すでに降格の危機?今季J2で現在危険な3クラブ【2024シーズン】

2024年3月28日(木)14時0分 FOOTBALL TRIBE

櫛引政敏(左)柿谷曜一朗(中)藤本佳希(右)写真:Getty Images

2024シーズンからの明治安田J2リーグは「天国と地獄」がよりくっきりと分かれるリーグとなった。参加クラブ数が昨季までの22から20へと変更になったうえ、プレーオフを含む3クラブがJ1へと昇格し下位3クラブはJ3へ自動降格となる。つまり、現在J2を戦う20クラブのうち6クラブは来季のJ2にはいない。毎年リーグの約3分の1が入れ替わるといえば分かりやすいだろうか。


そのため、昇格争いはもとより残留争いもより激化する。いまだ序盤戦ながら、各クラブが1試合に懸ける思いはこれまでより強くなったように感じる。ここではJ2の残留争いにスポットを当て、第6節終了時点で危険な状態にある3クラブを挙げた。




モンテディオ山形 FW藤本佳希 写真:Getty Images

モンテディオ山形


序盤の勢いはどこに?


昨季は5位で今冬さらに積極的な補強を敢行したモンテディオ山形。MF氣田亮真、MF坂本亘基、MF杉山直宏ら即戦力のアタッカーを数多く獲得しており、目標の「J2優勝」は現実的と思われた。実際、第1節のジェフユナイテッド市原・千葉戦を3-2、第2節の栃木SC戦も3-1で勝利し、開幕から2戦はほぼ文句なしの戦いだった。


ところが、第3節からはYBCルヴァンカップ(ルヴァン杯)も含め公式戦で4連敗。リーグ戦では4試合無得点と光明が見えていない。連敗中とはいえ、渡邉晋監督らしくチームにゾーンの意識はあり、一見バランスの良い守備陣形を作れている。ある程度パスを回すこともできる。ところが個々の守備強度が足りずにわずかな穴が大きくなり守り切れない。また、攻撃時は選手同士の距離感が遠くフォローの意識が少ないため崩し切れない。守備では個、攻撃では組織に問題を抱えているため改善は容易でないだろう。


現在は勝ち点7の13位。1つ勝てば順位がグッと上がる位置にはいるものの、開幕2試合の貯金があるうちに復調しなければ目標達成どころか降格もちらついてくる危険な状況だ。


徳島ヴォルティス FW柿谷曜一朗 写真:Getty Images

徳島ヴォルティス


低迷が深刻化


依然として予断を許さない状況が続いている徳島ヴォルティス。第4節では水戸ホーリーホックを相手に劇的なオウンゴールで今季初勝利を挙げたが(2-1)、その後は2試合で1分1敗。ここまで6試合を終えて1勝1分4敗の勝ち点4と降格圏内の19位に沈んでいる。


課題は守備の組織力。選手個々が懸命に戦っていることは伝わるが、組織としての守備ができていない。そのため目の前の相手を抑えることはできても、背後を突かれたり連携プレーで崩されると後手に回らざるを得ない。


頼みの綱はGKのホセ・アウレリオ・スアレス。昨季はややミスもあった守護神だが、今季はここまで幾度もチームを救ってきた。あとは最も脅威となれるMF西谷和希がピッチに戻ってくればもう少し改善されそうだが、第2節以降はベンチ外が続いている状況だ。徳島は3月26日にファジアーノ岡山などで活躍したFWチアゴ・アウベスの獲得を発表。Jリーグへの適応も問題なく、即戦力としての活躍が期待される。




ザスパクサツ群馬 GK櫛引政敏 写真:Getty Images

ザスパクサツ群馬


唯一の未勝利クラブ


開幕から2戦は決して悲観する状況ではなかったザスパクサツ群馬。第1節では鹿児島ユナイテッドに、第2節ではロアッソ熊本にどちらも1-1で引き分け着実に勝ち点を獲得した。


またルヴァン杯1stラウンド1回戦では、カテゴリーが異なるとはいえJ3のSC相模原に4-1の快勝。昨季11位と躍進したこともあり今期の期待も高まった。


しかし、そこからまさかのリーグ戦4連敗。決して勝利の可能性がなかったわけではない。第5節の横浜FC戦(0-1)では前半24分という早い時間帯に横浜から退場者が出たため、70分近く11人対10人という構図で数的有利な状況だった。第6節のファジアーノ岡山戦(1-2)では相手のオウンゴールによって先制に成功している。


ところが、結局いずれの試合でも勝ち点1さえ得られていない。何より心配なのが、今季の群馬は昨季のメンバーが数多くプレーしており、監督も継続していること。主力の流出を避け、堅守を作り上げた大槻毅監督が続投したにも関わらず勝利が遠い。昨季は42試合で44得点44失点だったのが、今季は6試合終了時点で4得点9失点。得失点ともにはっきりと悪化している。


試合内容は不調のチームによく見られる状態だ。失点したくないあまりDFラインが深く、ボールを奪っても距離感が良くないため上手く繋ぐことができない。結局は相手ボールとなり再び攻撃を許してしまっている。昨季の4-4-2から3-4-2-1へ変更するなど手を打っているが、現時点では成果が見えていない。チャンスの数でも相手に上回られ続けており苦しい試合が続いている。かといって、大型補強を実施できるわけでもなく、過密日程で指揮官を代えるという選択肢もないだろう。幸か不幸か、次節(第7節)の相手は同じく不調の徳島ヴォルティスだ。この状況を打破するためにも、リーグ戦で1つ勝利を挙げ自信を手にするしかない。

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