スペインの慧眼が指摘。森保Jの課題は「敵が強度を上げたときの対応」

4月1日(月)16時55分 Sportiva

「この日の後半も、日本はロシアワールドカップのコロンビア戦の後半と似た状況に陥っている。コロンビアの強度の高いプレッシングで、ボールをつなげない。(後半の)最初の30分間、まるでボールを奪えなかった」

 スペインの慧眼、ミケル・エチャリ(72歳)は、ロシアW杯以来の再戦となった日本代表のコロンビア戦(W杯は2−1で勝利、今回は0−1で敗北)について、鋭い指摘をしている。

 先日、エチャリは2003年から率いていたバスク代表(FIFA未公認)監督を勇退した(後任は元スペイン代表監督のハビエル・クレメンテ)。その戦績は目覚ましかった。チュニジア、ボリビア、ペルー、ベネズエラなどに勝利し、ほとんど負けなかった。2014年12月には、最強時代と謳われたバルセロナの選手が中心のカタルーニャ代表とカンプノウで引き分けている。その戦い方は、以後、バルサ対策の基本となった。

「コロンビアはFWドゥバン・サパタ(アタランタ)の投入が、猛攻の合図になった」

 戦術家として、エチャリはどのようにコロンビア戦を見たのか?


コロンビア戦でミケル・エチャリ氏が高く評価した中島翔哉

「ロシアW杯で勝利したコロンビアと、どのように戦うのか。それは戦いの背景のカギになった。日本は森保一監督に代わったし、選手も大幅に代わっていた。事情はコロンビアも同様だが、”遺恨”はゲームを左右する材料になる。

 1月のアジアカップ後、日本は選手を入れ替えている。先発メンバーに、アジアカップで控えだった室屋成(FC東京)、佐々木翔(サンフレッチェ広島)を用い、新たに東口順昭(ガンバ大阪)、昌子源(トゥールーズ)、山口蛍(ヴィッセル神戸)、鈴木武蔵(コンサドーレ札幌)を抜擢。半分以上が”新メンバー”だった。

 システムは同じ4−4−2。コンセプトも変わっていない。しつこく激しくプレッシングを仕掛け、機動力と技術の高さを生かし、コンビネーションで攻める。

 前半は、日本が優位に試合を進めた。前線からの積極的な守備でボールを奪い返し、堂安律(フローニンゲン)がシュートを狙う。右サイドの攻撃は活発。ボランチの柴崎岳(ヘタフェ)から有効なパスも出ていた。右サイドバック、室屋の攻め上がりのタイミングも、オフサイドを取られたものの、決して悪くない。ただ、クロスの精度が低かった。

 特筆すべきは、ロシアW杯から私が指摘していたコーナーキックのバリエーションが増えていた点だろう。これまでは、単純に高いボールを直接入れすぎていた。『ショートコーナーを使うべき』と主張してきたが、この日は積極的に短くつなげ、相手の守りを撹乱していた」

 エチャリは変化、成長を評価し、目立った選手についても名前をあげた。

「一番目立ったのは、中島翔哉(アル・ドゥハイル)だろう。積極的に攻撃に関与し、中心だった。コンビネーションのなかでその技術を生かしていた。鈴木へのクロスの質などは非常に高かった。周りを生かすだけでなく、自らが生きる形でパスを受け、シュートに持ち込むプレーでもクオリティを見せつけた。

 日本はW杯と同じく、悪くない入り方をしたと言えるだろう。しかしチームとして10本以上もシュートを打ち込みながら、得点できなかった」

 エチャリはそう言って、後半、戦いの流れが一変した事情を説明している。

「コロンビアはお互いのサポートの質を高め、ボールを握る力を強めた。同時に、猛烈なプレッシングで日本のビルドアップを分断。プレー強度が変化した。さらにギアが上がったのが、後半12分のサパタの投入だろう。ハメス・ロドリゲス(バイエルン)が右に回って、ラダメル・ファルカオ(モナコ)とのツートップで、攻勢を強めた。

 日本はプレスを回避できず、クリアに逃げるしかない。柴崎が下がってボールを受けようとするが、劣勢が際立った。波状攻撃を受けた後のことだった。クリアをした後、プレスがすべて後手に回って、スペースを使われてしまい、危険なエリアに侵入されている。シュートに対する冨安健洋(シント・トロイデン)のハンドは必然的だった」

 後半19分、日本はファルカオにPKを決められ、0−1とリードされた。ロシアでは開始早々のPKでアドバンテージを得たが、今回は逆だった。しかし、その後に日本が見せた挽回に、エチャリは拍手を送った。

「日本は香川真司(ベシクタシュ)、さらに乾貴士(アラベス)、鎌田大地(シント・トロイデン)を入れ、攻撃は徐々に勢いを取り戻している。最後の約15分は、再び日本が得点チャンスを作り出した。中島のバーに当てたシュートや乾がゴールエリアで放ったシュートなど、少なくとも3、4度は決定機があった。同点にしていてもおかしくはなかった」

 エチャリはそう言ってから、端的に敗因を述べている。

「引き分けが相応しい試合展開だったかもしれない。しかし日本は、決めるべきときに決めることができなかった。終盤にも再びチャンスは訪れたが、仕留められなかった。

 相手が強度を上げたときのマネジメントは日本の課題だ。ただ、日本はスピードをベースにした攻撃で”らしさ”を見せた。幅を使いながら、一気にインサイドを破って、チャンスを作っていた。最後の反撃も収穫だろう。今は挑戦を続けることだ」
(つづく)

Sportiva

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