タイ攻略に必要な原口&久保の爆発。香川の創造性を触媒にロシア行き引き寄せられるか

3月27日(月)12時25分 フットボールチャンネル

タイ戦は日本の真価を問われる試合

 日本代表は28日にロシアW杯最終予選でホームにタイ代表を迎える。UAEに勝利した日本は活気を取り戻したものの、タイに勝たなければその喜びは無に帰してしまう。引き気味で挑んでくることが予想される相手にサムライブルーはどんな戦いを見せられるだろうか。勝利の鍵になるのは両サイドの爆発、そして背番号10の創造性かもしれない。日本の真価が問われる一戦が迫っている。(取材・文:元川悦子)

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 23日のUAEとの死闘を制した日本代表にとって、28日の次戦・タイ戦(埼玉)は「負けたら勝利の意味がなくなる試合」。今野泰幸(G大阪)や大迫勇也(ケルン)というキーマン2人を欠いたこともあり、普段以上に気を引き締めて臨む必要がある。

 2018年ロシアW杯への切符獲得により大きく近づくためにも、勝ち点3は必須。ホーム・埼玉スタジアムで勝ちきれなかった2015年6月の2次予選初戦・シンガポール戦、2016年9月の最終予選初戦UAE戦と同じ轍を踏むことだけは回避しなければならない。

 重要な一戦を2日後に控え、日本代表は26日夕方、試合会場で非公開練習を実施。真冬のような冷たい雨の降りしきる中、1時間半弱かけてタイ戦に向けた戦術確認を行った。タイは目下、勝ち点1でグループB最下位に沈んでいるが、11月のオーストラリア戦を2-2で引き分けた通り、決して個の力が低いチームではない。日本戦でドロー以下だとロシア行きの可能性が完全に消えることもあり、決死の覚悟でぶつかってくるはずだ。

 こうした状況ゆえに、頭から奇襲攻撃をかけてくる可能性もゼロではないが、「相手も引いて守ってくると思う」と長友佑都(インテル)が語る通り、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督はミーティングで相手が引き気味で来ると伝えている様子だ。

 となると、やはり前述のシンガポール戦、UAE戦の悪夢が蘇る。日本はいずれの試合でもシュート数で圧倒しながらゴールを決めきれず、ホームでの勝利を逃している。

「2次予選、最終予選を含めてそうだけど、得点するのに苦労すると思っている。チャンスや得点を奪う形をもっともっと共有していかないといけない」と香川真司(ドルトムント)も強調する。いかにして相手の強固な守備ブロックをかいくぐるのか。今回はそれを真剣に模索する必要がある。

サイドが強みと語る香川。タイ戦でも戦術の鍵に

 そこで気になるのが、今回の布陣だ。本来の4-2-3-1に戻るのか、UAE戦の4-3-3を継続するのかは、指揮官も思案のしどころだろう。ただ、本職のボランチ要員が山口蛍(C大阪)1人しかいない現状を考えるとダブルボランチは難しい。守備的に戦うタイを想定すると、UAE戦同様、インサイドハーフに2人を配置して、やや攻撃的にいくのが有効ではないか。

 この場合、経験値と創造性を考えると、香川と清武弘嗣(C大阪)のコンビの先発が有力だ。前回途中出場で持ち味を発揮した倉田秋(G大阪)を起用するのも妙案ではあるが、やはり前者2人のボール支配力、個のアイデアや戦術眼は捨てがたい。

「守備を固められる中、自分がどう動くのかが試される戦いだと思っているので、自分のやりたいことや判断をどんどんやっていきたい。アクションサッカーに積極的にトライしていきたいので、自分の担うものは大きいと思っている」と香川も言うだけに、彼らが連係して相手を混乱に陥れることが重要だ。中盤でしっかりとリズムを作ることができれば、サイドアタッカー陣も生きてくるはずだ。

 中を固められた状況下では外からの攻めがより重要になってくる。UAE戦の日本は右サイドの酒井宏樹(マルセイユ)と久保裕也(ヘント)のコンビがイキイキと連動し、実際に先制点も奪った。

 左サイドはオマル・アブドゥラフマンやイスマイル・アルハマディの突破を封じるのに忙殺され、ダイナミックな攻めをあまり繰り出せなかったが、タイ相手なら長友佑都(インテル)と原口元気(ヘルタ)のコンビで相手を凌駕できるはず。香川も久保と原口をどう生かすかが、試合の明暗を分けるポイントだと見ている。

「そこ(サイド)が今の(日本の)強み。次はスペースを与えてくれない中で、UAE戦と同じことをやっても難しさはあると思う。チームとしての狙いをサイドに置きながらも、できなかった時にどう動くのかといったアイデアは自分が見出していかないといけない。普通にやったら苦労する相手だと思っているので、個人的な戦術やアイデアを生み出していかないと、彼らも生きてこない」と背番号10は改めて強調する。

貪欲にゴール狙う原口。日本に必要な「遠目からのシュート」

 昨年9月の前回タイ戦で値千金の先制ゴールを挙げている原口にも「生かされる側の確固たるイメージ」があるという。

「相手が引いてくるんだったら、俺はあんまり中に入らない方がいい。外で1回、幅を作らないと窮屈になるので。あとは遠目からのシュート。日本はゴール前に入っていってという形が多いので、外からのゴールがあまりない。だけど、そういうゴールが増えていかないとバリエーションが少ない。

 ミドルシュートっていうのは自分が決めたいポイントでもありますね。ミドルも打てるとなると、キックフェイントも利いてくるので、そういうイメージをつけさせるためにもミドルシュートを1本決めることが大事」と彼は広い視野を取りながら点を獲りにいくつもりだ。

 久保にしても、3月4日のワースランド・ベベレン戦でペナルティエリア外側中央の位置から豪快な左足のシュートでゴールを奪っており、遠目からも決められる力を持っている。原口と久保の2人がUAE戦に続いて先発するのであれば、躊躇なくミドルを狙っていいだろう。

 早い時間帯に先制できれば、タイが戦意を喪失し、大量得点につながることも考えられる。グループ首位のサウジアラビアに得失点差2をつけられている日本としては、ここでゴールを量産し、残り3試合を優位に運べる状況を作っておきたい。

 逆にチャンスを作りながら得点できずに相手にスキを与えるような展開だけはご法度だ。いずれにせよ、UAE戦で生まれたいい流れを加速させるような攻撃を香川、原口中心に構築してほしい。

(取材・文:元川悦子)

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