吉田が見た岡崎の凄さ。プレミアの“先輩”が与えた「日本人歴代最高選手」という称号【現地レポート】

4月6日(水)11時2分 フットボールチャンネル

吉田麻也が見た岡崎慎司とレスター

 プレミアリーグで首位を走るレスター・シティにおいて、岡崎慎司はレギュラーとして欠かせない存在となっている。日本代表のチームメイトであり、プレミアリーグの“先輩”でもある吉田麻也は“新参者”の岡崎をどう見ているのだろうか。レスター対サウサンプトンの一戦で日本人対決は実現しなかったが、吉田は岡崎を「日本人歴代最高選手」と称えている。(取材・文:Kozo Matsuzawa / 松澤浩三)

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 レスターの岡崎慎司とサウサンプトンの吉田麻也。世界有数のプレミアリーグで日本代表のエースストライカーと守備の要がしのぎを削りあう。そんなマッチアップが期待されたが、昨年10月に行われた前回に続いて、先日の試合でも同時にピッチに立つことはなかった。

 12戦連続先発出場を果たし、レギュラーを奪取した感もある岡崎に対して、シーズン序盤は右SBを中心に起用されたものの、その後は徐々にプレータイムが減少した吉田。

 だが後者は、今季で自身4シーズン目を終えようとしているプレミアの“先輩”である。2012年8月にセインツ(サウサンプトンの愛称)加入以来、1年目はレギュラーとしてチームのバックラインの中心でプレーしたものの、2年目以降はデヤン・ロブレン、トビー・アルデルワイレルド、そしてフィルジル・ファンダイクと、毎年のように新加入選手とスタメンの座を争わされてきた。

 残念ながら現在の吉田は、こういった勝負に勝ち切れずに3番手に甘んじている格好だが、それでもこのタフなプレミアで丸4シーズン近く戦ってきた男だ。リーグの酸いも甘いも十分に理解している。そんな彼が、今季イングランドに旋風を巻き起こしているレスターを、そしてリーグでは“新参者”の岡崎をどのように見ているのか。間近で見た“台風の目”と日本代表の同僚を、吉田はどのように評価したのか。

「強いですね」。それが吉田の考える率直なレスター評だ。だがこの日の試合でレスターの強さが目立ったかといえば、そうではなかった。しかし吉田は、「強いし、流れもあるし、運も引き寄せている」と説明した。

「凄い」。吉田も脱帽した岡崎のプレー

 例えばこの試合でも、重要な局面でレスターの選手がペナルティーエリア内でハンドをしたように思われた場面もあった。中でも顕著だったのが後半28分。チャーリー・オースティンのクロスをブロックに入ったロベルト・フートは、一瞬左手を伸ばしてボールに当てにいったかのようにも見えた。だがレフェリーはこれらをすべて流している。そして結果的には、レスターに有利な判定が多かったように映ったのも確かだ。

「ハンド何回見たか、俺」と苦笑いしながら、吉田は続けた。「(サウサンプトンが)ハンドを流されるのはこの試合だけじゃなくて、そういうのがかなり多くある。そういう運の引き寄せもあるのかなと思いますね」。嫌味ではなく、レスター自体が完全に勢いに乗っている状況を分析しての発言だ。

 そして同じ土俵で戦う選手として、今季のレスターが非常に強いチームであることを強調し、「やるべきことを理解しているし、徹底されているので。あと、ボランチ2人がすごくいいなと思う」と付け加えた。

 さらにレスターで活躍する選手たちが「試合を重ねて、勝ち点を積み重ねて、みんな自信はかなりついていると思う。とりあえず、迷いはないと思う」と吉田は推察する。

 一方、岡崎については「凄いですよね」と一言。後半19分に交代した場面についても、「あれだけ走り回って。だって60分ぐらいでヘトヘトになってるんだから」と脱帽するしかなかった。

岡崎は「日本サッカー史上最高の選手」

 とりわけ岡崎のすごさは、「すごさを感じられないところが凄い」と笑う。「岡ちゃんだけじゃなく、チーム全体に言えることですが、相手にとって嫌な所、嫌な所をついてくる。アクションが1回だけでなく、2〜3回続けられるところが凄い」と驚嘆した。

 リーグ戦6試合を残した時点で、岡崎は2位のトッテナムに勝ち点差7をつけて首位をひた走る今季絶好調のレスターで定位置を奪い、30試合出場して5得点。さらに数字には表れないものの、前線からのプレッシングや自陣まで戻ってのトラッキングなど、貢献度の高さはピカ一だ。これらについては、地元メディアや解説者、さらに同僚である現役選手たちが「影の功労者」として度々「オカザキ」の名前を挙げていることからも明らかである。

 普段から吉田は、ブログやメディアで愛嬌のある岡崎をいじりまくっている。先日の試合前も、互いの練習を終えてトンネルに引き揚げる際には、長身の吉田が公称174センチの岡崎の肩を抱き、どちらが年上か分からないくらいだった。

 しかしいざ口を開けば、尊敬の言葉ばかりが並んだ。さらに最後には、先月29日の日本代表の対シリア戦で国際Aマッチ100試合出場を果たした偉大な先輩を次のように形容した。

「まあ日本人の中で…なんて言ったらいいんだろうなぁ。日本サッカー史上最高の選手になりつつあるんじゃない? これで優勝したら、誰も何も言えない」。

「日本人歴代最高選手」という称号の可能性。吉田はそれほど岡崎を評価している。正直、その是非については分からない。しかしながら、もしレスターがリーグ制覇を果たし、もしミラクルチームの立役者の一人となれば…。

 今後は、最低でもイングランド国内では、誰もが岡崎を日本人ナンバーワンプレーヤーと評価していくのは間違いない。答えは、わずかそこまで近づいている。

(取材・文:Kozo Matsuzawa / 松澤浩三)

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