瀬戸大也が自己ベスト更新。要因は「ウエイトトレーニング減」にある

4月7日(日)13時35分 Sportiva

  競泳日本選手権4日目。

 200mバタフライに出場した瀬戸大也は抜群の安定感を示し、1分54秒44のタイムで3年ぶり4度目の優勝を果たした。


競泳の日本選手権。男子200mバタフライ決勝で優勝した瀬戸大也

 前半は54秒73と予定よりも遅れたが、後半を久しぶりに59秒台でまとめたのは収穫だった。

 2017年の世界選手権ではこの種目銅メダル、さらに短水路の200mバタフライでは世界記録を持っている瀬戸だが、まだ200mバタフライに関しては個人メドレーの様に前半から攻められないと話す。

「前半ビビってしまう」と言っていたが、200mバタフライは短水路と比べると、長水路ではラスト50mの苦しさが全然違うという。

 今後この種目の課題としては、「夏までに前半53秒台、54秒前半で入れる様にしたい。現状ではまだ世界で4、5番なのでもっとレベルアップしていきたい」と話した。

 5日目に行なわれた200m個人メドレーでは4年ぶりに自己ベストを更新し、1分56秒69で危なげなく優勝した。

 レース後、平泳ぎのテンポは400mよりになってしまったと語っていたが、200mバタフライのレースとは対照的に得意のバタフライから果敢に飛ばし、背泳ぎの泳ぎのテンポも非常に速かった。

 この種目で、世界選手権でメダルを獲るには最低でも1分56秒前半のタイムが必要だが、瀬戸は夏に向けて調子を上げていくのが抜群にうまい選手だ。4月の時点でこのタイムなら夏にさらなる自己記録の更新の可能性は大いにあると思う。

 瀬戸の好調の要因はどこにあるのか。

 一つはリオ五輪以降ウエイトトレーニングの負荷(時間と強度)を減らしたことがあげられる。

 瀬戸の言葉を借りれば、「ほぼほぼトレーニングは、水中トレーニングで完結できるようにしている」と語る。

 私の考えでは、ウエイトトレーニングの意味は、筋量を増やしてエンジンを大きくすること、パワー発揮の出力を上げること、さらには傷害の予防などがあると思う。

 瀬戸は元々泳ぎの技術が高く、水中でのパワー発揮が非常に上手い選手だ。

 こういう選手は水中練習でも体に強い刺激を入れられるので、水中練習の強度を上げるだけで身体、つまり筋に刺激を入れることが出来る。

 瀬戸の体を見る限り、エンジンとなる筋量はもう十分にあるので、ウエイトトレーニングは筋量の維持程度で、あとは泳ぎの精度や持久力の向上に時間を割くというコンセプトで取り組んでいるのだろう。

 しかし私が強調したいのは、瀬戸も今の段階に入るまでに、みっちりウエイトトレーニングを行ない、身体づくりに時間をかけてきたプロセスがあるからこそ、今の段階があるということだ。

 もう一つが先日のコラムでも書いた昨シーズンから続けている積極的なレース展開の積み重ねだ。ウエイトトレーニングで身体にかける負荷は減らしたが、その分水中練習の負荷を増やし、さらにレースでは常に積極的に前半から攻めて自分に負荷をかけていく。その積み重ねが今の瀬戸の安定感と自己ベスト更新に繋がっている。

 レース毎に調子を上げるタイプの瀬戸だけに、今後さらに負荷の高い水中練習と、積極的なレースを重ねていけば、200mバタフライでも前半から積極的に攻めれる自信が得られるのではないか。

 今大会残りの400m個人メドレーでの泳ぎにも注目だ。

 女子200mバタフライは、この種目のリオ五輪代表、長谷川涼香が派遣標準記録を突破する2分07秒44で2年ぶり2度目の優勝を果たした。

 昨年からキックの効いた泳ぎに改良し、スピード強化をして来ている。

 その強化してきたキックの200mレース中の使い方は、以前と同じように150mまでは足を溜めて、ラスト50mで足を使うというイメージで泳いでいるそうだ。

 その泳ぎ方自体は変わっていないが、自分で映像を確認すると、150mまでも以前と比べて自然と足が入っているという。

 私から見ても以前より足の位置が高くなり、その分上半身の重心が前に乗るようになり、フラットな姿勢を作れているし、150mまでの泳ぎでもタイミングよくキックが入ることでリズムも作りやすくなっている。

 200mバタフライ決勝では強化して来たスピードを活かし、前半100mは星奈津美の持つ日本記録を上回るペースで入った。流石に後半は疲れが見え、今大会200mバタフライに初参戦している大橋悠依に詰め寄られたが、この種目の第一人者の維持を見せ逃げ切った。

 このラスト疲れたところの粘りにも強化して来たキックが効いていた。

 キックが新たな武器として加わったことで、キックを使う使わないで、レースの中でスピードの上げ下げができるし、本人も「自分の中で足の使い方のレベルが上がった」と語ってくれた。

 私もそうだったが、100mよりも200mを得意とする選手は持久力を強化することよりも、スピードを強化する方が大変だ。

 長谷川は一つその壁をぶち破ったことで、今後このスピードを持続する持久力をつけていけば、世界選手権、オリンピックでのメダル獲得も見えてくる。

 5日目を終えて、個人で派遣標準記録を突破した選手は6人。

 決勝種目は残り14種目となった。

 残り2日間、選手たちの奮起が見られるはずだ。

Sportiva

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