“先進国”日本を手本とする「課題」 大黒柱ソン・フンミンも訴える韓国サッカー界の苦境「恥ずかしくて悲惨な事態だ」
2025年3月27日(木)18時0分 ココカラネクスト

いたるところで芝生がボコボコと膨らんでいるピッチ。この状況をソン・フンミンも嘆いた。(C)Getty Images
エースの口からまたしても悲痛な叫びが飛び出した。
発信者となったのは、韓国代表FWのソン・フンミンだ。3月25日にホームで行われ、1-1で終わった北中米ワールドカップ・アジア最終予選のヨルダン代表戦後に同国メディア『OSEN』などに対して「選手たちの努力が報われないのは残念だ」と主張。改善の兆しが見られない本拠地のピッチコンディションの悪さに苦言を呈した。
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「遠く(欧州)から、帰国してきた若いチームメイトたちが時差に適応するのに苦労し、移動中のバスで寝ている姿を見ると、誇りにすら思う。だからこそ残念だ。ホームゲームは最高のコンディションと環境で臨むべきなのに、それができず、改善すらされていないのはちょっと残念。
僕らの立場でこれを言うのは簡単じゃないけど、もっと注意を払ってほしいと伝えたい。もっといいプレーができるのに、ホームでプレーしているのに、芝生が足かせになると、どこでアドバンテージを活かすべきか悩む」
ソン・フンミンの言うように韓国国内のサッカー場の芝生問題は以前から指摘されている課題ではある。すでに文化体育観光部とサッカー連盟は問題を解決するため、芝管理担当部署を新設し、日本などスポーツ先進国の事例を参考にして調査に着手。問題の抜本的な改善に努めているが、依然として明るい兆しは見えていない。
冬は非常に寒く、夏は高温多湿となる環境面への配慮が行き届いていないことなど様々な課題に直面しているという。そうした状況下で国内からも不満の声は噴出している。ソウルの市議会議員であるキム・ドンウク氏は「韓国の誇り高い代表チームはホームメリットを全く味わえずにいる」と指摘。「芝生の状態は最悪のレベルだ。かれこれ半年も、ソウルワールドカップ競技場で代表の国際Aマッチが開かれていない。これは恥ずかしくて悲惨な事態だ」と嘆いた。
現時点で北中米ワールドカップ・アジア最終予選のB組で首位につけている韓国。6月には6月5日に敵地でイラク代表と対戦した後、10日の予選最終戦クウェート代表をホームで迎え撃つ。
果たして、「言い訳だと思う人も多いかもしれないが、本当に細かいディティールで勝負が決まる」と切実に訴えるソン・フンミンの声は、サッカー界の苦境を変えるキッカケとなるか。日本を「手本とする」とされている調査の行方に注目だ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]