【ライターコラムfrom仙台】苦しいときこそ…。奥埜博亮のチャレンジは続く

4月5日(水)18時11分 サッカーキング

川崎の小林悠(右)と競り合う仙台の奥埜博亮 [写真]=Getty Images for DAZN

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「クオリティーの差が出てしまいました。相手は一人ひとりがボールを持つと自信を持って、一人を外す動きができていました。僕たちも相手のプレッシャーにかかわらず、自信を持ってプレーしなければいけません」

 4月1日の明治安田生命J1リーグ第5節で、ベガルタ仙台は川崎フロンターレに敗れた。試合後、奥埜博亮は悔しさや責任を感じながら、試合を振り返った。

 立ち上がりは高い位置でのプレッシャーから仙台がペースを握りかけたものの、次第に川崎ペースに。川崎が仙台のプレッシャーをかわしてボールを動かせたのに対し、仙台は川崎のプレッシャーに対してどこか怯んだまま、攻守ともに後手に回ってしまった。その結果が0−2の敗戦だった。

 今季の仙台は、ここまでのリーグ戦は3勝2敗。3勝全てが1−0であったように、粘り強く守って耐え、終盤に1点を決めて逃げ切るかたちで勝ってきた。逆に、先制されると無得点で終わってしまっている。

 奥埜はこの3勝中2勝で決勝点を決めていた。残る1勝、つまり第1節の北海道コンサドーレ札幌戦で石原直樹が得点した時も、その二手前には奥埜のボールタッチがあった。

「自分は一人だけで何かができる選手というわけではない」と日頃自らを評するように、奥埜は個人技よりも周囲との連係の中で輝くタイプ。相手の守備網の中でボールを受け、細かいステップやターンで相手をかわしたり、ワンタッチで相手のプレッシャーの外にボールを動かしたりすることが得意だ。

 しかし彼はパスワークの結節点だけでなく、終点にもなれる。前述のように、決勝点を記録するフィニッシャーとしても活躍。昨季も、リーグ戦4得点のうち3得点が決勝点だった。「一人だけで何かができるわけではない」のかもしれないが、試合を決めることができる存在だ。

 完敗の後に、何ができるか。そうチームが問われているときに、川崎戦でシュート0本に終わった責任を感じつつ、次の試合での成長を奥埜は誓った。

 中5日で迎える次節の相手は、浦和レッズ。奥埜は2015年ファーストステージ第11節に、J1初ゴールをこのチームを相手に決めている。あの時は1−3で苦しい展開だったときに果敢に敵陣に挑み、自身のゴールで反撃の狼煙を上げ、最終的に4−4に持ち込んだ。

 その時のような気迫を、これからも見せられるか。奥埜はオフをはさみ練習が再開した4日に、戦術練習で鋭い飛び出しを見せたり、対面する相手に厳しいプレッシャーをかけたりする姿が目立っていた。

「まずは『粘り強くプレーする』という共通認識があって、それはこの試合でも変わりません」

 練習を終え、次節を展望すると、こう付け加えた。

「そして何より、チャレンジを忘れずに続けてやらなければ」

 苦しいときこそ、チャレンジを。奥埜はその姿勢を、プレーで表す。

文=板垣晴朗

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