「ベッテルは心から尊敬する人」サインツ、レッドブルジュニア時代に知った温かい人柄を語る

2021年4月4日(日)7時35分 AUTOSPORT web

 フェラーリのカルロス・サインツJr.は、2014年のある出来事によって、4度の世界チャンピオンであるセバスチャン・ベッテルにより大きな敬意を抱くようになったという。それはベッテルがレッドブルからフェラーリに移籍する際のことだった。


 当時、サインツはトロロッソでF1デビューシーズンを迎える直前だった。一方のベッテルは、フェラーリでキャリアの新たな章を開くところだった。


 ベッテルはフェラーリへの移籍を前に、共に大きな成功を成し遂げたスタッフ全員ひとりひとりに感謝の気持ちを伝える手紙を書いたという。当時20歳のサインツは、RB10のセットアップ向上のために働き、レースの週末にミルトンキーンズのチームのシミュレーターで膨大な時間を過ごしていた。ベッテルはそのサインツにも手紙をくれたという。

2015年ロシアGP カルロス・サインツJr.(トロロッソ)とセバスチャン・ベッテル
(フェラーリ)

「僕はセバスチャンを心から尊敬している」とサインツはスペインのメディア『Soy Motor』に語った。


「彼はこのところ難しい時期を過ごしてきたかもしれないが、それでもF1のひとつの時代に足跡を残すことになるドライバーのひとりだと思う」


「こういうことがあった。2014年に彼がレッドブルに別れを告げた日、シミュレータードライバーだった僕に、彼は手紙をくれた」


「僕が彼とチームのためにしていたシミュレーター作業はとても重要だったと、彼は思ってくれていた。レッドブルに別れを告げる際に、彼はすべてのスタッフに、それぞれ違う内容の手紙を送るという、思いやりのある行いをした」


「オーストラリアGPの際には、僕は朝4時から何時間もかけて推奨されるセッティングを探った。そのことを彼は知っていて、僕のシミュレーター作業とそれにつぎ込んだ時間について、感謝の気持ちを伝える手紙をわざわざくれたんだ」


「それ以来、僕は彼に好感を持っている。カメラでは撮られていないかもしれないが、彼とは今も交流している」
「このことは彼には言ったことはないかもしれないけれど、いつか言うつもりだ。あれから僕は彼のことを深く尊敬している」


■現チームメイトのルクレールに敬意を抱く理由


 サインツが、マクラーレン時代にチームメイトのランド・ノリスと非常に仲が良かったことは、よく知られている。そしてフェラーリでの新チームメイト、シャルル・ルクレールともすでに良好な関係を築き始めているということだ。


 ルクレールを尊敬しているというサインツは、その理由のひとつに、彼の精神的な強さを挙げた。2017年、FIA-F2に参戦していたルクレールは、アゼルバイジャンのレースウイーク直前に父親エルベを亡くした。しかし彼はレースに出場し、優勝を獲得した。

2021年F1プレシーズンテスト シャルル・ルクレールとカルロス・サインツJr.(フェラーリ)

「僕は彼をとても尊敬しているし、僕たちは互いに尊敬しあっている」とサインツは言う。「つまり最初から良い基盤があるわけだ」


「彼のスポーツにおけるキャリア、才能、この数年にフェラーリで成し遂げたこと、F1で達成したことに、僕は敬意を抱いている。そして彼が乗り越えてきたことについても心から敬服している」


「シャルルに特別な過去があることを、僕は知っている。僕は父に対して大きな愛情を抱いているし、身近な人たちにも愛情を持っている。彼が乗り越えてきたことと現在の彼を、自分のこととして置き換えて見てみると、尊敬の念しかないよ」


「こう考えざるを得ないし、実際に口に出して言っている。『彼はいい奴に決まっている。興味深い人物に違いない』とね。だからこそ僕たちはうまくやれるのだと思っている」

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