偉大な先輩の背中を見て誓う飛躍、杉田・籾木・北川ら…なでしこU20世代が見据える未来

3月28日(月)12時57分 サッカーキング

浦和戦に先発した日テレ・ベレーザの籾木結花 [写真]=瀬藤尚美

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 3月26日、27日に2016年シーズンのプレナスなでしこリーグが開幕した。今季のなでしこリーグ1部は、3年ぶりに1シーズン制へと戻し、2回戦総当たりの全18節で優勝チームを決する。

 26日には元なでしこジャパンの澤穂希さんが退団したINAC神戸レオネッサと、昨季は経営難に陥ったものの複数のスポンサーを獲得して再び1部リーグを戦うコノミヤ・スペランツァ大阪高槻が対戦。翌日は昨季のリーグ女王である日テレ・ベレーザと、2シーズンぶりのリーグ優勝を狙う浦和レッドダイヤモンズレディースが対戦する注目のカードが並んだ。

 いずれの試合でも感じたことは、若手選手が着実に力をつけてきていることだった。

 川澄奈穂美や高瀬愛実(ともにINAC神戸)、阪口夢穂(日テレ)といった、現役なでしこジャパン選手の出来は確かに上々だったが、杉田妃和(INAC神戸)、籾木結花、隅田凜(ともに日テレ)、北川ひかる、乗松瑠華(ともに浦和)といった若手選手は、チームの勝ち点獲得に大きく関わり、それぞれのチームですでに中心選手となっているとを改めて感じさせるパフォーマンスだった。

 これらの選手は、今年11月にパプアニューギニアで行われる、U−20女子ワールドカップへの出場資格を持った20歳以下の選手だ。

 杉田は昨季、リーグ戦4試合に出場して先発起用されたのはわずか1試合だったが、今季はいきなり開幕戦の先発に抜擢された。INAC神戸に新加入した韓国女子代表のMFチョ・ソヒョンとボランチを組み、局面を打開する視野の広いパスを度々披露した。チョとの役割分担とコンビネーションが高まれば、U−17、U−19日本女子代表で活躍してきた杉田のチャンスメイク力が、さらに生かされるだろう。

 試合後に杉田は、「試合の流れを読んでチームがピンチの時でも堂々とプレーしていた、澤さんと同じようなプレーはできないが、チームメイトだった去年の1年間で感じたことはたくさんある。それをこれからのなでしこリーグの試合で示していきたい。特に得点に関わるプレーの精度を上げるという、私の課題に取り組むことが、U−20女子W杯やその先につながっているはず」と力強く、偉大な先輩の名前を挙げて、今季の飛躍を見据えたコメントを残している。

 今季から日テレの背番号10番を背負う籾木もまた、ある想いを持って開幕戦を戦った。

 浦和の厳しいプレスが大いに日テレを苦しめ、籾木自身も本領を発揮した試合とまではいかなかったが、開幕戦で勝ち点1をもぎ取る得点に絡んで、最低限の仕事はこなした。

「背番号が変わったことで自分が変わったということは特にないけど、でも他人からの目は変わると思う。10番を重くは考えず、でも責任は持ってプレーし、ポジティブに10番を捉えながらこれを背負っていきたい」

 籾木は、去年8月のAFC U−19女子選手権(中国)で、U−19日本女子代表の10番を任され、杉田とともにアジア制覇を達成した。その活躍に比例するように、当然彼女へのマークも厳しくなってきている。それでも籾木は、そんな状況を成長の糧に利用しようと考えている。

「例えば相手チームのディフェンスになでしこジャパンの選手がいたとしても、自分たちの世代の選手がその相手を抜いて得点を奪うことくらいはして、このなでしこリーグでしっかりプレーできているという自信を持った上で、11月のU−20女子W杯に臨まなければいけない」

 ディフェンディングチャンピオンの日テレが、開幕戦でいきなり勝ち点3を取りこぼして勝ち点1に留まった。しかし籾木からネガティブな言葉は一言も聞かれなかった。様々な状況を受け入れて、そこから最大限、チームや自らの成長につなげる。成長を止めている時間はない。

 なでしこジャパンのリオ五輪出場は叶わなかった。それでも彼女たちのサッカー人生は続いている。五輪に出場できないこと自体が問題ではなく、それよりも、自らの考えで何かを止めてしまうことこそが問題だろう。

 今夏に五輪がない日本女子サッカーは、ピンチといえばピンチだ。しかしなでしこリーグの選手たちは、置かれている状況を敏感に把握し、それぞれの成長へとつなげようとしている。

 次の週末もまた、日本各地の試合会場で選手たちはユニフォームに着替えてピッチに出る。それぞれの目標達成への思いと決意を持って。

文=馬見新拓郎

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