財政と結果の両面で転換期を迎える伊サッカー界…ミラノの両雄が苦しむ資金繰り

4月6日(水)19時52分 サッカーキング

ともに資金面で厳しい立場にあるインテルとミラン [写真]=Getty Images

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 昨今、イタリアでは多くのクラブが資金繰りに苦しんでいる。

 日本代表DF長友佑都が所属するインテルの会長が、マッシモ・モラッティ氏からインドネシア人実業家のエリック・トヒル氏に変わったのは2013年11月だった。

 また、元日本代表の中田英寿氏がかつて所属し、UEFAカップ(現ヨーロッパリーグ=EL)を制したことのある名門パルマは、経営破綻で2億2000万ユーロ(約282億円)という負債を出して2014−15年シーズンを最後に"倒産"した。

 チャンピオンズリーグ(CL)など国際大会で毎年のように優勝候補を輩出し、ヨーロッパサッカー界をけん引していた十数年前のイタリアは過去のもの。経済力の低下とシンクロしてクラブ力も弱くなり、財政事情は火の車という内情を探った。データはイタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』のもので、フィオレンティーナ、サンプドリアなどを除く2015年6月末時点の数字(円換算は概算)だ。

 2014−15シーズンにセリエAにいた20チームのうち、財政黒字だったのは7クラブだけ。トリノ(1060万ユーロ=13億5700万円)、ラツィオ(580万ユーロ=7億4200万円)、ユヴェントス(230万ユーロ=2億9400万円)などだ。

 一方、大半を占める赤字クラブのマイナス金額はケタが違う。ワースト1はインテルの1億1404万ユーロ(=145億9800万円)、続いてミランの913万ユーロ(=116億8600万円)、3位にはローマの413万ユーロ(=52億8600万円)。この3つのクラブの共通点はすでにおわかりだろう。ここ数年でクラブのオーナーが変わったか、もしくは売却の噂が出てまとまっていないクラブだ。選手の移籍金の高とう、監督を解雇しても契約にのっとって高額な年俸を払い続けなければならないというカルチョビジネスは、自分たちで自分の首を締めていった。

 同紙のデータでは収入源をスタジアム観客チケット、スポンサーなどの商業、テレビ放映権、その他の4つに分けている。唯一、一クラブとしても戦力をみてもヨーロッパレベルをキープしつつあるユヴェントスは、テレビ放映権1億9470万ユーロ(=249億2000万円)と、その約半分の金額でチケット、スポンサー収入3部門のバランスがとれている。ローマ、インテル、ラツィオ、ミランのテレビ放映権収入はそれぞれユヴェントスの約半分。もはやクラブの命運を握るのはテレビ放映権料と言ってもいいほどだ。

 スポンサーや広告収入がクラブの財力源となっていた時代は変わったのではないか。セリエAの試合よりもCLに出場できるかどうかによって、クラブに莫大な放映権料が入ってくる。同じ欧州カップ戦でもELとの違いはそこにある。財閥経営でイタリア人のワンマンオーナーが好きにクラブを牛耳っていた時代は終わった。イタリアサッカーだけでなく、クラブ経営でもイタリアは転換期を迎えている。

文=赤星敬子

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