WEC:トヨタ、テストで2万1000km走破。ル・マン制覇へ「不測の事態も想定」

4月5日(木)19時41分 AUTOSPORT web

 2012年からハイブリッド・パワートレイン技術の開発および量産車へのフィードバックを目的として、WEC世界耐久選手権に参戦してきたTOYOTA GAZOO Racing。相次ぐライバルメーカーの撤退を受け、今季は唯一の自動車メーカーワークスとして5つのプライベーターチームを相手に戦っていくなるチームは、5月上旬に開幕する2018/19年シーズンに向けてテストを重ねてきた。


 マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ-マリア・ロペス組の7号車と、セバスチャン・ブエミ中嶋一貴に2度のF1ワールドチャンピオンに輝いたフェルナンド・アロンソを加えた新ドライバーラインアップとなった8号車の2台のレーシングハイブリッドマシンを走らせるトヨタは、今季も前年型の改良モデルとなる『トヨタTS050ハイブリッド』で悲願のル・マン優勝ならびにWECのタイトル獲得を目指していく。


 昨シーズン、ライバルのポルシェを上回るシーズン5勝をマークしたチームは、アロンソも参加したルーキテスト終了後のオフシーズンの間に、3日間にわたるテストを合計4回実施。走行距離にして2万1000kmを走破してきたという。


 そんなトヨタのマシンは、今季新たに設定された技術規則によって大きな開発は許されなかったうえに、同じLMP1クラスのプライベーターが用いるノン・ハイブリッド車両に対して、コース1周あたりのエネルギー量、最大瞬間燃料流量、さらに車両重量面で大きな制限を受けることとなっている。


 このような厳しい参加条件の下でのマシン開発について、テクニカルディレクターを務めるパスカル・バセロンは「これまでのシーズンとは異なり、2018年仕様のTS050ハイブリッドのアップデートは多くない。信頼性向上に加えて、冷却システムの改良および2017年規則のなかで変更されたボディパーツの開発が主なものになった」と説明している。


「我々は直近の4年のうち3回、ル・マンで勝てるだけの充分な速さを示したが、勝つことはできなかった。ル・マンで勝つためにはさらなる努力が必要だったのだ」


「ル・マンというレースは、3割から4割くらいは予想外のことが起こる戦いであり、だからこそ魅力的で、そして同時に恐ろしい。トヨタは今年、新たな取り組みとして、通常では起こり難い不測の事態も想定した準備をしてきた。我々は常に改善を続けているが、どこまでやっても改善の余地は残っているものなんだ」

村田久武TMG社長(左)、フェルナンド・アロンソ(右)
村田久武TMG社長兼TGR WECチーム代表(左)、フェルナンド・アロンソ(右)


 2017年のル・マンでサルト・サーキットのレコードタイムを大幅に更新してみせた可夢偉も「今年の車両は、昨年と比べて大きな変更はありません」とその進化の幅が大きくないことを認めながらも、同時に「その戦闘力も、性能や信頼性の面でも素性はよく分かっている。また、昨年の学んだ多く経験も(ル・マンで勝つ)自信にもつながっています」と続けている。


 可夢偉のチームメイトであるコンウェイは「目標はもちろんル・マンの勝利だが、できるだけ多く勝ちたいと思っている」とコメント。


「(冬の間)設計陣は軽量で速く、かつ信頼性の高い車両を開発するために緻密な仕事を進めてきている。そして僕たちドライバーはもちろんのこと、エンジニアやメカニック達は突発的のアクシデントにも対応できる周到な準備を積んできた。それでもまだ(勝利への)道のりは長いと思っているよ」


 また、2016年に勝利を手にしたかと思われながら、まさかの結末に泣いた一貴も「とにかく万全の準備を整えなくてはいけません。ル・マンで勝つには、どんな技術的ミス、人的ミスも許されないからです」とル・マンの難しさを語る。


「それらを克服することは非常に困難な挑戦ですが、これまで成し遂げることができなかった、この大きな目標を達成することが我々に課せられた仕事なのです」


 2017年オフのルーキーテストでトヨタTS050ハイブリッドを初ドライブし、今季のドライバーラインアップに加わったアロンソは、スポーツカーの最新鋭マシンを「素晴らしいレースカー」と評し、「LMP1ハイブリッド車両の技術は数年前には想像すらつかないものだった」と続けた。


「チームに感謝しながらも、このプロジェクトに携わる興奮を抑えきれないよ。今から、6月の本番が待ち遠しくて仕方ないんだ!」


「しかし、その前に多くの走行テストやシミュレーター訓練を行い、スパ・フランコルシャンでのレースをこなさなければならない。ル・マンを戦うにはそれだけの準備が必要になるんだ」


 アロンソを加えた新しいドライバーラインアップと、これまで以上に信頼性、アクシデントへの対応力に対する準備を進めてきたトヨタは4月6〜7日、他メーカーのLMP1マシンも一堂に会するプロローグ・テストに参加し、5月3日に開幕する第1戦スパ・フランコルシャン6時間レース、その先のル・マン24時間に向けた最終確認を行なっていくことになる。

オフのテストに臨むトヨタTS050ハイブリッド
オフのテストに臨むトヨタTS050ハイブリッド
8号車トヨタを駆る中嶋一貴(左)、セバスチャン・ブエミ(中央)、フェルナンド・アロンソ(右)
8号車トヨタを駆る中嶋一貴(左)、セバスチャン・ブエミ(中央)、フェルナンド・アロンソ(右)


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