スーパーGT:NSX同士の激戦制したKEIHINがポール・トゥ・ウィン。山本&バトン組は2位表彰台

4月8日(日)18時36分 AUTOSPORT web

 いよいよ2018年シーズンの開幕を迎えたスーパーGTは、4月8日に岡山国際サーキットで決勝レースが行われ、GT500クラスはKEIHIN NSX-GTが開幕戦を制し、2018年仕様NSX-GTのパフォーマンスを証明する今季初勝利を飾った。


 サーキット周辺は朝から例年以上に用意された場外駐車場に長い車列が続き、グランドスタンドはもとより国内でもっとも“マシンに近い”コースサイドで観戦場所を確保すべく午前からフェンス際がすべて埋まるほど、今年の開幕戦にも多くのファンが詰めかけた。


 午前は快晴だったサーキット上空は、前日までと同様に正午をまたいで行われたポルシェ・カレラ・カップ・ジャパン(PCCJ)の決勝中にまとまった降雨があり、レースは混乱。スーパーGT決勝に向けても天候の急変が危ぶまれる中、12時45分のオープニングセレモニーまでには晴れ間がのぞくなど状況が回復し、ウォームアップ走行からのスタート進行を迎えた。


 前日土曜の予選ではQ2セッションが雨に祟られたこともあり、その難コンディションを味方につけたNSX-GT勢がフロントロウを独占。10分間に短縮されたセッションでミッドシップの利点を活用したKEIHIN NSX-GTがポールポジションを獲得し、その背後にARTA NSX-GTが控える構図。同じくNSX-GTをドライブして今季からフル参戦を開始した元F1ワールドチャンピオンのジェンソン・バトンも、5番手からスタートドライバーを務めることとなった。


 そのNSX-GT勢に対し、3番手グリッドを獲得してGT-R復権を期すCRAFTSPORT MOTUL GT-Rや、予選上位グリッドが優位と言われる岡山で持ち込みタイヤ選択に悩んだレクサス陣営がどこまで巻き返せるかが焦点となった。


 気温11度、路面温度22度、午後の日差しが戻ってくるなかでまずは岡山県警察の白バイ先導によるパレードラップがスタート。今季からフォーメーションに入るホームストレート上で車列は一旦ストップし、マシンは自己グリッド上を通過して隊列が整ったところからフォーメーションへと入る新たなスポーティングレギュレーションが適用された。


 そして迎えたスタートはポールからKEIHIN NSX-GTがホールショットを決めたものの、フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R、MOTUL AUTECH GT-Rと、2台のGT-Rが驚異的なスタートを決めて1コーナーへ。ウイリアムズを立ち上がりアトウッドへの進入までには、8番グリッドスタートのMOTUL AUTECH GT-Rがなんと2番手に浮上してみせる。


 10周目を過ぎGT300首位争いに早くも追いついたGT500先頭集団は、これがデビュー戦となるルーキーのフェリックス・ローゼンクビスト、ジェンソン・バトンがGT300のバックマーカー処理に手こずり、うまく呼吸を合わせることができすそろってポジションダウン。開幕早々に、2クラス混走スーパーGTの洗礼を浴びる格好に。


 その後も中団では各所で接触が発生するなか、タイヤに熱が入った昨季王者のKeePer TOM’S LC500が反撃を開始する。


 16周目の1コーナーで同陣営のライバルであるWAKO’S 4CR LC500を仕留めると、22周目にはフォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rも捉えて3番手に。そのままの勢いで2番手MOTUL AUTECH GT-Rに追いつきサイド・バイ・サイドの状態に持ち込んでいく。


 このまま2番手浮上は間違いないかと思われた瞬間、なんとその23号車にジャンプスタートによるドライビングスルーペナルティという無常の裁定が下り、労せずしてKeePer TOM’S LC500が2番手に浮上。対する23号車はすぐにペナルティを消化し、au TOM’S LC500の前、12番手でコースに復帰。ここから仕切り直しの猛追を始めることとなった。


 その後、レースは30周を過ぎたあたりで最初のピットウインドウを迎え、早めのピットを選択したチームがドライバー交代を実施。まずは34周目にZENT CERUMO LC500がピットへと向かうと、ちょうど時を同じくしてKEIHIN NSX-GT、KeePer TOM’S LC500の首位争いが激化。


 ヘアピンでサイド・バイ・サイドとなった2台はなんとか立ち上がりで17号車が頭を押さえるものの、この後も1秒以内の僅差でバトルが続き、39周目にKEIHIN NSX-GTがついに陥落。


 たまらず40周を過ぎてピットへと向かったKEIHIN NSX-GTに対し、45周目までタイヤ交換を引っ張ったKeePer TOM’S LC500は、17号車はおろかコース上でホンダ同士のつばぜり合いを繰り広げたRAYBRIG NSX-GTにも先行され首位陥落。これでNSX-GTのワン・ツー体制となり、3番手にはWAKO’S 4CR LC500がカムバックした。


 上位勢もドライバー交代を終え、中団でも激しいバトルが繰り広げられ、6番手のCRAFTSPORT MOTUL GT-Rと7番手WedsSport ADVAN LC500が秒差の勝負が展開するなか、3番手のレクサス勢対決は岡山マイスターのKeePer LC500の平川亮が前を行くWAKO’S LC500の大嶋和也に襲いかかり、56周目のヘアピンで表彰台圏内へと復帰。


 一方、優勝争いのNSX-GT対決も2番手のRAYBRIG NSX-GTがペースを上げ、毎ラップごとにKEIHIN NSX-GTとの差を詰めにかかるも、塚越広大も反応し1秒半のギャップをキープ。レースも60周を過ぎ終盤に突入すると、3番手、5番手、7番手と奇数ポジションで1対1の対決構図となっていく。


 そんななか、ドライブスルーペナルティから粘りの走りをみせるMOTUL AUTECH GT-Rは、フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rを引き連れて6番手、7番手まで這い上がり、70周目のヘアピンでアウトからARTA NSX-GTをオーバーテイク。これでペナルティのロスから5番手にまで舞い戻ってみせた。


 そして残り10周となったところで首位の2台にまさかのドラマが発生する。2番手100号車がバックストレートで不穏なウェービングを見せ、マシンに何らかの不具合があるのかと感じさせた直後、首位を行くKEIHIN NSX-GTのフロントバンパーが何らかの接触で他車のパーツを拾った状態となり、わずかにペースダウン。ここを好機と見た山本尚貴のRAYBRIG NSX-GTがみるみるKEIHIN NSX-GTの背後に迫る。


 そこから緊迫のチェイスを展開した2台は、残り5周で1秒差にまで縮まったギャップをバックマーカーに阻まれながらもなんとか守り抜いた塚越広大が、山本尚貴を抑えきり今季初優勝。2位にRAYBRIG NSX-GTが入り山本とバトンの新コンビは初戦で表彰台を獲得することになった。


 3位にはチャンピオンのKeePer TOM’S LC500が入り、平川亮は岡山での表彰台を死守している。


 昨季開幕戦は悪夢の幕開けで、レースラップでも大きく遅れを取ったNSX-GT勢が優勝争いの最前線に戻り、ロケットスタートを決めたGT-R勢はドライブスルーを経てもなお、ポイント獲得圏内にカムバックするなど、昨季王者レクサス包囲網が非常に高いレベルで整ったことを示した2018年の開幕戦。


 次戦、ゴールデンウイークに開催される第2戦富士は例年同様500kmで争われる長丁場のレースとなるだけに、この僅差の3メーカーがどんな勝負を繰り広げるか。近年稀に見る緊迫のGT500シーズンが幕を明けた。


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