選抜決勝で好ゲーム展開 智弁学園、高松商両監督に見る現在の選手指導法

4月1日(金)11時20分 フルカウント

決勝に勝ち上がった両校、その裏にはどのような指導があったのか

 第88回選抜高校野球は智弁学園(奈良)が高松商(香川)を延長11回サヨナラで2-1で下し、初優勝を果たした。4万人を超える大観衆が好ゲームを展開した両校に惜しみない拍手を送った。智弁学園・小坂将商監督、高松商・長尾健司監督ともに成長した選手たちのプレー、立ち振る舞いを温かい目で見守っていた。

 決勝を戦った2人の監督に共通しているのは、熱血漢ということ。生徒を厳しく叱責することもあれば、アフターケアも欠かさない。このバランスに長けていた。

 智弁学園の小坂監督は1995年の夏の甲子園で同校の一員としてプレーしており、38歳と若い。法政大でも主将で、社会人野球・パナソニックにも所属。厳しい上下関係の中で野球をしてきた。

 ただ、厳しさの一方通行では選手は伸びないとも感じていた。監督就任した当初は、指導したことができな選手に「何でできないんだ?」と頭ごなしに怒ることも多かった。しかし、その手法では選手が自分から動かなくなることに気がついたという。

 そのため、選手に自分から歩み寄るようにした。怖い監督から、時にはジョークも言うメリハリのある監督になった。すると選手と話す時間が増え、生徒たちが何を考え、何に悩んでいるのかが手に取るようにわかったという。また、叱るタイミングも重要なようで「大会中は怒らないですね。いつもおだてるようにやってます」と選手の気持ちを乗せるように心掛けた。選抜中も、気持ちが落ちている選手がいれば、すぐに声をかけにいった。

長尾監督の場合は? 「厳しすぎると子供は絶対に縮こまる」

 準決勝の龍谷大平安戦で甲子園で初めてスタメンに起用した左翼の中村がエラーし、失点につながった。監督は中村がプレーに集中していないことを見抜くと「打席で取り返すつもりでいけ」とゲキ。この試合、9回に4連打でサヨナラ勝ちしたのだが、気持ちを切り替えられた中村はその中の一本を打ち、勝利に大きく貢献した。

 高松商の長尾監督も同様だ。「『失敗』と書いて『成長』と読む」をモットーにし、選手を見届けてきた。「自分の指導が正しいとは思わないですが、部員の気持ちがゆるんできた時は締めています。ただ、時代もあって、厳しすぎると子供は絶対に縮こまります」と分析する。

 指導者人生をスタートさせた頃は「厳しかったと思います」。根性論を打ち出して、選手たちに走り込みもさせた。しかし、ある一定のところから選手がなかなか伸びてこなかった。

 中学野球の監督なども経て高松商の監督に就任してからは、選手起用の難しさを痛感。県内の有力選手が集まったため、力のある選手を補欠にしなくてはならなかった。そのためには会話が大切だった。ノートを交換し、じっくり膝をつき合わせて話もした。監督としての考えを一人一人に丁寧に伝え、チームをまとめていった。

 高校生という多感な時期を預かる指導者の責任は重大だ。決勝を戦った2人の指揮官は監督であると同時に、生徒を社会に出ても通用する人間に育てていくことも重視している。厳しさを持ちながら、選手の気持ちを重んじる。そのような理想を思い描いたとしてもやり抜くのは難しい。両監督の指導は現代の子供たちを伸ばし、強いチームを作り上げていく一つのモデルケースになるかもしれない。

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