【現地取材】東京V城福浩監督「サポーターがアウェイで背中を押してくれる」
2025年3月28日(金)10時0分 FOOTBALL TRIBE

2025明治安田J1リーグで現在14位(3月27日時点)につける東京ヴェルディは25日、ヴェルディグラウンド(東京都)でのトレーニング後に囲み取材を行った。東京Vは、直近20日に行われたYBCルヴァンカップ1回戦でJ3のAC長野パルセイロと対戦。120分でも決着がつかずPK戦にもつれ込み、5-4で辛勝を挙げた。
リーグ戦に目を向けると、今シーズンは第6節を終えたここまで2勝1分3敗と勝ち点7で14位。なかでも気になるのは「失点の多さ」である。第3節の町田ゼルビア戦(1-0)で今シーズン初勝利を挙げているが、他5試合は全てで失点している。なかでも第2節の鹿島アントラーズ戦では4失点を喫して敗北している。そこで、東京Vの城福浩監督に直近の長野戦や守備の現状、次節柏レイソル戦などについて訊いた。

「相手が一番嫌なところを…」
ー20日の長野戦を振り返っていかがですか?
城福監督:長野戦はカップ戦の初戦ということもあって特に難しい戦いになるのは分かっていました。120分で点を取れなければ、ああいう難しい展開になる。そこは我々の問題であると思っています。そこで得た課題はしっかり改善していかなければいけない。
ー長野戦を経てリーグ戦のメンバー編成に影響は?
城福監督:食野壮磨もいますし稲見(哲行)や(山本)丈偉も含め、みんながポジションを狙いに来てくれているので、熱意ある選手を見定めていきたいなと思います。
ーそういった選手たちが今日の練習でアピールしていましたが、監督にはどのように映っていましたか?
城福監督:相手が一番嫌な「裏」を狙うところと、へそを使うところのバランスが我々のサッカーにおいて非常に大事なので、彼ら自身が能動的にボールを集めながらも相手の一番嫌なところをチームとして狙えるように我々もアプローチしています。あとは本人たちが心身共に準備できているか、選手の組み合わせなどを見定めたいなと思います。

「我々がへばりついて守れるようなリーグではない」
ー今シーズンはここまで、町田戦以外はクリーンシートがありません。ディフェンスに関してはどう捉えていますか?
城福監督:これは攻守一体なので、クリーンシートを達成するためにはディフェンスだけを頑張っていてもだめなんですよね。やはり攻撃の時間がなければいけないですし、守備に関しても前線からの守備がなければ、より自分たちのゴールに近いところで守らないといけないわけですから。これはもう全体の問題として捉えています。
(J1は)我々がへばりついて守れるようなリーグではないんです。後から入ってくる選手(交代選手)が、実績的にも条件的にもこのチームにはあまりいないようなクオリティの高い選手が投入されてくる。それがJ1なので。より自分たちのゴールから遠いところで、出来れば攻撃的な中でサッカーをすることによってクリーンシートに近づくと思っています。走れるかだけの問題ではない。

柏レイソル戦に向けて
ー次節は今シーズン調子の良い柏レイソルとの試合ですが、印象は?
城福監督:(今年の柏は)サッカーが変わりましたし、立ち位置とか先発メンバーも多少入れ替わっている。マテウス・サヴィオが移籍した分、補強も充実していますし、新たにチームが生まれ変わろうとしている時期だと思うので、そこは相手のやりたいことをやらせないようにしないといけない。
新たな選手(新加入選手)がピッチに立っているということは、その分交代選手が充実しているということなんですよね。今まで主力でやってきたような選手がサブにいるわけですから、これは選手層としては非常に厚くなっているという印象があります。90分を通じて我々がコントロールできるようにならないと。後から入ってくる(相手の)メンバーも強烈な選手たちばかりなので、受け身にならないことが大事かなと思います。

意欲が続く限りは努力を見せたい
ー次節はアウェイでの柏戦です。柏スタジアムの雰囲気はどのように映っていますか?
城福監督:やはり専用スタジアムで観客席から近いということで、選手の息遣いも聞こえて観ている側からすると本当にサッカーを堪能できる環境だと思います。逆にピッチにいる選手にもスタジアムの息遣いが聞こえるんですよね。当たり前ですけどホームのお客さんが多ければ、その分、相手チームの背中を押すような声が聞こえてくるというのが事実だと思うんです。それをプラスに変えられるかどうか。ヴェルディのサポーターもアウェイで大きな声を出して我々の背中を押してくれるのでね。そこは心強いと思いますし、それを味方にしてよい戦いをしたいなと思います。
ーこれから連戦も始まりますし、この柏戦が大きなポイントを占めるのでは?
城福監督:連戦はあまり考えずに目先の試合に集中していきたいです。特に交代選手を絡めて戦っていく。「あと何日後になにかがある」というのは一切考えずに、その試合に集中していきたいです。
ー3月21日に64回目の誕生日を迎えられましたが、心境はいかがですか?
城福監督:若い監督が台頭してくるのは良いことだと思うし、そういう人たちとフェアな戦いの中で生き残っていくためには自分がアップデートできないとそれは絶対に無理なことです。それこそ、後進に譲った方が良いと思います。今までの経験を活かして日々アップデートしていくことが大事。
それでチームを変える、その事実を見せていかない限りはこの席(監督)には座れないと思いますのでね。そこは常に危機感や意欲を持って取り組んでいますし(意欲が)なくなった時にはそれこそ後進に席を譲ってあげた方が良いと思うので、意欲が続く限りは現状をさらに改善していくような努力を見せたいと思います。