【2023年大会】ロアッソ熊本ジュニアの韋駄天アタッカーが強豪BUDDY.FCを圧倒!《JA全農杯全国小学生選抜サッカーIN九州》

2023年4月5日(水)11時5分 サッカーキング

優勝したロアッソ熊本ジュニア[写真]=日刊スポーツ

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 3月25日と同26日の2日間にわたり、『JA全農杯2023全国小学生選抜サッカーIN九州』が鹿児島県指宿市のいぶすきフットボールパークで行われた。

 福岡県、大分県、長崎県、佐賀県、熊本県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県から各2チームずつ、合計16チームが参加し、トーナメント形式で行われる今大会。1試合の競技時間は前後半20分ずつの計40分で、交代は自由に行えるため、登録メンバーをどのように活用しながら戦い抜くかがカギとなる。

 25日には1回戦と準々決勝を実施し、BUDDY.FC(福岡県)、V・ファーレン長崎U-12(長崎県)、サガン鳥栖U-12(佐賀県)、ロアッソ熊本ジュニア(熊本県)の4チームが26日の準決勝進出を果たした。

 そして26日10時から行われた準決勝を経て決勝に駒を進めたのは、ロアッソ熊本ジュニアとBUDDY.FC。ロアッソ熊本ジュニアは1回戦でWウイング沖縄JFC(沖縄県)に5-0、準々決勝でアビスパ福岡U-12(福岡県)に3-1で勝利すると、準決勝ではサガン鳥栖U-12に5-0と、攻撃力を武器に勝ち上がってきた。

 一方のBUDDY.FCは初戦で唐津FC(佐賀県)に2-0、準々決勝はソレッソ鹿児島(鹿児島県)に5-1と勝利し、準決勝はV・ファーレン長崎U-12に2-1の逆転勝利で決勝へと駒を進めた。

 決勝は13時キックオフ。前日夜に降り始め、準決勝の間も選手たちを濡らし続けた雨は決勝が始まる頃には止み、万全のコンディションの中で両チームが相まみえることになった。

「一人ものすごくスピードのある子がいるという情報を聞いていて、うちのDFがどれだけ通用できるかがポイントだったんですが、思った以上に対応できませんでした」とは、鶴丸総一郎監督(BUDDY.FC)の試合後のコメント。「ものすごくスピードのある子」こと馬場勇一郎(ロアッソ熊本ジュニア)が、50メートル走6秒9という自慢の快足で前半から相手を圧倒した。

「相手が前からプレスをかけに来ていて、こちらのFWと相手のDFが1対1の状況になっていたので、それならそこを生かして攻撃しようと考えました」とロアッソ熊本ジュニアの北澤航季監督が試合後に語ったとおり、馬場は10番を背負うキャプテンの西山豪将との好連携や、自陣から山崎龍心、前崎優心らが放つ正確なフィードに走り込んで相手守備陣を脅かすと、8分には相手を背負いながら自陣からのパスを受け、素早い反転からのドリブルシュートを決めてロアッソ熊本ジュニアに先制点をもたらした。

 10分過ぎからはBUDDY.FCが攻め込む時間帯が続き、12分にはロングスローから久保蒼真が強烈なシュートを放つが、クロスバーに阻まれ得点は奪えない。

 すると14分、馬場が1点目と同じような形で抜け出し、GKの位置を見ながら左足の正確なシュートで2点目。17分には相手2人のチャージを物ともせずにドリブルで突き進んでゴールを奪い、前半だけでハットトリックを達成。「自分が全ゴールを決めて優勝に導くつもりだった」というエースの大爆発により、ロアッソ熊本ジュニアが3点リードで前半を折り返す。

 大きなビハインドを背負ったBUDDY.FCだったが、布陣を変更し、守備への意識を高めた後半は馬場を封じることに成功する。27分にはCKが混戦を誘い、こぼれたボールがゴールラインを割ったかに見えたが、ギリギリのところで相手にクリアされ得点は生まれない。それでも粘り強く攻め続けて迎えた34分、ペナルティエリア内でボールを受けた田中琥太郎が冷静に相手をかわしてシュートを放ち、待望のゴールを奪う。

 BUDDY.FCがもう1点追加すれば試合の行方は分からなくなるところだったが、最後に魅せたのはロアッソ熊本ジュニアの韋駄天アタッカーだった。39分、馬場が1点目、2点目と同じような反転からのシュートでこの試合4ゴール目を奪う。BUDDY.FCはアディショナルタイムに連続のCKで畳みかけたがゴールは遠く、4-1でロアッソ熊本ジュニアが初優勝を飾った。

 優勝したロアッソ熊本ジュニア、準優勝のBUDDY.FCは、5月に神奈川県で開催される「JA全農チビリンピック2023 JA全農杯全国小学生選抜サッカー決勝大会」に九州代表として出場する。

 ロアッソ熊本ジュニアの北澤監督は「自分たちの実力を試せる格好の舞台なので、力を出し切って戦ってほしい」と語り、殊勲の馬場も「自分のスピードで相手を圧倒して、チームを優勝に導きたい」と意欲を見せる。一方、BUDDY.FCは2012年に3位、2014年に準優勝と決勝大会での実績も十分なだけに、鶴丸監督は「過去の実績を超えたい」と高い目標を掲げた。

■監督・選手コメント
・北澤航季監督(ロアッソ熊本ジュニア)
どうせなら優勝して決勝大会に行こうという話をして決勝に臨みました。相手が前線からプレスをかけに来ていて、こちらのFWと相手のDFが1対1の状況になっていたので、それならばそこを生かして攻撃しようと考えました。馬場は元々、能力の高い子なので、いけるだろうという話はしていたんですが、決勝で4ゴールを決めてくれてよかったです。
決勝大会はレギュレーションも違いますし、新6年生は8人しかいないので、新4年生も含めた底上げをしないといけないと思っています。選手にとっても私にとっても初めての決勝大会ですが、自分たちの実力を試せる格好の舞台なので、力を出し切って戦ってほしいです。

・馬場勇一郎(ロアッソ熊本ジュニア No.9)
自分がすべてのゴールを決めて優勝に導くという目標を立てて決勝に臨みました。一番の持ち味は50メートル走で6秒9のスピードです。スピードでは絶対に勝てると思うので、スペースにボールを集めてくれるようにチームメートに言いました。
思い切り走っていいゴールを決められたのでよかったです。自分のゴールでチームを九州チャンピオンに導くことができたので、うれしい気持ちがいっぱいです。
決勝大会には各地方から強いチームが勝ち上がってくるので、しっかり楽しんで、思い出に残るようなプレーをしたいと思います。

・鶴丸総一郎監督(BUDDY.FC)
決勝戦は、相手に1人ものすごくスピードのある子がいるという情報を聞いていて、うちのDFがどれだけ通用できるかがポイントだったんですが、思った以上にスピードがあって対応できませんでした。前半に1本、クロスバーに直撃したシュートがありましたが、あれが決まっていれば流れが変わったのかな、と思います。
後半、布陣を変えたことで抑えられるようになりましたが、もう少し対応の仕方を変えていかなければいけなかったのかもしれません。
決勝大会は過去に2回出場し、1回目(2012年)に3位、2回目(2014年)は準優勝でしたので、先輩たちが成し遂げたこの成績を超えるためにも、まずは予選突破を目指したいですね。

取材・文=池田敏明

全国9地区で開催される『JA全農杯全国小学生選抜サッカー』の模様は@zennoh_sportsにてTwitter速報を実施中。

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