TOYOTA GAZOO Racing、新型『GR 86』を発表。日本では2021年秋ごろの販売を予定
2021年4月5日(月)13時23分 AUTOSPORT web
TOYOTA GAZOO Racingは4月5日、スバルとのオンライン合同イベントのなかで、新型『GR 86』を発表した。GRスープラ、GRヤリスに続くTGRが展開するスポーツカーシリーズ『GR』のグローバルモデル第3弾で、新型スバルBRZとの共同開発となる。日本での販売は2021年秋頃を予定している。
スバルBRZとの兄弟車として、2012年のデビュー以来、世界中のモータースポーツで活用されてきたトヨタ86が、新たにTOYOTA GAZOO Racingのスポーツカーシリーズ『GR』シリーズの一台である『GR 86』として生まれ変わった。
4月5日に行われたスバルとのオンライン合同イベントのなかでお披露目された新型GR 86は、今回もスバルと共同開発。クルマのベースを共有しながらも、それぞれの個性を引き出した「異なる走りの味」をもたせることに注力。BRZ開発陣と切磋琢磨しながら、「86ファンに喜んでいただける、86らしい味の進化」を追求した結果、「スポーツ性能に特化した、さらなる高い次元でのダイレクトで気持ちのいい走り」を実現した。
外観では、ベルトラインから水平に通ったフェンダートップによって、FRらしい車両姿勢を表現。水平に低く通ったアンダーボディとキャビン後部の絞り込みでワイドなスタンスと低重心を表現した。またフロントはGRブランド専用の『ファンクショナル・マトリクス・グリル』を採用し、機能性とエモーショナルさの表現を両立した。
そして注目のエンジンだが、「軽量コンパクトかつ低重心なエンジン」という特長はそのままに、2リッターから2.4リッターへの排気量アップにより動力性能を向上。0-100km/h加速性能を従来型の7.4秒から6.3秒に高めた。あわせてレスポンスを向上させ、高回転域までストレスなく伸びるフィーリングを実現している。
一方パッケージ、サイズは従来型を継承し、ほぼそのままだという。全高ならびにヒップポイントを低くおさえ、さらなる低重心化と回頭性の向上に寄与。86に求められるキビキビとした走りを追求した。ルーフパネルのアルミ材採用などによるさらなる低重心化、フェンダーのアルミ材採用やフロントシート、マフラーなどの改良による軽量化にも成功している。また街乗りから限界走行まで、どんな速度域でも「走る楽しさ」を感じられるハンドリング性能を目指し、ボディ剛性を向上。ねじり剛性を従来型比約50%向上させることで、操縦安定性能を高めた。
もちろんモータースポーツからのフィードバックも活かされる。サーキットでの86に搭載された空力アイテムを採用し、操舵応答性や操縦安定性を向上させるため、エアアウトレットやサイドシルスポイラーなどを織り込んだ。
またAT車には、スバルの運転支援システム『アイサイト』を採用。通常走行における安全サポートから、衝突回避支援や衝突被害の軽減に貢献するプリクラッシュセーフティ技術、万が一事故が起きた際の救護支援、二次衝突の回避支援まで、総合的な安全技術を搭載した。
今回の新型GR 86は、2019年9月にトヨタとスバルの間で合意した『新たな業務資本提携』の中で掲げた『もっといいクルマづくりへともに取り組む』ことの具体例であり、これまでの自動車業界における協業の形に捉われない、両社にとっての新たなチャレンジだとしている。
「今後も、スバルとお互いの持つ強みを持ち寄り、さらに関係を深めることで、『もっといいクルマづくり』の可能性を追求していきます」としている。
日本での販売は2021年秋ごろを予定。新型GR 86も、モータースポーツで活用されていくことになりそうだ。