WEC:スーパーシーズンのLM-GTEは混戦必至? 新BoPで「レースが人間的要素を取り戻した」

2018年3月29日(木)12時31分 AUTOSPORT web

 2018/19年のWECスーパーシーズンに参戦するアストンマーチン・レーシング(AMR)のポール・ハワース代表は、2017年から導入された性能調整『オートマチックBoP』によって、レースが「人間的要素を取り戻した」と述べている。


 AMRが参戦するLM-GTEプロクラスはアストンマーチンのほか、フォード、ポルシェ、BMW、フェラーリなどが参戦しており、車種ごとのパフォーマンスを均等化するべく独自のBoP(性能調整)が課されている。


 このBoPについて、2017年シーズンからは人為的要素を排し、各車のファステストラップやストレートスピードを基に独自アルゴリズムで弾き出された数値を採用する『オートマチックBoP』を採用。この結果、例年以上に激しいバトルが繰り広げられる場面が多く見られた。

BMW M8 GTEは1月末に北米デイトナのロレックス・デイトナ24時間でレースデビューを飾った。


 また、5月に開幕を控えるWECスーパーシーズンに向けて、AMRは新型バンテージGTEを投入するほか、BMWもM8 GTEを新投入。またフェラーリ488 GTEにはEVOバージョンが登場するため、勢力図に変化が起きることは間違いない。


 AMRを率いるハワース代表も、シーズン開幕前にLM-GTEプロクラスの勢力図を占うのは難しいとしながらも、オートマチックBoPによってエキサイティングなレースになることは確かだとの見解を示している。


「オートマチックBoPによって昨年はレースがより面白くなった。すべてのことが戦略と実行に立ち戻ったからだ」とハワース。


「ドライバーには、より多くのプレッシャーがかかるようになり、彼らがミスをする機会も増えてくるだろう。そうなれば、当然レース結果にも変化が出てくる」


「またチームのエンジニアにも同じことが言える。オートマチックBoP導入前、エンジニアたちはマシンからパフォーマンスを引き出すことに重点を置いてはいなかった。しかし、今はマシンから少しでも多くのパフォーマンスを引き出さなくてはならないのだ」


「レースがドライビングやタイヤマネジメント、セットアップなど、人間的要素を取り戻したんだ」


 また、ハワースはオートマチックBoPにより、LM-GTEプロクラスに参戦する全メーカーがシリーズチャンピオンを争う権利を得るとの考えを示している。


「今年は、どのレースでも優勝車を予想することはできないだろうね。チェッカー20分前になっても全マニュファクチャラーが優勝争いを繰り広げているのが理想なんだ」


「そうなる予兆は昨年からあった。このスーパーシーズンもそうなれば、チャンピオンシップにとって素晴らしいことだ」

アストンマーチンがWECスーパーシーズンに投入する新型バンテージGTE


 なお、ハワースはチームが投じる新型バンテージGTEのパフォーマンスは、BoPによって昨年まで使用していた旧型V8バンテージと同等になるだろうとも述べている。


「どちらもレギュレーションやBoPなどの規格で厳密に管理される。だから、私は昨年型のマシンでも、今シーズンに優勝争いができると思っているんだ」


「ただ、今シーズンのバトルがより接戦になることは間違いない。少なくとも、私はそう考えているよ」


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