阪神・金本知憲監督 「猫の目打線」批判を意に介さぬ理由

3月28日(火)7時0分 NEWSポストセブン

「猫の目打線」批判を意に介さず

写真を拡大

 沖縄・宜野座村営球場での阪神春季キャンプ。打ち上げ直前の2月27日、グラウンドでは紅白戦の後、選手による「リレー大会」が行なわれていた。


 紅白戦で負けたチームが3組に分かれ、1周200メートルのグラウンドを全力疾走する。2位と3位はもう一度走り、最下位になった組が居残りで特打をするというルールだ。いまや阪神キャンプの名物行事になっているこのメニュー、考案したのは、脇で選手たちを見つめる金本知憲監督(48)である。


「自分で言うのも何ですけど、これ、相当キツいと思いますよ(笑い)。僕が現役だったら間違いなくリタイアしている(笑い)。でも、今回のキャンプではリタイアする選手がいなかった。それは褒めてやらないといけないかな」


 目を細めつつ、こう続ける。


「ウチは若い選手が多い。だからある程度厳しいメニューを作り、強制しています。そうやって僕らが背中を押してやる必要がある。その代わりこっちには、最後まで見守る責任があると思っています」


 今季、金本監督は就任2年目を迎える。鳴り物入りで監督に就任した昨季は「超変革」をスローガンに掲げ、一軍経験の少ない若い選手を積極的に起用した。ただ、序盤こそ勝率5割をキープしていたが、交流戦を境に低迷。結果的に4位に沈み、クライマックスシリーズへの出場すら逃してしまった。


「もちろん昨年も優勝を目指していましたよ。負けてもいいや、なんて思った試合は一つもありませんから。反省点はたくさんあります。ただそれは、その時の選手起用や作戦面のことの反省ですね。こればかりはキャンプでは補えないから、実戦に入ってみないと、と思っていますけど」


 昨年、組んだオーダーは実に126通りに及ぶ。複数の若手を起用したこともあるが、“猫の目打線”の大きな原因の一つは深刻な貧打だった。チーム打率はリーグ最下位(.245)、チーム得点(506点)と本塁打数(90本)はともに5位。故にこのキャンプでは「打線の強化」が急務とされたが、いざ終了してみると、レギュラーも4番も決まらなかった。だが金本監督は意に介さない。


「Bクラスのウチがキャンプを終えた時点で、開幕オーダーを固定できるわけがないでしょ。ジャイアンツやカープじゃないんだから。もちろんまったく白紙というわけではないが、レギュラーが2人しかいない(※)チームの打順や守備を固定するというのは無理な話でしょう。


【※注:金本監督は中堅・糸井嘉男、右翼・福留孝介の固定を示唆している】


 固定するのが理想なのはわかりますが、開幕スタメンの選手が1年間ちゃんと計算して働いてくれると思います? そんなに甘くはないですよ。固定しても力的には1年間持たないだろうから、自動的に変わっていくものと思っています。昨年の江越(大賀)や横田(慎太郎)のように、今年も若い選手がいくつかのポジションを守ることになると思います」


 金本監督はシーズン中でも、記者に対してこうした「本音」のコメントを出すことで知られている。質問に対して答えなかったり、言葉を濁したりすることはない。そんな金本監督だからこそ、このような表現になるのだろう。


 だが、決して選手たちを突き放しているわけではない。その証拠に、冒頭のリレー大会の後、特打に励む選手たちをバックネット裏の監督室から静かに見守る金本監督の姿があった。


●かねもと・ともあき/1968年生まれ。広島県出身。1992年広島入団。走攻守三拍子揃った選手として、2000年には史上7人目のトリプルスリーを達成。2003年にFAで阪神に移籍。18年ぶりのリーグ優勝に貢献し、2008年には2000本安打を達成した。左膝半月板損傷や右肩棘上筋部分断裂などの大怪我を負いながらも試合出場を続け、連続イニング(1万3686イニング)・連続試合フルイニング出場数(1492試合)の世界記録を達成。その後も連続試合出場記録は1766試合まで続いた。2012年に現役を引退。野球評論家を経て、2016年、阪神タイガースの監督に就任した。


◆撮影/藤岡雅樹  ◆取材・文/鵜飼克郎


※週刊ポスト2017年4月7日号

NEWSポストセブン

「批判」をもっと詳しく

「批判」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ