【英国人の視点】日本代表の未来を変えたアフガン戦。“容赦無い戦い”がもたらした希望

3月27日(日)9時37分 フットボールチャンネル

「気迫と積極性のある美しい勝利」

 相手の力を踏まえ、大した結果ではないと言ってしまうのも簡単だろう。木曜夜の埼玉スタジアムで、気持ちの入った立ち上がりを見せたアフガニスタンだが、後半45分間には完全に崩れてしまった。

 それでも、ペタル・セグルトのチームを5-0で下した日本代表の戦いぶりは、今後に迫る最終予選に向けて大いに勇気付けられるものだった。

 予選のこの段階でのホームゲームは、いつも同じようなパターンになりがちだ。守備的な相手は人数をかけて自陣に引きこもり、日本は赤いユニフォームの間に必死にパスを通そうとしていた。だがこの試合の特に後半は、サムライブルーのアプローチは少しばかり異なっており、より積極的な何かが感じられた。

「気迫と積極性のある美しい勝利だった。驚異的なまでのチームスピリットを発揮し、非常に積極的に戦うことができた」とヴァヒド・ハリルホジッチ監督は試合後に話していた。

 タイムアップが迫る中でもアフガニスタンを容赦なく押し込み続けた選手たちの戦いぶりは、間違いなく見ていて気持ちの良い光景だった。さらに得点を重ねるべく前へと殺到するチームからは、これまで以上の勢いや真っ直ぐさが感じられた。

「クロスからチャンスを作っていましたし、あまりパスを繋ぎ過ぎないようにして、相手の裏にボールを入れてセカンドボールを拾おうとしていました。それが試合前に話をしていたことです」とキャプテンの長谷部誠は語った。

「綺麗にプレーしようとし過ぎるのではなく、もう少しリスクを冒して、相手のラインを破るようなロングボールを出そうとしていました」

有効なオプションとなる4-1-3-2

 「綺麗な」サッカーからこの姿勢への変化は、確実に喜ばしいものだった。基本的には中盤をダイヤモンド型とした4-4-2だが、実際にはほぼ4-1-3-2だと言うべき前向きなフォーメーションも、日本代表を対戦相手にとってより予想しにくいチームとするために引き続き取り組んでいくべきものだろう。

 代表チームでの通算48ゴール目を記録した、現在絶好調の岡崎慎司はこう話していた。

「フレッシュな精神状態で試合に臨むことができました。前線は2人でしたが3人にもなれる形で、流動的なコンビネーションの可能性が感じられたと思います」

「ある程度は、とりあえずやってみてどうなるか見てみようという考え方でした。あまり色々と考える時間はなかったですね。急ぎ過ぎていたような時間もあったかもしれませんが、こういうやり方で続けていけば相手は嫌だろうなと思えました」

「相手がもっと強ければこういう戦い方はできないかもしれません。カウンターが怖いですからね。でも今日の相手は完全に引いて守っていたので、ダイナミックな戦い方をすることができました。焦ることなくチャンスを作れていましたね。僕が下がって清武(弘嗣)と2シャドーになった時にはうまく機能していたと思いますし、僕のゴールもそういう形から生まれました」

 清武はFW陣の後ろで切れのある動きを見せていたし、岡崎と金崎夢生のコンビには間違いなくポテンシャルがあった。鹿島アントラーズ所属の金崎も、辛うじてラインの先へボールを押し込んだ形だとはいえゴールを記録し、前線で常に脅威となり続けていた。ハリルホジッチ監督も彼の戦う姿勢や存在感、常にボールをもらえるよう顔を出すプレーを称賛していた。

高さを加えたハーフナー・マイクの起用

 ハーフナー・マイクも代表復帰を果たした。得点者に名を連ねることこそできなかったとはいえ、ヘディングでの落としで金崎のゴールを生み出してみせた。

 2013年10月以来となる日本代表での試合を終えたあと、彼はこう話していた。

「20分間出してもらえて、ゴールを決めたいと思っていました。そういうつもりで試合に入っていましたし、絶対に決まる気がしていました。それでもアシストはできましたけどね」

 28歳となったハーフナーは、フィジカル面で以前より強くなることができたと感じており、欧州への移籍以来、自分の考えていたサッカーに合わせたプレーもできるようになった。自分の最高のプレーをどう引き出すべきかについて、ハリルホジッチ監督には明確な考え方があると彼は確信している。

「監督は、僕を入れることでチームに違いを生みたいと考えています。もっとエリア内にクロスを入れたいと考えていて、そういう形でチームに違いを生むということだと思います」

 より直接的なアプローチで、攻撃にスピードと即興性を加え、泥臭い形であってもゴールを決めること。これまでの日本にはあまりなかった特徴だが、2018年ロシア大会で真剣に何かを成し遂げたいのであればそういうものも必要となってくる。

 もちろん、まずは大会の出場権を手に入れなければならない。だがこの試合の後半に見せた容赦無い戦いにさらなる上積みができれば、6大会連続のワールドカップ出場に向けた見通しは間違いなく明るいものとなってくるはずだ。

(取材・文:ショーン・キャロル)

【了】

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