プレーオフ制した永嶋花音が満開の初V 「ハナサカ」でプロ3年目が“花”咲かす

2024年4月6日(土)17時58分 ALBA Net

永嶋花音がプレーオフを制しプロ初優勝を飾った(撮影:福田文平)

写真を拡大

<YANMAR HANASAKA Ladies Golf Tournament 最終日◇6日◇琵琶湖カントリー倶楽部 栗東・三上コース(滋賀県)◇6482ヤード・パー72>

滋賀に満開の「花」が咲いた。短いウイニングパットを沈めた18番グリーン。人生初というプレーオフを1ホール目のパーで制し、プロ3年目で初優勝を決めた永嶋花音は両手を挙げてバンザイ。そして涙があふれ出た。


「プロになって3年目、本当に…。すみません。本当に苦しくて…。ごめんなさい。コーチ、トレーナー、栄養士さん、家族に支えられて優勝することができました」。感激の優勝スピーチは涙で何度も言葉に詰まった。3位になった昨年10月の「静ヒルズレディース森ビルカップ」以来となった優勝争い。首位タイに並んだ第2ラウンドは緊張マックスだった。

「胃が痛くて、胃薬を飲みながらやっていました。気持ちが苦しくて、心理状態はきつかった。でも、きょうは楽しんでできた。胃は相変わらず痛かったけど、コースマネジメントもしっかりできた。そこは自分をほめたいと思います」。冷静なジャッジと好調だったパットが優勝を手繰り寄せた。

正規の18番パー4。ティショットはフェアウェイ右のバンカーに入れた。ボールはあごの近く。最初は6番ユーティリティを握った。そこから8番アイアンに替え、最後は9番アイアンとピッチングウェッジを手にして、一番短いピッチングでフェアウェイにしっかり出すことを優先。ピンまで99ヤードの3打目をピン左8メートルに乗せた。

1組前の高野愛姫が最後をバーディで締め、永嶋と同じトータル4アンダーでホールアウト。外した瞬間に負けが決まる場面でも、不思議と落ち着いていた。カップの真ん中から沈めてのプレーオフ。力強いガッツポーズも飛び出した。

「結構、入れる自信はありました。今週はプロアマ戦のときから長いのが入ったり、すごくグリーンが合っていた。パットに尽きます。この大会はタイトルがハナサカで、自分の名前と同じ花がある。試合が始まる前からそこは意識していた。きょうは優勝するつもりだったけど、本当に勝てるとは思わなかった。花が咲きました。すごくうれしい」

3度目の挑戦で2021年11月の最終プロテストに合格。ルーキーイヤーの22年はレギュラーツアー23試合に出て、15試合で予選落ち。昨季はレギュラーツアーが7試合で6度の予選落ち、ステップ・アップ・ツアーでは優勝争いを経験したが、9月の「ちゅーぴーレディース」の初日に「73」を打ったときに「棄権したいと思った。2日目は朝からすごくきつくて、逃げ出したくなった」となかなか結果が出ない日々に不安な気持ちは限界寸前だった。

プロの世界の厚い壁。救ってくれたのは最初のコーチでもある父・達矢氏の一言だった。「逃げてもいいんじゃないか」。不思議と肩から力が抜けた。「あっ、逃げてもいいんだと思ったら、すごく気持ちが楽になった」。その日は「66」をマーク。戦う気持ちを取り戻し、前を向くことができた。

「今季は1勝することが目標だった。開幕戦で達成できたので、2、3勝目を目指していきたい。レギュラーツアーのマンデー予選にも挑戦します。いままで自分に自信を持つことができなかったけど、優勝できて自信になりました」

次戦は来週12日から行われるレギュラーツアー「KKT杯バンテリンレディス」に主催者推薦で出場する。弱気な自分と決別した22歳が次週はもっと大きなを花を咲かせる。(文・臼杵孝志)


<ゴルフ情報ALBA Net>

ALBA Net

「プレーオフ」をもっと詳しく

「プレーオフ」のニュース

「プレーオフ」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ