サファリの猛威に苦戦も、ヒョンデWRC代表はチームの成長を実感「最終日の1-2-3は最高だった」/第3戦ケニア
2024年4月1日(月)12時35分 AUTOSPORT web
3月27日(水)〜3月31日(日)にかけて、アフリカ・ケニアのナイバシャを中心に2024年WRC世界ラリー選手権の第3戦『サファリ・ラリー・ケニア』が開催され、ヒョンデ・シェル・モービスWRTは3台のヒョンデi20 Nラリー1で参戦した。
ポイントランキングで首位に立つティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダグ組(11号車)は、総合5位で陣営内最上位フィニッシュ。日曜日のみの順位でポイントを獲得することができる“スーパーサンデー”では2番手、上位5台にボーナスポイントが付与される最終パワーステージではトップタイムをマークする活躍を見せ、今大会で2番目に多い19ポイントを獲得した。
オット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組(8号車)は、クラッシュで大きく順位を下げる場面もあったが、最終的には総合8位まで挽回を見せた。さらにスーパーサンデーで首位に立ち、パワーステージでも2番手タイムをマークして12ポイントを手にした。
3台のなかでももっとも多くのトラブルに見舞われたエサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(4号車)は、前戦スウェーデンの総合優勝から一転した苦しい週末を過ごした。それでも最終日にはペースを上げ、スーパーサンデーで7番手、パワーステージで3番手につけて貴重な4ポイントを持ち帰っている。
猛威を振るうサファリの自然を相手に多くのアクシデントが発生するなか、チームは適切に対処し、3台が無事に完走を果たした。また、スーパーサンデーのワン・ツーフィニッシュや最終パワーステージではトップ3を独占するなど、最終日のパフォーマンスは印象的なものだった。
最大のライバルであるTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチームが活躍を見せるなか、多くのトラブルに立ち向かって価値あるポイントを手にする働きをしたチームに向け、シリル・アビテブール代表はチームリリースにて称賛の言葉を送っている。
「このサファリ・ラリーでは毎戦のように多くのトラブルが起きるので、チームワークが今週末のキーワードだった。今回遭遇したあらゆる困難にも、メカニック達は頭をもたげることなく立ち向かってくれたよ」
「そして、最後のワン・ツー・スリーフィニッシュは本当に最高だった」
「この結果は、我々のマシンのポテンシャルを示すことができただけでなく、どんな状況でもこのチャンピオンシップで勝たなければならないという意志を見せることができたと思う」
無論、デイ2でラッピ車に生じたミッショントラブルや、デイ3でヌービル車のエンジンに生じたパワーロスの症状はあった。しかしそのなかでもアビデブール代表は3台の披露した走りから、2024年シーズンのチームが遂げた成長を実感することができたという。
「たしかに今回の我々には、困難が少し多すぎたようだ。そのなかのいくらかは、サファリならではのアクシデントだったのだが、マシン自体に起因するトラブルも起きていたことは事実だ」
「ただ我々のペースは昨年よりも良く、確かなものになっていたのだ。2023年大会はTGR-WRTに大きく遅れを取ったが、2024年は成長を感じることができたよ」
「これはファクトリーにいる仲間もふくめたメンバー全員が、オフシーズンの間に長い時間をかけて多くの仕事をこなしてくれたおかげだ」
2024年シーズンは開幕戦モンテカルロと第2戦スウェーデンで2連勝をあげてきたヒョンデ。第3戦ケニアは、TGR-WRTにマニュファクチャラー選手権で4ポイントの差をつけられたが、ドライバーズ選手権では首位のヌービルが6点差にリードを広げている。次戦は4月18日(木)〜21日(日)に介されるターマックイベントの『ラリー・クロアチア』だ。雪と氷の少ないモンテカルロでヒョンデが鮮やかな逆転を見せたことは記憶に新しいが、ケニアでの雪辱を果たす活躍を披露することができるだろうか。
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