年よりも順位を1つ下げ、3位に終わると野口氏は予想した。大谷、中田と投打の軸がいて、試合巧者ぶりも光る。

「絶対的エースと絶対的4番がいますからね。投打に軸がいるのは大きいですよ。メンドーサは今年も良さそう。大谷、吉川、有原、メンドーサと先発陣はバリエーションに富んでいる」

 また、打線はオープン戦で近藤をライトに入れる形なども試した。「陽岱鋼も元気ですし、近藤がライトで入って、大谷が投げてない時にDHに入ったりしたら、盤石ですよね」。不安は、侍ジャパンにも選ばれる遊撃の中島卓の不調。オープン戦は打率1割4分3厘と苦しみ、野口氏も「中島の調子が悪いのも気がかりではありますね。打席で元気がないんですよ」と言う。

 それでも3位としたのは、上位2チームの実力が上と見ているから。野口氏は「オープン戦を見て、2位をどこにするかは迷ったんですよ」と話しつつ、日本ハムは「(CS進出を)外さない」と西武よりも上に据えた。

オリックス躍進へ打線が鍵? 「新外国人2人がいいですからね」

○2位 オリックス(4位)

 昨季は優勝候補に挙げられながら、序盤から故障者が続出して借金19の5位に終わったオリックス。ただ、今年は2位に躍進すると野口氏は予想した。

「ボグセビック、モレルの新外国人2人がいいですからね。それにつられて、中島、糸井も力を発揮しそうな感じがします。あとは、小谷野をどうするかとか、T-岡田をどうするかとか、小田がいいから駿太をどうするかとか、安達が帰ってきたら中島をどうするかとか。戦力は余剰気味にいますから」

 オープン戦を見て、ボグセビック、モレルの2人は活躍が期待できると野口氏は見ている。キャンプを視察した際には、高橋慶彦、北川博敏両打撃コーチから「この2人はやる。無理に振り回すだけじゃない」と言われたといい、「北川と慶彦さんの目は間違いじゃなかった」と話した。

「今年の打線なら、糸井1番というのは大いにありですよね。それか、1番・ボグセビック、2番・糸井だったら、相手は最高に嫌だと思います。モレルは打点を稼ぎそうですよね。3割2〜3分打って、ホームランは20本いかないくらいかもしれませんが、打点は80〜90あるというタイプ。役割としては、それでいいと思います」

 一方、先発陣については、今年はエース金子に開幕から期待できる。野口氏は「あとは平野佳の復活待ち。新外国人のコーディエを一番後ろに据えて、平野佳、佐藤でセットアッパーをやればいい。ただ、岸田もいますから、平野佳をもう1回、先発に回してもいいかなと。コーディエにメドが立てば、平野佳の先発も面白いかもしれませんね」と提案する。

「キャッチャーだけしっかりすれば、ソフトバンクを追撃する態勢はある。伊藤光が復活するか、山崎もいますから。もしソフトバンクが食われるとしたら、オリックスじゃないかと思っています」

○1位 ソフトバンク(1位)

 オリックスを高く評価した野口氏だが、日本一連覇中のソフトバンクは「死角なし」だという。

 強力打線は今年も健在。「李大浩が抜けたところが穴ではなくなっている。打順をどうするかはまだ課題があるかもしれないですけど、それは小さな課題。順番をどうするかだけですから」。昨季、トリプルスリーを達成した柳田は、オフにはコンディションも心配されたが、今年も期待できるという。

「オープン戦を見ましたけど、今年も不安なしです。『40&40』(40本塁打、40盗塁)をやってほしいですね」

 打順については、李大浩が抜けた5番に長谷川を置き、3〜7番は昨年と同じようにほぼ固定となりそうだ。野口氏は「松田は6番のままで打点王もあると思います。6番で去年あれだけ活躍したのだから、無理して5番に上げる必要はないでしょう」と指摘した上で「1、2、8、9番は今年も取っ替え引っ替えという感じでやるのではないでしょうか」と分析した。李大浩の移籍で外国人枠が空いたため、オープン戦で好調だったカニザレスを1軍に置いておけるのも好材料だ。

 また、カブスから復帰した和田がオープン戦15イニングで防御率0.00と抜群の安定感を発揮しており、野口氏は「和田の存在は大きいですね」と言及。摂津、バンデンハーク、武田、千賀と揃う先発ローテーションも豪華で、「穴が本当にないですね。怖いのは主力選手のケガだけです」と分析する。

 ソフトバンクにオリックス、日本ハムといった他球団がどこまで食らいつけるか。今年も王者を中心にペナントレースが展開していくことは間違いなさそうだ。

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