「忍耐強く」がサファリの心得か。賢明さが奏功し勝田貴元が3番手浮上/WRC第3戦ケニア
2024年3月30日(土)11時29分 AUTOSPORT web
3月29日(金)、2024年FIA世界ラリー選手権(WRC)第3戦サファリ・ラリー・ケニアの競技二日目には、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のトヨタGRヤリス・ラリー1が3台出走し、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)が総合首位に浮上した。
チームメイトのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)も総合2番手に、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)も総合3番手に続き、チームは1-2-3体制を築いて大会前半を終えている。
二日目を迎えたサファリ・ラリー・ケニアは、サバンナでの本格的な戦いがスタートした。サービスパークが置かれるナイバシャの周辺にて、3本のグラベル(未舗装路)ステージを各2回走行。路面コンディションは全体的にドライで荒れている区間も多く、クルマとタイヤにとって非常に厳しい一日となった。
この日1本目のSS2から早々に総合首位へポジションを上げたロバンペラは、そのペースを緩めることなく6ステージを全て制覇。総合2番手のエバンスに56.9秒という大きな差を築いて、大会二日目を締めくくった。
エバンスは、総合6番手から大会二日目の戦いをスタート。午後の再走ステージにて徐々にペースを上げていき、午後のSS5では勝田と同タイムの2番手タイムを、SS6では3番手タイムを記録。この日最後のSS7を3番手タイムで走破し、総合2位に順位を上げて大会二日目を終えた。
続く勝田は、スピードと安定性を両立させた走りを見せ、午後の再走ステージでは2番手タイムを2回記録。シェイクダウン時にも「クレバーな戦いと意識したいです」とコメントしていたが、言葉通りの賢明な戦いが結果に繋がり始め、エバンスと3.9秒差の総合3番手につけた。
大会二日目を終えた勝田は、「クリーンに一日を過ごすことができました」と振り返る。
「ステージは予想通りかなり荒れていましたが、クルマは良く走ってくれましたし、とても扱いやすく感じられました。ただ忍耐強く、クレイジーな走りはしないという自分の戦略に従って一日を過ごしました」と、マシンにも好感触を感じながら自身のペースで戦いを進められているとコメントした。
この走りにチームのヤリ-マティ・ラトバラ代表も、「辛抱強く走り続けてくれた」と評価する。
「とはいえ、すぐ背後にはティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)が迫り、プレッシャーをかけ続けている。明日、もっとも大切なのは我慢強く走り続けること」
「もし雨が降れば、路面のぬかるみが酷くなる可能性が高く、そのようなコンディションを乗り切ることが何よりも重要になる」と、さらなるサファリの困難へ向けて慎重な姿勢を保つようアドバイスを送っている。
徐々にペースをつかみ始め、大会折り返しのタイミングで1-2-3体制を築き上げる展開に持ち込んだトヨタ。ただ、開催地のケニアが雨季ということで、突発的な雨も気になるところ。これからも堅実な走りが肝要であることは間違いない。
競技3日目となる3月30日(土)は、サービスパークの北側に位置するエレメンタイタ湖の周辺で『ソイサンブ』、『エレメンタイタ』、『スリーピングウォーリアー』という3本のステージを、日中のサービスを挟んで各2回走行する。6本のステージの合計距離は160.96kmと4日間で最長、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は409.52kmだ。
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