【英国人の視点】香川と本田がハリルJに必要な理由。2人のスターは現実的で道理にかなった選択肢

3月27日(月)11時40分 フットボールチャンネル

称賛されるべきハリルホジッチ監督の選手マネジメント

 香川真司と本田圭佑は、所属クラブで十分な出場機会を得られていないことから日本代表への招集において多くの議論がなされてきた。しかし、世界的に名の知れた2人のスター選手は今でも日本代表に必要な選手である。両者ともハリルジャパンに才能と経験をもたらすことができる存在だ。(文:ショーン・キャロル)

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 W杯最終予選におけるここまでの戦いへの対応について、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は十分な称賛を受ける資格がある。

 昨年9月にホームでUAEに敗れて最悪のスタートを切ったことに加えて、主力選手の何人かはそれぞれの所属クラブで出場機会を得ることができていなかった。6大会連続のW杯出場に向けて、サムライブルーは突然のように苦難の道のりを強いられる状況に追い込まれたかに見えた。

 だがその数日後、今週火曜日にも対戦するタイ代表とのアウェイゲームでは、原口元気と浅野拓磨のゴールにより2-0の勝利を収めて足元を固めることに成功。10月に行われたイラク、オーストラリアとの難しい2試合でも勝ち点4を確保することができた。ホームでのイラク戦は山口蛍が後半アディショナルタイムに決めた決勝点により劇的勝利。メルボルンでの試合は原口の3試合連続ゴールにより1-1の引き分けに持ち込んだ。

 直近の2試合はより本格的にチーム力が試される形となったが、ハリルホジッチ監督は見事な対応で2試合を乗り切り、日本代表は完全に自力で予選突破を狙える状況となった。11月のサウジアラビア戦は清武弘嗣と、またも原口がゴールを奪って2-1の勝利。先週木曜日には久保裕也と今野泰幸のゴールによりUAEを2-0で下してリベンジを遂げた。

 ハリルホジッチ監督が称賛されるべき理由は、この過程を通して選手たちをマネジメントしてきたそのやり方にある。チーム全体の利益へと繋がる巧みな選手起用を見せてきた。

代役不在なら、天性の才能を持つ香川は当然の選択肢

 香川真司と本田圭佑は世界に名の知れた2人のスター選手であり、調子の良い日ならチームを勝たせる決定的な仕事をすることができる。だが残念ながら両者ともに今季は所属クラブで安定した出場機会を得られず、代表チームからも除外すべきだという声が上がることになった。

 ハリルホジッチ監督自身も、コンスタントに出場時間を得られていない者はメンバー選考の対象外にすると公言し、選手たちの危機感を煽っていた。

 だが64歳の指揮官は現実主義者であり、代表チームとクラブチームが全く別の生き物であることを理解している。クラブは9ヶ月間を通して1週間に1試合か2試合を戦うものであり、短期的プランと長期的プランのバランスが必要とされる。

 一方で代表チームは、毎回の招集ごとに1試合か2試合だけに集中することになる。たとえ国際大会であっても、大半のチームは3試合か4試合程度を戦うだけだ。

 ハリルホジッチ監督はそのことを念頭に置いた上で、あまり先のプランを立てるのは不可能であること、毎回のメンバー選考はその時点での状況に基づいて行われるべきであることを理解している。30人程度の選手が各クラブで先発起用されポジションを争っていれば理想的かもしれないが、現実的にはそれは起こらないことだ。

 特に香川に関して言えば、10番のポジションで先発すべき状態ではないし、最近は先発しないこともあった。清武が代役を務めていたが、その清武自身も調子を落としてしまった。代役に名乗りを上げる選手がいないのであれば、最も経験豊富な、そして最も天性の才能に恵まれた選択肢を採るのは道理にかなうことだ。

 確かに香川は攻撃の指揮を執ることができているわけではなく、それは長期的には間違いなく修正すべき問題ではあるが、それでもやはり相手は日本の背番号10に引きつけられ、空いたスペースを原口や久保が利用することができる。

出場機会は少なくとも…国際試合で本田の経験は必要に

 一方の本田は、2017年になってからミランでわずか1分間しかプレーしていない。嘆かわしい事実ではあるが、過度に騒ぎ立てるべきことでもない。100%の状態にあれば本田は今でも日本のベストプレーヤーであり、クラブで定期的にプレーできていないとしても、強いプレッシャーのかかる国際試合でインパクトをもたらす力は十分にある。

 代役候補となり得る選手が、悪くはないがまだ力を証明しきれていないという状況では、本田には今でも23名の中に含めるだけの価値があることは間違いない。

 ハリルホジッチ監督は今回のメンバーを発表するにあたって、「本田の存在感はチームにとって重要だ」と話していた。夏にしょかんどこか別のクラブへ移籍して、来年の今頃には毎週プレーできるようになっていたとすれば、彼にとって3度目となるW杯出場へと向かうことに疑問の余地はないと想定できる。

 もちろんそのためには、日本が予選を突破することが必要だ。6ヶ月前に比べればはるかにその可能性は高まっているとはいえ、まだ何も決まってはいない。

 香川と本田が低調だった時期を通して、他の選手たちが十分に存在感を増してきたのは幸いなことだ。久保や原口、大迫といった比較的新しい顔ぶれが貢献度を強めており、ベテラン選手たちも必要な時にはチームを牽引することができる力を示してきた。川島永嗣も吉田麻也も今野も、アル・アインでのUAE戦では見事な戦いぶりを見せていた。

 火曜日のタイ戦でも同じような戦いを見せられたとすれば、ハリルホジッチ監督と日本代表はもうロシアに片足を踏み入れたも同然だろう。

(文:ショーン・キャロル)

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