紙一重だった大会屈指の好カード 悔しさを糧に成長した敦賀気比と青森山田

3月26日(土)0時1分 フルカウント

敦賀気比エース山崎が甲子園で見せた成長の跡

 連覇を目指す敦賀気比(福井)のエース右腕・山崎颯一郎が完封勝利で青森山田(青森)のエース堀岡隼人投手との投げ合いを制した。

 昨年の神宮大会の準決勝と同じ顔合わせ。この時は8-5で敦賀気比が勝利した。青森山田は甲子園での再戦を目指し、冬場のトレーニングを続けてきた。一方、敦賀気比は神宮大会決勝で高松商業に3点リードから8回に5点を取られ、逆転負け。3-8の完敗だった。

 3月25日、1回戦最後となったのは大会屈指の好カード。両校とも秋の悔しさをぶつけ合い、息詰まる接戦を展開した。

「最後まで絶対に勝ったと思わないようにする」——。ドラフト候補右腕として注目を浴びる敦賀気比・山崎は自分のことよりも、秋の大逆転負けがずっと引っかかっていた。試合は27個目のアウトを取るまでどうなるかはわからない。1つ1つのアウトを最後まで丁寧に取りにいった。

勝負所で見せたギアチェンジ

 188センチの長身を生かして、140キロ中盤の直球に多彩な変化球を交えて、青森山田打線を抑えにかかった。1点を先取してもらい、試合は中盤へ。そこで山崎はピンチを招く。

 1点リードで迎えた5回は失策と送りバントで1死二塁に。1本出れば同点の場面だった。しかしそこから連続三振。6回無死一、二塁のピンチはあったが、ここもギアを上げて連続三振に仕留めて、反撃をかわした。

 勝てる投手の条件でもある、勝負所のギアチェンジ。自分のスタミナと技術を把握しているからこそできる術だ。6、7回を乗り切り、ゴールはちらつき始めた。しかし、秋の反省から、気を緩めることはしなかった、最後は打たせる投球で相手打線を退けた。山崎は課題を乗り越え、甲子園で成長の跡を見せた。

 1-0という最少失点差。いつどう転んでもおかしくはなかった。かえってその緊張感が山崎にプラスに働いたのかもしれない。

制球力を磨き上げた青森山田・堀岡

 青森山田もリベンジするべく、食らいついた。打線は敦賀気比よりも1本多い4安打だったが、得点することはできなかった。好投手相手に多くのチャンスはないと判断し、走者が塁に出れば積極的に策を講じた。5回1死二塁ではカウント3ボールから、「待て」ではなく、打てる球は打てという強行の指示を出した(結果は三振と、走者を出しても落ち着いていた山崎に軍配は上がったが)。

 投げては先発の堀岡が課題だった制球力を磨き上げ、安定したコントロールで1失点完投。1点差のまま何とか食らいつこうと気迫を前面に出し、前回大会Vの敦賀気比打線を3安打と封じた。堀岡は神宮大会の準決勝では登板していない。自分が投げて勝つという思いを持って、ひと冬を過ごしてきた。

 打撃陣がふるわなかったことは悔やまれるが、それは夏への課題となった。青森山田は強力打線を作って、夏を戦ってくるだろう。

 勝負は紙一重。1点差の好ゲームは勝者と敗者を分けたが、両校ともやってきたことは間違いではない。熱戦を一つの糧として、また新たなスタートを切る。

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