井端弘和ならではの新生・原巨人論。「小林誠司は見限られていない」

4月2日(火)6時35分 Sportiva

 今年もプロ野球が開幕し、各地で熱戦が繰り広げられている。とりわけ注目を集めた開幕カードは、オフに丸佳浩長野久義の移籍で話題を集めた、広島と巨人の開幕3連戦だろう。

 昨シーズン、広島に7勝17敗1分と大きく負け越した巨人は、2勝1敗と勝ち越してスタート。3度目の指揮を執る原辰徳監督のもと、セ・リーグ優勝と日本一奪還を目指して”大型補強”を行なったチームはどんな戦いを見せるのか。

 昨年まで巨人の1軍内野守備走塁コーチを務め、現在は解説者として活動しながら侍ジャパン強化本部の編成戦略担当を担う井端弘和氏に、古巣の展望を聞いた。


丸をはじめ、大型補強を行なった巨人

——広島から丸佳浩選手を獲得するなど、”大型補強”を行なった巨人の印象はいかがですか?

「巨人らしいなぁと思いますし、驚きはありません。かつては小笠原(道大)さんや(アレックス・)ラミレス、その前にも清原(和博)さん、広澤(克実)さんなど、たくさんの強打者を獲得してきましたからね。私も中日時代にそうでしたが、他のチームの選手にとって『巨人を倒したい』というモチベーションが上がる要因にもなりますから、今年はより面白い試合が見られるんじゃないでしょうか」

——37歳の岩隈久志投手(元マリナーズ)、36歳の中島宏之選手(元オリックス)などベテラン選手とも契約しましたが、球団には「若手の”お手本”になってほしい」といった狙いがあるんでしょうか。

「メジャーリーグでの経験を含め、さまざまなことを伝えてほしいという期待もあるでしょうが、勝利を義務づけられている巨人だからこそ”戦力”として期待されている部分が大きいと思います。首脳陣は、岩隈には1軍の先発ローテに入ってほしいでしょうし、中島にもスタメンを奪うくらいの存在であってほしいと思っているはずです。そうでなくても、中島にはケガ人が出るなどの緊急時にスタメンを任せられる実力と実績がありますし、右の代打としても重宝されるでしょうね。

 西武から獲得したキャッチャーの炭谷(銀仁朗)に関しては、決して小林(誠司)を見切っているのではなく、併用することで配球を偏らせないなどの狙いがあると見ています。シーズンをひとりのキャッチャーに任せられるのが理想ですが、小林が”一本立ち”する過程だと考えても、いい補強だったと思います」

——井端さんは2016年から3年間、巨人の1軍内野守備走塁コーチとしてチームを支えました。苦しい戦いが続いた昨シーズン、一番頭を悩ませたことは?

「投手陣ですかね。先発では菅野(智之)だけでしか勝ちが計算できず、中継ぎ陣もパッとしませんでした。上原(浩治)の離脱があり、抑えの(アルキメデス・)カミネロもフルシーズン持ちませんでしたから。打線に関しては岡本(和真)が覚醒して得点力がアップしましたが、それ以上に点を取られてしまう試合もあり、悔しい思いをすることも多かったです」

——今シーズンの投手陣はいかがでしょうか。

「中継ぎに関しては、戸根(千明)、桜井(俊貴)、大江(竜聖)や、育成から這い上がってきた坂本(工宜)といった”新顔”も出てきたので期待しています。他の投手たちも『負けていられない』という気持ちになるでしょう。若い投手たちが今シーズンに成長してくれたら、巨人は10年……とはいかないまでも、5年先くらいまでは安泰になると思います。原(辰徳)監督もそれを見据えているように感じますね」

—— 一方で、打順についてはいかがですか?

「1番・吉川(尚輝)、2番・坂本(勇人)、3番・丸(佳浩)、4番・岡本(和真)というオーダーは、私もまったく同じ意見でした。オープン戦当初は丸が2番を打っていましたが、やはり彼は3番のほうが適していると思います」

——それはどういった理由からですか?

「私の見立てでは、丸は”ヤマ張りバッター”なんです。追い込まれた場面でも『この球は振るけど、違ったら振らない』という傾向が強いので、四球も多く取れる反面、見逃し三振となる打席もある。2番は打者を進める”つなぎ役”を求められますから、それで打撃のリズムを崩すリスクを考えると3番が妥当でしょう。慣れ親しんだ打順で調子を保てれば、昨シーズンのように『3割40本』くらいの成績が残せると思います」

——昨年、1番や3番を打つことが多かった坂本選手の2番起用はいかがですか?

「坂本は追い込まれたらなんとかするタイプ。どの打順でも適応できますから、まったく違和感はありません。その坂本の前を打つ吉川については、昨シーズンに2番を打った経験を生かしてほしいです。もともと吉川はチームの先陣を切って躍動するタイプの選手ですが、制約の多い2番で『我慢すること』や『つなぐ』意識を学べたことで、状況に応じたバッティングができるんじゃないかと思います」

——若くして巨人の4番を担う岡本選手については?

「昨年、首脳陣がある程度の余裕を与えながら大役を任せた中で、岡本自身が1軍の投手の球にアジャストできるポイントを発見したんでしょうね。守備に関しては助言や指導で向上する部分が大きいですが、バッティングには正解がない。今シーズンは相手チームのマークも厳しくなるでしょうけど、今後もしっかり自己分析しながらバージョンアップしていってくれることを期待しています」

——今シーズン、その先の巨人の展望は?

「今シーズンはこれだけチームが新しくなったので、4月は勝率5割くらいを目安にチームを分析し、5月からが本当の勝負になるでしょう。来シーズン以降を見据えると、補強選手を起用しながらいかに若手の底上げが出来るかも重要です。”黄金期”を築いた今のカープのようにベテランと若手が融合し、主力選手が離脱しても新しい選手がそれを埋められるようになるのが理想ですね。巨人も吉川、岡本をはじめ若い選手が育っていますから、それを継続していってほしいです」

Sportiva

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