FIA-F2:F1より先に投入される18インチタイヤの影響。車体進化よりも「変化が大きい」と佐藤万璃音

2020年3月26日(木)17時30分 AUTOSPORT web

 新型コロナウイルス(COVID-19)の影響でシーズン開幕が不透明な状況となっている2020年のFIA-F2選手権。しかし、開幕に先立って実施される公式合同テストについては、予定どおり3月1〜3日にバーレーン・インターナショナル・サーキットで開催された。


 2020年のF2で注目なのは、フォーミュラレースのトップに君臨するF1に先立ち、18インチタイヤが導入されること。シーズン開幕時期が見えない状況ではあるものの、この18インチタイヤの印象について、トライデントから2020年のFIA-F2へ挑む佐藤万璃音に聞いた。


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——まず、バーレーンテストの全体的な印象はいかがでした?
「予選を想定したパフォーマンスランは、悪くなかったと思います。ただ、そこで得られたデータをどれだけチームが解析できて、実際の予選や決勝へ反映できるか? ここはチームのエンジニアリングが試される部分ではないかと思います」


——18インチタイヤに絞った印象を教えてください。
「なんとなくクルマが重い感じでした。タイヤが回転していることによる慣性で、減速のためブレーキを踏んだときは、これまでより止まりにくいし、加速のためアクセルを踏んだときはこれまでよりもホイールスピンしやすい感触でした」


(注)これに関してはバーレーンテストでトップタイムを記録したジェハン・ダルバラ(今季よりレッドブル・ジュニアに抜擢されて2020年シーズンはカーリンからFIA-F2へ参戦するインド人ドライバー)も同様の感触を持ったようで、「減速ではロックしやすく、加速が難しい」とコメントしている。


——タイヤのコンパウンドはどうでしょう?
「(昨年とは)まったく違います。従来のタイヤよりもデグラデーションの進み方は遅い。バーレーンテストではハード・スペック6セット、ソフト・スペック2セットがピレリから供給されましたが、いずれのスペックもデグラデーションに関しては同じ印象でした」


——運転していて、タイヤの扱いに関しては昨年の仕様から修正を迫られたわけですね?
「昨年までのタイヤ性能がどうしても頭に残っていて、デグラデーションを意識しすぎたようです。全体的に少し抑えた走りになり、限界まで攻め込めなかったかもしれません」

3月1〜3日に行われたFIA-F2のバーレーンテストに参加した佐藤万璃音(トライデント)


——18インチタイヤの採用とともに、ダラーラ製の車体も部分的に新しくなりました。
「サイドポンツーンから後ろのスカート部分ですね。でも、実際にクルマを走らせた限りではタイヤの18インチ化という変化のほうが大きいと感じました」


——18インチ化は自分にとってアドバンテージになるでしょうか?
「うーん。チームのエンジニアリング次第ではないかと思います。イチからやり直しですからね。当然トップチームにアドバンテージがあるわけですが、トライデントもその部分で頑張ってくれたらいいですね」


——FIA-F2が無事に開幕を迎えても、新型コロナウイルスが蔓延するイタリア北部ロンバルディア州ミラノから近い西隣のピエモンテ州ノバラにファクトリーを置く、トライデントのチームメンバーと佐藤選手の移動に関しては不安も残ります。
「FIA(国際自動車連盟)のレターがあれば、僕もチーム・メンバーもそのあたりは問題ないと聞いています」

2020年のFIA-F2に参戦する佐藤万璃音(トライデント)


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