【西部の目】ハリルJ、4-4-2は有効だったか? 新布陣に新起用、ハーフナー投入…。テストを読む

3月25日(金)10時34分 フットボールチャンネル

4-4-2はオプションの一つになるかどうかという程度

 24日、日本代表はアフガニスタン代表と対戦し、5-0と大勝した。この試合、従来とは異なる4-4-2を試行するなどハリルホジッチ監督はいくつかのテストを行った。これらのテストはどのような意味がある、有意義なものだったのか。(取材・文:西部謙司)

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 アフガニスタン戦では、いくつかのテストをした。5-0としっかり結果も出した。テストの結果もまあまあだったと思う。

 ハリルホジッチ監督が「新しいオーガニゼーション」と呼ぶ、中盤を菱形に組んだ4-4-2は前半あまり機能していなかった。「アグレッシブ」というより、強引でやや雑な攻め込みが多く正確性を欠いていた。リズムをつかんだのは後半からだ。

 後方の組み立てにおいて、アフガニスタンの2トップは長谷部誠で釘付けされるので、アフガニスタンのサイドハーフは日本のサイドバックをマークするか、柏木陽介(または原口元気)をみるか、いずれにしてもどちらかがフリーになりやすい。

ここで起点を作って相手のボランチを釣れば、清武弘嗣などが簡単に「間」をとれる。そういう形を頻繁に作れるようになったのが前半の終わりごろからで、主に柏木のいる左サイドだった。

 それからはアフガニスタンのスタミナ切れとともに大量点が入るのだが、この4-4-2はあまり使い途がないと思う。

 長谷部のほかは全員攻撃型のMF、さらに2トップというフォーメーションは、最終予選で対戦するだろう韓国、イラン、オーストラリアといった相手に対しては攻撃的すぎるからだ。ザッケローニ時代の3-4-3と同じで、オプションの1つになるかどうかという程度ではないか。

パス技術の高さは相変わらず生産性に結びつかず

 4-4-2はフォーメーションのテストというより、選手起用のテストの意味合いが強かったと思う。岡崎慎司、金崎夢生の2トップのコンビネーションはどうか、柏木をいつもより1つ前で、原口を1つ中で使ってみてどうか。2トップと清武の絡み…。柏木と清武はいいコンビネーションで後半にギアを上げる原動力になった。清武と2トップの関係も良かった。1点目は清武から岡崎、2点目は金崎から清武だった。

 3-0以後は、左サイドでワンタッチのシュートパスを連続させる日本らしい攻撃が出てきた。ただし、この短い距離でのコンビネーションがシュートへ収斂しないのも日本らしさである。相変わらず、パスワークの高い技術を生産性と結びつけられない。ザッケローニ時代からの、パスを回すには最適だがゴールへたどり着くには近すぎる距離感である。

 このタイミングでハーフナー・マイクが登場した。マイクを起用するならハイクロスを使わなければ意味がない。残り15分、マイクには4回ハイクロスが供給され、そのうち1つが5点目につながっている。ただ、マイクを使ってのハイクロス攻撃もオプションとみるべきだろう。クロスの供給源もほとんど清武だけだった。

核心部分のテストになったとは言い難い

 選手、チームともに幅を広げておくのは代表チームの強化として大切なことだ。2次予選が終われば接戦が基本線となる。さまざまな相手、状況に対応できる幅のあるチームが僅差勝負で有利になる。

 アフガニスタン戦のテストは悪い結果ではないが、何か決定的な結論を得たわけでもない。

 4-4-2はメインにはならない。ただ、4-2-3-1でも柏木をボランチに使えば、攻撃寄りの人選になるのはあまり変わらないのだ。攻勢のゲームで日本の司令塔が有効なのは歴代の代表でも実証ずみだが、最終予選でハリルホジッチ監督がどういうバランスを考えているのかは現時点ではよくわからない。

 マイク投入によるハイクロス攻撃も、残り時間10分程度のオプションと考えると、実際に使うかどうかは微妙なところだろう。その時点で3枚目のカードが残っているかどうか、吉田麻也や森重真人を前線に上げるほうが現実的かもしれないのだ。

 いくつかの実験を行いつつ、5-0で勝利できたのは文句なしだが、最終予選のテストとしては核心から少し外れていたかもしれない。日本の従来の課題は引いた相手の攻略と、カウンターに対する守備である。ポゼッションで優位というのが前提だ。

 引かれると難しいなら、引かれる前に攻め込めばいいのだが、そのときの精度は前半のとおりである。引かれれば司令塔なしでは難しいのも現状。どこにバランスを見つけるのか。カウンターケアという点では、「16メートル以内に侵入させなかった」とハリルホジッチ監督は強調していた。やはり気になるのだろう。

 だが、相手がアフガニスタンでは守備力の進歩ははかりがたい。枝葉のテストは良い結果だったが、核心部分はこの試合だけでは何ともいえない。

(取材・文:西部謙司)

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