西武の多和田真三郎と、中日の小笠原慎之介は「NPB史上2位タイ」…何が?

4月6日(木)22時38分 フルカウント

NPB史上わずか11人の“珍記録”

 昨年、2人の「大物新人」がプロ入りした。西武の多和田真三郎と、中日の小笠原慎之介。2人の投手は野球の実力でも新人トップクラスだったが、1軍の試合に出場した時点で「NPB史上2位タイ」になったのをご存じだろうか?

 何が? 球速? コントロール? 人気?

 いやいや、そうじゃない。この2人は「名前の文字数」で史上2位タイの6文字なのだ。「なんだ…」と思われるかもしれないが、毎年この季節に書店に並ぶ「プロ野球選手名鑑」の編集担当者は、彼らの名前を枠に入れる時に、文字を縦に細長くするか、小さくするか、苦労しているはずだ。

 氏名が6文字の1軍選手は、2007年にソフトバンク・ホークスの左腕投手、田之上慶三郎が一軍で投げて以来、8年ぶり。過去には、これだけの6文字名前の選手がいた。

1939-40 鈴木田登満留(巨人)外野手 8安打
1942-51 祖父江東一郎(大洋、西鉄、毎日)外野手、投手 32安打 0勝1敗
1962-81 佐々木宏一郎(大洋、近鉄、南海)投手 132勝152敗
1980   大久保美智男(広島)投手 0勝0敗
1990   小野寺在二郎(ロッテ)外野手 1安打
1990-97 今久留主成幸(大洋、西鉄)捕手 3安打
1991   加世田美智久(西武)投手 0勝0敗
1995-00 井手元健一朗(中日、西武)投手 4勝3敗
1996-07 田之上慶三郎(ダイエー・ソフトバンク)投手39勝42敗
2016-  多和田真三郎(西武)投手 7勝6敗
2016-  小笠原慎之介(中日)投手 2勝6敗

 全部で11人。みんな歌舞伎役者のような名前だ。

 佐々木宏一郎は昭和の時代、アンダースローから繰り出すシュートで野村克也や大杉勝男をのけぞらせた名投手。今久留主成幸は、PL学園で桑田、清原のチームメイト。明治大学を経てプロ入りした。ちなみにNPBでは4文字の名字は「今久留主」だけ。戦後、内野手として活躍した今久留主淳、今久留主功と、その親戚にあたる今久留主成幸の3人だけだ。

漢字だけの最長氏名は「赤根谷飛雄太郎」

 こうして見ると、6文字名前の希少性が分かるだろう。その上にはただ1人、氏名が7文字の選手がいる。

1948-49 赤根谷飛雄太郎(急映、東急)投手 2勝6敗

「あかねやひゅうたろう」と読む。秋田商から法政大、社会人を経て急映入り。プロ入り時はすでに32歳。いきなり2軍監督を兼任しながらのプロ入りだった。

 現役はわずか2年だったが、引退後は母校秋田商などの監督として、秋田の球界で重きをなした。諸説あるが「巨人の星」の星飛雄馬は、赤根谷飛雄太郎からヒントを得た名前ともいわれている。記録マニアには「赤根谷飛雄太郎」は殿堂入り級の有名選手だ。

 もちろん、カタカナが使われた名前には長い名前がたくさんある。1998年から2002年まで日ハム、広島で活躍したシュールストロムは、カタカナで8文字、外国人選手の名前を入れたらきりがなくなりそうだが、日本語の名字+カタカナ名前はどうだろう?

 1軍の試合には出なかったが瀬間仲ノルベルトは8文字。昨年は仲尾次オスカルという7文字の左腕が広島の1軍で投げている。ともにブラジル出身だ。

MLBの最長姓はサルタラマッキア(Saltalamacchia)の14文字

 ちなみにMLBでは、上原浩治田澤純一の球も受けたことがある捕手のジャロッド・サルタラマッキアが「Saltalamacchia」と14文字で最も多い。彼のユニフォームの背中は常にアルファベットがアーチ状に背番号を取り囲んでいた。

 実は今季のドラフト有望選手にも6文字名前の選手がいる。即戦力の期待がかかるNTT東日本の左腕、加美山晃士朗だ。彼がプロ入りして1軍で投げれば、史上初の「3人の6文字名前選手そろい踏み」が実現する。

 しかし、それ以上の猛者がいる。御殿場西高校の強打の捕手、木須デソウザ・フェリペだ。氏名を合わせて何と10文字。彼の両親も日系ブラジル人だ。彼がプロ入りすれば、選手名鑑の編集者は頭を抱えるのではないか。

 国際化、選手のキャリアの多様化とともに、選手の名前も変化している。また、これまでの慣習にとらわれない「キラキラネーム」も増えている。NPBの選手名鑑に長い名前がたくさん載る日もくるだろう。制作者には頭が痛いことだが、これも世相なのだろう。

広尾晃●文 text by Koh Hiroo

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