CLベスト8、1stレグ。“金満、成金”がついに別格の存在へ。PSGが狙う野望とマンCの不安

4月6日(水)11時23分 フットボールチャンネル

34歳にして絶頂期にあるイブラヒモビッチ

 チャンピオンズリーグ(CL)ベスト8、1stレグの2日目、パリ・サンジェルマン(PSG)はホームでマンチェスター・シティと対戦する。中東資本によって買収され、短期間で急速に力をつけた両クラブだが、現状は対照的な状況にある。フランスでの国内リーグを史上最速で制したPSGにとって今季はさらなる名声を手にするチャンスとなる。(文:海老沢純一)

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 現地時間6日に行われるチャンピオンズリーグ、ベスト8の1stレグ。フランス王者パリ・サンジェルマンは、ホームにマンチェスター・シティを迎える。

 ベスト8で満足することなく、次のラウンドへの進出を強く望んでいる両チームだが、現在の状態で考えればPSG有利と考えられるだろう。ブックメーカーのウィリアム・ヒル社のオッズでもPSG1.7倍、ドロー3.6倍、シティ5倍という配当となった。

 もちろん、これは開催地がパリであることも加味されている。しかし、試合ごとのオッズとは別にベスト4進出チームを予想するオッズもあり、そちらを見てもPSG1.44倍、シティ2.62倍と、やはりPSGの勝ち抜けが低い配当となっている。

 実際、今季のPSGは無類ともいえる強さを発揮している。リーグ1では現地時間3月13日の第30節トロワ戦で9-0というスコアで勝利し、リーグ史上最速となる優勝を果たした。

 特にイブラヒモビッチの状態は凄まじいものがある。今季はリーグ1で26試合に出場して30得点11アシストを記録。優勝を決めたトロワ戦では最下位チームが相手ながらアウェイで4得点。直近のニース戦ではハットトリックを決める活躍を見せた。

 CLでもチェルシーとのベスト16で1stレグ、2ndレグともにゴールを決めて勝利に大きく貢献。34歳にしてますます磨きがかかっており、今季限りでのクラブ退団を示唆してからは欧州各国のトップクラブへの移籍の可能性が報じられている。

バルサやマドリー、バイエルンと並ぶ存在となるか

 もちろん、PSGの武器はイブラヒモビッチだけではない。ディ・マリアはマンチェスター・ユナイテッドで屈辱的なシーズンとなった昨季の鬱憤を晴らすようなパフォーマンスを続けており、6300万ユーロ(約79億1300万円)という移籍金に相応しい選手であることを証明して見せた。(レートは現在のもの)

 中盤ではヴェラッティが負傷で離脱を強いられており、今回も欠場となる見込みだが、代わって21歳のラビオが台頭。攻撃面での高い技術に守備面での強さも併せ持ち、188cmと高さもある。チェルシーとのベスト16、2ndレグではアウェイで先制ゴールを決める活躍で勝利に貢献している。

 2011年にクラブが買収されたのち、毎シーズン巨額の資金で有力選手を獲得する姿には“金満、成金クラブ”との批判の声も少なくはないが、今では名実ともに欧州トップクラブに数えられる存在となった。

 イブラヒモビッチが在籍する最後のシーズンとなるであろう今季はベスト4、さらにその先へと駒を進め、バルサやマドリー、バイエルンと並ぶ別格のクラブとなることを望んでいるはずだ。

 一方、同じように08年に中東の投資グループによって買収され瞬く間にトップクラブへの仲間入りを果たしたマンチェスター・シティだが、現状は苦しい。

 まず、今季のシティは移籍市場で200億円を超える資金を投入してチームを補強。プレミアリーグの覇権奪還に加えて欧州制覇も十分可能な陣容を手に入れた。

 実際、シーズンは開幕5連勝と好スタートを切ったがその後の連敗以降は8、9節にニューカッスルとボーンマスに連勝したのを最後に勝利と敗戦もしくは引き分けを繰り返すなど不安定な戦いが続いている。

負傷者続出で苦しいシティ。一方でキーマンの復帰も

 加えて、主力選手に負傷者が続出。GKのハート、CBの要であるコンパニ、中盤のデルフ、前線ではスターリングが負傷を理由にプレミアリーグ第32節ボーンマス戦を欠場している。

 ハートはこのPSG戦での復帰の可能性が報じられているが、UEFA.comでは4月4日の最終更新の時点で上記の選手に加えてフェルナンドの負傷を報告している。ペジェグリーニ監督にとっては頭の痛い問題である。

 しかし、明るいニュースもある。スターリングとともに100億円近い移籍金で今季加入したデ・ブルイネがボーンマス戦で負傷から復帰。1ゴールを決めてPSGとの大一番に弾みをつけた。

 このデ・ブルイネが負傷した2月以降、シティはプレミアリーグで2勝1分け4敗。その2勝は対戦時19位のサンダーランド、同最下位のアストン・ビラ、ドローは同18位のノリッジ、4敗は同首位のレスター、同2位のトッテナム、同9位のリバプール、同6位のユナイテッド。

 つまり、残留を争っているチームからしか勝ち点を奪うことができず、逆に力のあるチームからは1つの勝ち点を奪うこともできずにいた。このデ・ブルイネの不在の影響は非常に大きかったといえるだろう。

 自らが不利と予想されるPSG戦で見返すためには、このデ・ブルイネがアグエロ、シルバとの連動した攻撃を繰り出せるかが鍵となるだろう。

 しかも、現在プレミアリーグで4位に位置し、5位のユナイテッドとは勝ち点1差、6位のウェストハムとは同3差というシティだけに、ここで敗退しさらにリーグでも順位を落とせば、待ちに待ったグアルディオラ監督との最初のシーズンでCLに出場できないという事態になりかねない。

 世界から落胆と嘲笑を浴びせられないためにも、簡単に引き下がるわけにはいかないだろう。

(文:海老沢純一)

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