「今年こそ」の思い胸に— 怪我に泣かされてきた男が志願続投でプロ初完封

3月30日(水)23時31分 フルカウント

楽天美馬がシーズン初の完封、「出来すぎですね」

 右拳を2度握り締め、雄たけびとともに笑顔を見せた。9回2死、清田を見逃し三振。美馬学投手が9回無失点でプロ初完封を果たした。12球団でも今季最速。「いやあ、ビックリしています。出来すぎですね」とヒーローインタビューで照れ笑いを浮かべた。

 初回1死、細谷に右越えの三塁打を浴びたが、3番・清田を三ゴロ、4番・デスパイネを遊ゴロとピンチを脱すると、2回以降は7回を除いて三塁を踏ませぬ投球。三振は2つ、96球という打たせて取る内容で締めた。味方からも5点の援護を受け「8回終わったくらいに、もう1回行かせてほしいと言いました」と続投を志願したという。

 シーズン初完封だが、プロ入り後は2度目。2013年10月19日、クライマックスシリーズファイナルステージの千葉ロッテ戦で完封勝利を挙げている。この年は6勝だったものの、ポストシーズンで3戦3勝。日本シリーズMVPにも輝くなど楽天初の日本一に大きく貢献した。ちなみにこのときの完封勝利後も、報道陣に「出来すぎですね」と笑顔で振り返っていた。

肘への負担考慮し先発転向、美馬は「点を取ってやりたいと思わせる投手」

 身長169センチ。小さな体をカバーするように、強いハートの持ち主だ。あるチーム関係者は「美馬の投げているときはどうにかして点を取ってやりたいという雰囲気になる」と語っていた。マウンドからナインを引き締めるその姿。大一番でも動じない精神力が、美馬の魅力でもある。

 一方で再三の怪我にも泣かされてきた。プロ入りの時点で肘には3本のボルトが埋め込まれていた。セットアッパーとして期待され入団したが、連日肩を作る中継ぎよりも、週1度の登板となる先発の方が負担が減るとして、先発へ転向。だがそれでも不安は一掃されず、昨年オフにも右肘にメスを入れた。

「今年こそ」の思いを、今季初登板で結果に繋げてみせた。昨年は開幕ローテ入りを果たしたものの、援護にも恵まれず初勝利を挙げるまでに9試合、6月3日の東京ヤクルト戦までかかった。だが今季は初戦。しかも完封という最高の結果だ。

「いつも1年間プレーできなくて悔しい思いをしていた。今年はローテーションを守って、チームに貢献したい」

 力強く誓った背番号31。フル回転でチームに勝ち星をもたらす。

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

「パ・リーグ インサイト」編集部●文

フルカウント

完封をもっと詳しく

BIGLOBE
トップへ